第4話 《魔法使いカイン》
教室に戻るとロベリアは1人だった。
だいたい教室の中は男と女で分断されている。
「(皆友達作りが上手いな~)」
当然僕はグループの中に混じることはできないので、自分の席に座る。こういう時は伏せるか外の景色を見るかだな。
外を見ようとするとロベリアと目が合いそうだ。恥ずかしいので机に伏せ時をまつことに。
「レオーネ君!ちょっといいかな?」
名前を呼ばれた。
少し驚き慌てて顔をあげると、目の前にボーイッシュな女の子が立っていた。
背は同じぐらいか、少し高め。燃えるような赤色の髪と瞳。笑顔が眩しい。
「(いい身体してるな~)」
そう思った。エロい意味ではなく、筋肉の話だ。
身体か締まっていて裾から覗かせている上腕二頭筋、上腕筋がすばらしい。
「レオーネ君っていい筋肉を持ってるよね!どんなトレーニングしてるかさ、教えてよ!」
僕の美しい筋肉にきづいた…!?
...仲良くなれそうだ☆
「僕の筋肉に気づくなんて、良い目を持ってるね。」
「えーっと、確か..ダリアさん?」
「そう!ダリア・アーヴィングだよ!」
「で!レオーネ君はさ、どんなトレーニングをしてるの?」
「そうだね~..基本的に腕立て、腹筋、背筋、走り込み…えーっと、まぁダリアさんもそんな感じだよね。」
「あと、同じところを毎日鍛えるんじゃなくて毎日違うところを鍛える。筋肉にも休みが必要なんだよね。」
「なるほど…なるほど…」
「あと、」
「コーン」
ベルの音がなってしまった。
「あ、じゃあまた後で、色々おしえてね!」
「うん!いつでもいいよ!」
「...。」
楽しかった。ダリアさんが一番話しやすい。
胸もほどよくあるし、かわいい。
基本的にここのクラスは男女そろって良い顔をしてる。運が良かったのかもしれない。
「筋肉が好きなの?」
ロベリアがそう聞いてきた。
どういう意味だ?ロベリアも筋肉が好きなのか?いや、見た感じ筋肉はほどほど。
ここはおもいきって、「筋肉よりロベリアが一番好きだよ☆」とか言うべきか?
それはないな。
あ!ダリアさんがこっちに手を振ってくれてる!かーわーいーいー。
そうだよな、ダリアさんに嘘はつけない!僕は筋肉が大好きだ!
「そうですね、筋肉がすきです。」
「ふぅーん」
ん?なんかまずかったか?
「あ、えっとロベリア…さん?なんか気にくわなかった?」
「別に~」
らしいです。僕にはわかりませんでした。
そうこうしていると先生が入ってきた。なにやら教科書を持っていた。
「今からこの教科書を配る。前から順に配ってけ。」
配られた教科書にはなにやら変な文字が書いてあり、なかを開くとなにやら魔方陣らしきものが描いてあった。
もしや魔法が使えるのか!?
今から!習うのか!?
火を出して辺り一帯を燃やしつくしたい!
「今お前達に配ったのは[魔法の使い方]が載っている本だ。」
辺りがざわめく
「一つ忠告しておく。魔法を使った危険行為などをした場合、即退学だ。」
先生の声がワントーン低くなった。
チキショー!これじゃあ好き勝手に魔法をぶっぱなせないじゃないか!
「じゃあ建物が燃えてるところに水をぶっかけて人助けするのは?」
誰かがしつもんした。
「言っておくがお前らは水や炎などの魔法は使えないぞ?」
「私たち騎士が使えるのは”身体強化魔法”のみだ」
「炎や水、雷などの“攻撃魔法”が使えるのは限られた人間のみ。血筋だ。」
「じゃあこの中にもその血筋がある人がいる、かも、」
「それはないな。血筋を持っている人間は国から直々に手紙が届き、王国最高峰の魔法学校にいくんだ。」
「じ、じゃあここの学園のパンフレットにある〈魔法が使える!〉て言うのは」
「ああ、強化魔法だけだ。」
『そんな~!』
「だが安心しろ。お前達が血のにじむような努力をしたら極一部の人間には治癒魔法ぐらいは少しできるかもな。」
「ちなみに私は使える。使えるようになるには10年かかったがな。」
要するにこうだ。騎士団は身体強化魔法しか使えないが、頑張れば治癒魔法はつかえる。攻撃魔法は極数人しか使えない。
やはり攻撃魔法は強力らしく、喉から手が出るほどに欲しい戦力らしい。
こればかりはしょうがないな。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
魔法文字の発音を学ぶところからスタートした。
発音がわかる方がイメージしやすいらしい。
まず発音しやすい文字からやっていく。今は「握力強化」を学んでいる。
「えーと、リニアブィア、あ?」
「リニァブィアタァだね。くちのなかで舌を丸めたりするんだよ。」
「なるほど、ロベリアって物知りだね。」
「まぁ小さい頃から魔法文字に興味があってね。」
「じゃあ普段から魔法の本を読んでるの?」
「えっ、何でしってるの?」
「さっき読書が趣味っていってなかった?」
「良く覚えてるね。」
あれ?引かれた?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
次に大気中にある魔法の素、“魔素”を扱う。
空気と共に魔素を吸い、酸素と共に魔素を身体中に運ぶ。
ちなみに魔素を吸って身体中に流すだけでも少し強化される。しかし身体全体に少しづつなので、効率が悪すぎる。
そして流れてる魔素を強化したいところに溜めて...
「リニァブィアタァ」
「ブォーン」
手のひらから音と同時に光が一瞬出てきた。
この状態で握力を図ると、
「に、234kg!?」
「す、凄いな。」
つまり成功だ。
産まれ初めて強化魔法を使った。
う、嬉しい...。楽しい!
筋トレのほかに没頭できそうなものができた。
ちなみに隣のロベリアは、469kgをたたき出していた。
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