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僕が考える最強剣士  作者: 漆黒のメダカ
第四章 進級、二年生
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第37話 《実戦授業②》

森の中に魔物のうめき声が響く。攻撃を受け相手を封じ、その隙にルシェルスさんが攻撃する。


それを何度か繰り返すが決定打にはならない。正直ルシェルスさんからするとこの魔物はかなりキツイ相手だろう。勝ち筋が見えない。


「交代しましょう。僕が奴に仕掛けます。ルシェルスさんは奴の気を引き付けて下さい。」


「了解!」


魔物とは言え上級並みではない。僕の渾身の一撃なら奴の肉を切ることはそう難しくはない。


ルシェルスさんが奴の正面に入り剣を振るう。それにあわせて相手は鋭利な爪で受け止め、その鋭い牙でルシェルスさんの顔を噛み砕こうとする。


「(いまだ、)」


顔を噛み砕くために伸ばした首めがけ、今放てる最大の魔素を腕と剣に流し込み首を切り落とす。


僕は奴の上へ跳ね、勢いつけ首を切断する…瞬間奴はルシェルスさんを尻尾で数m吹き飛ばしこっちを睨む。


野生の勘、ってやつか。


危機を感じた猛獣はそれに対処すべく本来の力以上の素早さ、パワーを出す。


今もこの状況、奴はその四則歩行の体を素早くこちらに展開し、跳躍する。僕は上から下へ。相手は下から上へ。当然狙うは即死の首。だが奴は両足を前に出しその爪で体をずたぼろに引き裂くつもりだろう。


つまり相手のリーチ、攻撃可能な範囲が圧倒的に上だ。


しかし、そのようなことを考えてももうどうしようもできない。外せばキツイな...。


猛獣と交わる瞬間、やはり相手に攻撃を放つことが出来ず、その長い腕、鋭利な爪から繰り出される攻撃を受け止めるので精一杯。しかし、相手の攻撃は単調で読みやすい。少し爪がかすったが致命的ではない。


相手はまるで、攻撃を捌かれるのを読んでいたような...まさか!


嫌な予感がし、相手を見ると、体をひねりその筋肉がつまった鞭のような尻尾で僕の腹めがけ攻撃を打ち込んできた。


さすがに完璧に対処しきれずに吹き飛ばされ地面に叩きつけられる。魔素を巡らせ少しでも衝撃を防ぎ、意識は保つが、体内の魔素がほぼ尽きてしまった。


肺の辺りを叩きつけられ呼吸が上手くできない。すぐそこにルシェルスさんが頭から血を流し倒れている。ノウスさんもまだ起きない。


つまり、僕が倒れたら三人とも喰われる可能性が高い。これまでの戦闘で職員達が異常事態に気付いているのかどうか、ここはマップの中でも最端、怪しいな。


傷が開き血が滴る。魔素がなくなり気分が悪い。頭が痛い、ダルい、暑い、暑すぎる。服を脱ごう。


着ていた上着とシャツを脱ぎ、上半身裸になる。


しかし暑くなる一方。なんだか肺の辺りから熱が、炎が、巻き上がっているかのように。


「ゲッホ、ゲホ!ゲホ!」


あ゛ぁ、咳が止まらない。咳をする度暑さがます。


「暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い暑い…」



「"暑い゛!!!!!!"」


視界が炎で包まれているような、そんな幻覚が起こり、気が狂う。とにかく暑く、涼みたい。


目の前で突進してくる魔物なんかさっさとぶっ殺してこの場を抜ける。森はジメジメしててウザったらしい。


この剣で全てを焼き払う。


「うあああぁぁぁあああぁぁあぁぁああ!!!どけえええぇぇぇえ!!!」


蝋燭が燃え尽きる瞬間に見せる、一番強力な炎のように、相手の腕を攻撃をなぎ払う。斬撃は加速していく。


しかし一瞬で燃え尽きる。彼の体が崩れ落ち、その場に倒れ込む。


魔物は腕を失い、片眼を切り裂かれたが、生きている。


「堕ちろ、化け物。」


冷静で、でも透き通る様な美しい声が森の中に響く。


その瞬間、電流が地面を伝って魔物に流れ込み、魔物が叫び声を発する。電流はやむことはなく、魔物の命を刈り取るまで続いた。


「...レオーネ・カイン、エルザ・ノウス、マリア・ルシェルス救出。」


「しかし、やはり、なるほど...。」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



体に少し電流が流れ意識を取り戻す。


「ん、ん゛...。」


体は動かないが、声は何とか発せる。


「レオーネさん、これは期待できます。」


なんだか誰か僕のことを言っている。誰だろう、このうっとりするような声は、どこかで…


「ガバッ、!」


そういえば肺におもいっきり攻撃を叩きつけられたんだった。


「レオーネさん、起きましたか??」


「あの~、よいしょっ、」


僕の体を仰向けにすると、そこには美しい緑が広がっていた。


「カーラ・ヘクター、さん?」


そう、僕を助けてくれたのは一年前、学園で授業をした攻撃魔法使いのカーラ・ヘクターだった。


「久しぶりですね、レオーネカインさん。今、回復薬を飲ませますね。」


そうすると、小瓶に入った液体を僕の口に近付け流し込むが、上手く飲み込めない。


「ゲホッ、ゲホッ、ずみまぜん゛」


「あら、あら、肺がやられてますね。それなら、仕方ない。あの娘には悪いけど、口移しするわね。目閉じてください。」


「(????え?口移し…)」


「ン゛ッ!?」


ヘクターさんは僕が応える前にカンパチいれずに液体を口移しで飲ませてきた。


僕の口に押し込むように、彼女の唾液が混じった回復薬が僕の食堂に流し込まれてくる。顔を押さえられ、それはまるで…って感想を言ってる場合じゃない!


「ガハッ、はぁ、はぁ、はぁ、」


痛みが引き魔素が体内に流れていく、いや流れすぎている。力が沸き上がる!


「あ、あの、ありがとうございます...。それとなんか魔素がすごくッ!」


「あぁ、私の唾液も飲んだもの。魔素も流れたはずよ。」


「(なるほど、これがこの方の魔素...凄い。)」


「あの、他にも二人負傷してて。」


「あの娘ですね。回復薬を飲ませた方がいいですか?」


「もちろん!」


なんかヘクターさんは不思議な人だな。けど、口移しなんてエリーナともやったことなかったのに...。


僕の何かが奪われた気がした。


「それにしても、何でここにヘクターさんがいるんですか?」


確かヘクターさんは貴族、ここは授業中なのに、なぜ?


「それは勿論、今年度から私はここの教師になったのですよ。」


「え?初耳。」


「まぁ、そんなことよりも授業は中止です。想定していたよりも危険な魔物が魔物が現れたので。」


僕はルシェルスさんを、ヘクターさんはノウスさんを担ぎ森を出た。


途中で出くわした魔物はなす統べなく電撃にやられていった。


職員も生徒達に中止を伝え授業は終わった。


「(最近僕死にそうになることが多い気がするな...。)」


ふとそう思った。だがもうすぐ幸せが訪れる。今日討伐した魔物とヘクターさんが倒した大物。売れば結構なお金になる。


あと少し。

今回の話しははどうでしたか?


良ければ感想などをいただけると幸いです。

やる気が“グワァー”と湧いてきます。


呼んでいただいて感謝です。

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