第30話 《魔方陣使い》
二人の剣士が相対する。
一振一振に風がなびく。
その光景を僕はただ見てることしかできない。
傷が深く痛みで動けない。
「そのうち騎士団が駆けつけてくる、戦い続けても意味はないですよ。」
ロベリアがいい放つ。
すると両者の攻撃が収まり、睨み合う。
「別に私は逃げる必要は、ないんだぁ~よ。」
サファイアが余裕の笑みをうかべる。
「そう、ならば死んで貰いますよ!」
再びロベリアの攻撃がサファイア目掛けて繰り出される。
サファイアは華麗に避け部屋の中を移動する。
死体を蹴散らしながら剣を交えていく。
「ちょこまかと!」
「お嬢ちゃん、少しはやるね..。」
ロベリアの連撃でサファイアの動きが鈍くなっていく。
「グハァ゛うっ、」
サファイアが吐血した。
「腕を切られ体力の限界のようですね。」
「これで終わりです。」
ロベリアが徐々に間をつめていく。
ロベリアの額にも血が流れていて、足取りが重い。
「くそ、私もここまでか。」
「はぁ、はぁ、覚悟っ!」
ロベリアが構え、一気にサファイアに近づく。
「...そこだ!」
サファイアが床に手を当て魔素を流し込む。
「え?」
すると、ロベリアの真下から青白い光の柱が浮かび上がり、ロベリアの攻撃が止まった。
「動け..ない..?!」
ロベリアの身動きが取れなくなると、サファイアはハキハキと喋りはじめる。
「かかったな!私は戦っていた間、自分や死体の血で魔方陣を描いていたのさ!」
「そしてお嬢ちゃんがかかったのは中級の捕縛魔法、一瞬の隙を作らせてもらったよ!」
「そう、私は魔方陣のプロフェッショナルなのさ!」
ニヤリと笑い、サファイアは身体中に魔素を流し込み、ロベリアに斬りかかる。
それを僕はただ眺めているだけでいいの、か?
そんなわけがない!
身体中が痺れているがかまわない、ロベリアが戦ってた間にためていた魔素を一気に流し無理やり体を起こす。
「どけェーーーーーーッ!!」
骨折した足でさらに地面を蹴り、ロベリアとサファイアの間に割り込む。
「(サファイアの剣を弾く!!)」
僕はサファイアの剣に向かい、自分の剣を当て軌道を変えた
つもりだった。
「(腕が..動かない?!)」
魔素を大量に流し、腕が麻痺して神経がバグっている。
このままじゃ僕の胸に穴が開く!
「ウゴッ゛」
「あ゛、あがッ」
「カイン゛、君ッ!」
ロベリアがこっちを心配そうに見てくれている。
どうしたんだろう。
「(あ、この事か...。)」
僕の胸は剣で貫かれている。
貫いた剣は、ロベリアまであと数cmのところで剣が止まった。
「まだ動けたのか、って、そうじゃない!なぜ君が前に出る?!」
「致命傷は避けたはず、だよね?!」
サファイアは慌てふためいて僕に語りかける。
なんで僕の心配をするんだ?
わからない。
まぁ、こっちにも都合が良い。
僕は貫いている剣を握り、一歩ずつサファイアに近付いていく。
興奮状態の僕は、痛みなど考える暇がない。
「おりぁぁぁぁぁぁああぁぁあぁぁぁああああぁぁ!」
最後の力を振り絞り、サファイアの首元目掛けて剣を振る。
しかし、首を飛ばす前に、剣が地面に落ちた。
「あ、あぁ..。」
「君にはもう、動く力がないんだよ!これ以上傷付けば死ぬ....よ...。」
僕に語りかけていたサファイアの顔がだんだんひきつっていく。
何事かと思い、振り向くと...ロベリアの全身から火花が散って、輝いていた。
捕縛魔法を破り、屈んでいる。
髪はボサボサになり、目は充血し涙が流れている。
「カァァァァァァアイン君をぉぉぉ!!傷付けるなァァァァァァ!!!!!!!!!」
ロベリアからは発せられないような金切り声を上げ、サファイアに斬りかかる。
身体から魔素が溢れだし、空気が重くなる。
「こいつ、あり得ないほどの魔素を流し込み、無理やり捕縛魔法を解いたな。」
「まぁいい、返り討ちにしてやるわぁ!!」
「ウグッ!」
僕に刺さってた剣を抜き、ロベリアの攻撃を受ける。
だが、ロベリアとすれ違った瞬間、身体が上半身と下半身で別れ、血が溢れ出す。
「カイン、君...待ってて..。」
ロベリアは重度の魔素欠号になっていて、血液が魔素を取り込むべく、血管が破裂していく。
一歩一歩歩くたびに血液が吹き出す。
「ロベリア...」
ロベリアが僕の前にくると、しゃがんで僕に優しく抱きつきた。
「おぉ、」
二人はその場にたのれ込んだ。
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