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僕が考える最強剣士  作者: 漆黒のメダカ
第四章 進級、二年生
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第47話 《運命④》

「持ってきましたよ~」


そう言ってカーラがカイン君を引きずって教室に入ってきた。


「ノアザミさんと行動していたところを倒してきましたよ。」 


「ノアザミさんと?始末した?」

「(なぜあの女と一緒に!?まぁ、今は考えている余裕はないけれど。)」


「適当に記憶をいじっておきましたので安心して。」


「...殺さなかったの?」


「私の魔法は殺傷能力は高くありません~余計な魔力を使わなかっただけですぅ~!」


そう言うと、彼女は黙々とカイン君を椅子にロープで固定し、水を垂らす。


砕いた魔石入りの液体を周りに描き準備を進めていく。


カイン君の目蓋に指先を当てて息を吸う。


「これは応急処置だから、完全には記憶を消せないわ。もしうまく行かなかったら気絶させて、後々整った状態でやればいいからね。」


「...うん、気をつけてね。」


彼女が魔法を始めるようだ。


床から淡い光が照らされ魔素が舞う。


その後、カイン君の頭部からビリビリと電流が流れ出る。


数分見守っているが特に変化が訪れる気配がない。


「..ん、うん、この子普段から何らかの魔術を受けているようね、いまいち効きが悪いわね。」


「この感じ...フフフ…。」


ヴァリィン!音が鳴り、カーラが彼の瞳から指を離す。


「ふぅ、これで終了。後はがんばってね~。」


「もし失敗したら手っ取り早く気絶させた方がいいからね。」


と言って彼女は教室へ去っていった。まだやることがあるらしい。


これ以上学園を壊して意味があるのだろうか…。


まぁ、と・に・か・く・!、ここからは私。


ロベリア選手の出番ですッ!


さぁて、上手く彼を騙せるのでしょうか!?


「...。」


と言ってもまだ彼が起きそうにないので脳内でシュミレーションしてみる。

前から考えていたが、自然な感じに言うのがベターだ。

しかもこの状況、2人で力を合わせ危機を脱する的なのがいい。


自分が記憶を失っていると気づかぬように言われたことを受け入れるはず。

本能的に自分に異常がないと思い込むだろう。


とはいえ雰囲気が大切なので、良さげなところを探しにカイン君をおぶってお散歩に。


「さーて、どこか良い所は…」


「ん、んん…」


おや、カイン君が目を覚ましそうだ。


「スゥー、ふぅ。」


一息吸って気持ちを整える。


よし。


「おーい、起きて、起きて!!カイン君ッ!!」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「ハァ、ハァ、ハァ、」


「……なんで、なんでよ、私より、あの女を取るっていうの……?」


やはりあの時殺しておけばよかった!


「んん、ッ!」


カイン君めがけて腕を振り上げるところで我に返る。

まぁ、瞬時に気絶さただけでもいい、か。


取り返しはいくらでもつく。この記憶も、いや、いっそすべての記憶を消してしまえば私しか頼る存在がなくなればいい。


「まだ、大丈夫…。」


しかし、人の叫び声というのはいつ聞いても不快だ。

ちらほらと聞こえる叫び声で私の心が沈んでいく。


「鬱陶しいね、カイン君。」


儀式はもう大詰めに差し掛かっている。


あとは協会に向かって待機していればカーラがそのうち物を獲得。


それよりも今後のカイン君との生活を考えておかなくちゃ!


「(まずは稽古だな~、立派な戦闘員に育て上げて~………)」


と、思考に明け暮れていると協会に到着。屋根の上に座っている彼女に目配せをして中へはいる。


協会は入ってすぐ階段になっていて、上ったところに聖堂がある。校舎のはずれにある小山の上に建っているので見渡しがいい。


「お邪魔しまーす、げぇ…」


聖堂でむかえていたのは数々の教師や生徒の死体。


この形は結界か。


「我ながら残酷な提案だな…」


しかし、ここにいる人は皆体内魔素が豊富でよい素材になるのだ。外からは感知されないであろう。


「カイン君、ここで一緒に座ってようね。」


適当な椅子に腰かけて時を待つ。


「なに?膝枕?仕方ないな~…」


「...。」


「...。」


「!?」


突然、大気が魔力で覆われるのを感じる。

地面が微弱だか揺れる。


「目当てのが出た、回収に向かうけど、ロベリアはここで待機です。いいですね?」


颯爽とカーラが現れ現場に向かっていく。

窓から外を覗くと、空が若干赤紫に染まっていた。


よく見るべく窓から屋根に飛び移りカーラを眼で追うが、どうやら赤紫の光が出ている元に向かっていた。


「魔法書は学園のプロテクトシステム的な何かで、それに場所が示されていた、とかかな?」


足りない頭で考え、自分なりの答えを出す。


「にしても薄気味悪いねー。もっと明るい色が映えるよね、カイン君。」  


それよりも私が待機しているのはこの魔方陣を守ること。こんなところでのんきに外を見ていては叱られるな~。


と思い部屋に戻ろうとした時、一筋の光が天を穿つ。


「こ、これは…!?」


一筋の光が結界を突き抜け、天を割いていく。


空が黄金に染まり光の結晶が降り落ちていく。


いやいや、そんなはずない。こんな馬鹿げた魔法攻撃!


彼女がこんな辺境の地にいるはずがないッ!


刹那、光の元から騎士団が駆け抜ける。


「救助が最優先、敵を見つけたら即交戦だ!!」


光の斬撃の招待は、かの英雄の子孫、王国騎士団段隊長、アジャスト・ライン・スパーク。彼女の放った一撃だ。


「ウォーーッ!!」 


騎士団員らが学園に足を踏み入れて行く。


「こうなったら撤退か、今ごろカーラは回収しただろうし適当な場所で落ち合ってとんずらね。」


私は瞳を目蓋の裏に送り彼女の気配を探る。


「もう撤退を始めてる……。目的地は……西の方か。」


「カイン君、それじゃ行こっか。」


私はカイン君を抱き上げその場を離れようとする。


「どこへいくのかしら?」


「...!?」


聖堂内に見ず知らずの、いや知ってはいる。声が響く。


「イザベル・シロン…」  


「ちゃんと話すのは始めてかしら?ロベリア・ニシェルさん。」


私は剣に手を伸ばす。

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