第31話 《詳細》
「ん、ん゛」
気がつくと、僕はベットに横たわっていた。
「目を覚ましましたね。」
医者が声をかけてきた。
「こんにちは、ここは?」
辺りを見渡した限り、ここはテントの中のようだ。
「ここは私たち、ヤンバス王国騎士団の医療テントです。」
「騎士団...?」
「覚えていますか?」
あぁ、そうだ。僕はおじいちゃんを探しに街へ行って奴と戦ったんだ。
「ッ!それで、僕の他に誰が居ますか!?」
確か一緒に戦ったんだイザベルさんとロベリアがいたはず、、、。
「はい、他に二人の女の子が居ますよ。」
「よかった...。」
「でも…」
騎士団の人がなにやら暗い顔をする。
「一人の女の子は今寝てるけど、もう一人の女の子はだいぶショックを受けてて、」
おじいちゃんが、死んだことか。
「その子はどこに居ますか?」
僕はおじいちゃんを見殺しにした、イザベルさんに謝りたいと思った。
「隣のテントにいるけど…」
ありがとうございます。
僕はベットから立ち上がる。
「まだ動かないほうが…」
「イテテ、大丈夫です。」
僕はぼろぼろの体を起こし、テントを出た。
テントは城の外に置かれてあり、城の中は捜査中だった。
隣にもう一個テントがあったので中にはいる。
「先輩、入りますよ。」
「…あなた、生きてたのね...。」
イザベルさんが振り向いて僕を見てくる。
目には涙が滲んでいて、さっきまで泣いていたようだ。
「おじいちゃんを救えなくて、ごめん...。」
僕は声をひねり出し謝った。
「あなたは悪くない、大丈夫よ。」
「でも、僕はおじいちゃんの首が跳ぶところを見てることしかできなかったッ!」
「首が、いいえ見たほうが辛かったはずよ。」
「...。」
沈黙が続く。
「私は、あなたの祖父に拾われて育てられたの…」
イザベルさんが口を開き、おじいちゃんと自分のことを語りはじめた。
「私が五歳頃のとき、親から家を追い出されて路傍に暮れてたとき、師匠が手をさしのべてくれた。」
「当時師匠は騎士団を引退したばっかりで私に剣を教えてくれてね、私はすっかり剣の虜になって、毎日少しずつ師匠から剣術を習ったの。」
「師匠の剣術は独特で、見たことがなかったの。それだから私と師匠は家族の血液関係みたいに、この剣術で繋がってると思ってた。」
「あなたの剣術を初めてみたときは不快だったわ。私と師匠の間に急に割り込んでくる、しかも剣術は中途半端。」
「だけど、あなたと過ごしていくうちに考えが変わった。師匠がいない今、師匠の剣術を大切に継いでいこうと。」
「あなたと出会った頃の無礼を謝らせてくれないかしら..?」
驚いた。あのイザベルさんが僕に向かって丁寧に頭を下げている。
「え?あぁ、こっちは全然気にしてなきんで。先輩ともっと仲良くなれそうで嬉しいです。」
「ありがとう…」
「ちょっと二人ともいいかな?」
ちょっと辛気臭い雰囲気の中、騎士団の人がテントに入ってきた。
「ちょっとお聞きしたいことが…」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
僕とイザベルさんはテントの外にでて、質問を受けた。
どうやら今回の事件は、大規模な魔方陣で災害を起こしたらしく、そのために人を魔方陣のように配置して魔素を抽出、摩素欠号になった人たちは血を流し死体になったそうだ。
「(なるほど、だからサファイアの周りにあんなに屍が転がっていたのか。)」
だが、目的は不明、ロベリアが切ったサファイアの死体も姿を消していたらしい。
「(奴は僕が目的みたいな行動をとっていた。だが何故?)」
答えはわからない。
でもどうしてロベリアは助けにこれたんだ?
たまたま旅行に来ていたとか?
わからない。
「これからはカンヘビア王国の南部はヤンバス王国の元、復旧していく予定です。」
「この事件で死者は、43000人、市民は全滅です。」
騎士が慎重に読み上げていく。
「誰も、助からなかったのですか?」
「はい。」
この一日で王国の約三割の人口が帰らぬ人になった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
日が落ち辺りが暗くなった頃、僕はロベリアの前に座っていた。
彼女はまだ目を覚まさない。
イザベルさんは比較的軽症だったため、おじいちゃんの家に帰っていった。
僕はまだ騎士団の元、医療を受けている。
ロベリアは全身に包帯を巻き付けられ、僅な皮膚が露出しているところも痛々しい。
「ロベリアがいなかったら死んでたよ、ありがとう。」
「まったく、いつもロベリアに助けられてばっかりだな。」
学園に入学して初めて話した相手でもあり、摩素の扱いの基本を教わった。
「お休み。」
僕は自分のテントに戻った。
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