第46話 《Another Side Ⅱ》
突然だが私の話をさせてほしい。
もっと私を知ってよ。
では、私には部下がいる。しかも部隊隊長もしている。
まぁ、今はみんな任務で散らばってるけれど。
人数?それは、まぁ秘密。(みんなが思っている部隊とはかけ離れているほど少ないけど……。)
そんなわけで部隊長としてバルッセ王国の拠点に顔を出す。支店的なやつだ。
本店の場所はよくわからない。カーラなら知っていそうだけど。
「ヤンバス王国西部に所属する、第4特殊特攻部隊隊長、エンジェル参りました。」
「今宵、貴殿らには我が部隊との情報共有を目的にこの場に馳せ参じた。突然だが許してほしい。」
ここは凛とした態度で相手にコンタクトする。
「これはこれは、部隊長。ここには大した情報はありませんがどうぞ、ごゆっくりしていってください。」
数人で出迎えられて私は奥へと進む。
私はこの拠点の隊長と話をしていく。
どうやらこの拠点は研究を軸に行っているらしい。内容は魔法の簡略化による戦力の拡大。
一般の戦闘兵も簡単な魔法攻撃を放てるようにするらしい。
「(ここはハズレか………。)」
「では早速本日の本題なんだが……。」
ここからが私がここに来た目的。あいつの処分方法だ。
「エルメスの家系を目撃した。」
そう、カイン君についている奴の名はエリーナ・エルメス。
エルメスの一族と言えばミザベルの盾と言われたほどに強大な一族。
しかし、先の戦争でミザベルを見捨て姿を眩ました。我らが敵であり戦力。
この情報をうまく使い、奴らをう上手く衝突させる。
「なるほど、エルメスの人間が我らの拠点を襲うかもしれないと。」
「はい、ですので我々で先手を打ちましょう。彼女を捕えたら、魔法研究が大きく進歩する。」
無事交渉は上手く行った。
あとはあの女を閉じ込める。カイン君には悪いけどその分私で埋めればいい。それがいい。
手紙も送ったし、私という存在は頭にあるはずだ。
「よし。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
結果をいうと、失敗に終わった。
私がへまをしたんだ。
はじめは少数でさらい、狭い部屋に追い込んでカイン君には危害を与えずすぐに気絶して貰うはずが、彼はここ最近で思った以上に成長していた。
私の判断で援軍を送ったが見事に返り討ち。
攻撃魔法をなめていた。
この件でこの部隊の被害がひどく、上にこっぴどく叱られてしまった……。
今後第4特殊特攻部隊は、私的な行動をせず上からの命令で動くというペナルティーを食らった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「そのペナルティーを解消する上からのチャンスが、バージェス魔鉱岩石のありかを掴む。」
「で、校長になったカーラさんは見つけられたのかしら?」
「えぇ、もちろん。」
「!?」
「(私が必死に探していたありかが示された書物がこんな短期間で……。)」
「じ、じゃあ、どこにあるの?どうやって奪うの?」
私は体を前へつきだし食いぎみに尋ねた。
「それは………学園の8割を崩壊させる必要があります。」
「!?、8割を崩壊!?」
「えぇ、皆さんには申し訳ありませんが...。」
「ど、どうやって?」
「これを使います。」
そうして少しキメ顔でカーラは1つのアイテムを目の前に置いた。
それは、大きさ15cm程の黒い塊。
「これは遠隔で起爆できる爆弾です。私の雷魔法を遠隔で起動させて使います。しかも微弱な魔力操作で人々からは見えない。」
「で、でも、これじゃあそんなに被害がでないような…。」
「策はあります。」
「でも-」
「あなたは時が過ぎ去るのをただ見ていれば良い。だいたいあなたは何も情報を掴めなかったでしょう。」
「...。」
「(正論だ。でも、学園を崩壊させるなんて、カイン君の安全は、だいたいこの行動が正しいのかもわからない。)」
「...はぁ、うまく行けばレオーネ・カインをあなたのものにできます。」
「!?」
今なんて言ったの?私のものに?
「で、でも、仮に私のものにできたとしても、カイン君が私に愛を向けてくれるとは限らないでしょ?」
そうだ。いまカイン君は私のことは好きじゃない。他の奴が好きなんだ。
けど私は、本当の愛を彼に向けて貰いたい!
たとえどうなろうとも....。
「確実に虜にできますよ~。」
「実際、レオーネ・カインは入学当初、あなたに好意を向けていたんでしょ?なら今の彼を当時の状態まで、いやあなたに頼るしかなくなるまでに戻せば良いんですよ。」
「...どういう意味?」
「あなたに依存せざるおえなくなるようにする。」
「だ・か・らどうやって!」
「彼の記憶を消す。」
「き………」
記憶を消す?どうやって?
「記憶喪失の少年をあなたが世界を教え優しく包み込む。惚れない要素がないですよ。」
「あなた、記憶を消せるの?」
「可能ですよ。ですが、集中力が必要なので時間はかかりますが。」
「じゃあ、どうやって?」
「これから作戦を話します。名付けて〔証拠は壊すしレオーネは貰うし宝も貰う。完全逃げるが勝ち作戦〕です。」
この際名前は突っ込まないでおこう。
「続けて。」
「まず、私が学園にいる厄介そうな教師を会議と表して集めて拘束します。
そして教師達の血液を使い適当なところに魔方陣を描き結界を張る。
結界の頂点から最大火力の稲妻を落とし、事前に仕掛けてあった爆弾が連鎖的に爆発して学園を壊す。
いいですね?」
どや顔をし、腕を組みながらこちらを見ているが問題点がある。
「カイン君が被害爆発に巻き込まれたらどうするの!?!?」
「まぁ、その程度の男だったということで...。」
「ふざけないで。なら、私が結界を仕込んだお守りを用意する。」
「それに、教師の血液じゃなくて死体を使った方が強力よ。以前に死体を使った魔方陣の結界を見たけどなかなかのできだったよ。」
「じゃあ教師は殺しときます。」
「オッケー。」
その後もお互いに細かい打ち合わせをして動きを確認した。人生で大一番の勝負になると思う。
この作戦が成功すれば、私の願いに一歩近づくだろう。




