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僕が考える最強剣士  作者: 漆黒のメダカ
第三章 王国の危機
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第29話 《命の境》

「これはひどいな...。」


街中を走っていると崩壊した建物の数が多くなっていく。


とりあえず王城を目指して歩いていた。


「やけに静かですね..」


「確かに、何かしらの結界が張られているのかもしれないわ。」


数分走ると僕たちは王城のふもとまで来た。


「とりあえず城の中に行きましょう。」


王城までの登り道を駆け上がる。


「ちょっと待って!!」


イザベルさんに止められた。


「ここから先は結界が張られているわ。なにがあるかわからない。」


「慎重に行きましょう。」


結界に触れてみるが中に入れない。


「切り開いてやろうか、」


「そうしましょう。」


二人で剣を抜き構える。


『イッセーノ!』


掛け声と共に結界に斬りかかる。


放った剣撃は結界を切り裂くことができなかった。


「びくともしないわ、あなたちゃんとやった?」


「やりまし…」


僕はイザベルさんを突き放す。


「ちょっと!なにする…」


「あなた、どうしたの..。」


僕の腹に剣で切り裂かれたような傷がついた。


「ウ゛グッ、」


口から血がこぼれる。


「一体どこから..」


「先輩、これは攻撃を反射されたんですよ..結界にね。」


「なるほど...。」


僕は結界から斬撃が返される直前、魔力の微かな動きを感じた。


エリーナがよくやる水切りに似ていた。


「大丈夫?」


「急所は外れてる。」


「それよりも…」


「どうやって突破するか、ね。」


僕はもう一度斬撃を結界に放つ。


「また来るわよ!」


僕は斬撃が結界から放たれた瞬間、放たれた所目掛けて剣を突く。


すると剣は結界に食い込み裂け目ができた。


「さぁ早く!」


僕はイザベルさんに手を伸ばし結界の中に入り込む。


「一体どうやってやったの?」


「さっき攻撃を食らった時に、結界の魔力が斬撃に変わったんです。」


「魔力が放たれたら一瞬、放たれた場所の結界の魔力の厚さが薄くなるんです。そこを狙いました。」


「よく観察してるわね。」


「急ぎましょう!」


王城の門の前に着くと、門に兵士が待機していた。


茂みの中に隠れて様子を伺う。


「僕は右の四人を、先輩は左をお願いします。」


同時に茂みを飛び出し兵士に斬りかかる。


「誰だ!」


兵士は一斉に武器を構え一塊になる。


「どけ!」


兵士に攻撃を食らわせ体勢を崩す。


一人が崩れると穴を埋めるため他の兵士が立ちふさがる。


「言い連携力だ!」


しかし関係ない。


力ずくで叩き殴り相手を怯ませる。


そこでトドメの一撃を食らわせる。


「ぐ、っ゛」


最後の一人を片付けた。


「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、終了っと。」


「こっちも片付いたわ。」


イザベルさんも無事終えたようだ。


「では、王城へ」


「気を付けましょう。」



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



王城の中は薄暗く、兵士の死体が転がっていた。


「血はまだ新しい、争った形跡もあるな。」


「これはテロのレベルを越えてる。」


王城を進んでいくと、話し声が聞こえてきた。


「っ!あそこの部屋からだ。」


「えぇ、行きましょう。」


扉の前に立ち剣を抜く。


「一気に片付けましょう。」


イザベルさんが剣を構え扉に斬りかかろうとする。


しかし僕はイザベルさんの肩を掴んでいた。


「どうしたの?手が、震えてる。」


「あれ?えっと...」


僕はすぐに手を離した。


「はぁ、はぁ、はぁ..」


「どうしたの、具合が悪そうだけど...」


「いや、大丈夫です..気を付けてくださいね。」


「開けた瞬間敵が構えているかも..。」


僕は怖くなっていた。脳裏にあの光景が蘇る。


扉を開けた瞬間、攻撃が飛んでくるあの瞬間を...。


「いくわね...はぁ!!」


扉を切った瞬間、数々の市民の屍の奥に何者かに踏みつけられているおじいちゃんがいた。


「師匠!!」


「おじいちゃん!!!」


「ん?騎士団、って訳じゃなさそうだな。結界を破ったんなら結構な腕前だな。」


「キサマ、師匠から離れろ!!」


おじいちゃんを踏みつけてる奴に言い放つ。


「おいジジイ、アイツは誰だ?」


「...イザベル..逃げ..ろ..」


おじいちゃんは掠れた声で警告する。


「くそが!」


イザベルさんが相手に斬りかかろうとした瞬間、僕は必死にイザベルさんに掴みかかった。


「やめなさい!なぜ止める!!」


「先輩!何があるかわかりません、慎重に!!!」


「カイン..イザベルを連れて、逃げろ..」


おじいちゃんの心配する気持ちは嬉しいが、必要ない。俺はこいつをぶっ殺す。


「おい、テメェなぜこんなことをした。」


「君には関係ないね。」


「それよりも君の名前を聞かせて貰えないかな?」


男は語りかける。


「テメェの名から言え。」


「おっと失礼、私の名前は、そーだなぁ~〔ミスターサファイア〕と呼んでくれたまえ。」


「そうかい、俺の名は、〔スペシャル・スマートストロングマン〕だ!!」


「ふざけてるの!」


先輩から怒られた。


「相手も偽名ですから、いいんです。」


「では、ミスターストロング、君は何者だね。」


「テメェこそ、何者だ!」


僕とイザベルさんは一気にサファイアに近づく。


首をとらえ剣を振るうが簡単に弾き飛ばされる。


そのままおじいちゃんのほうに走って行き、救助する。


「先輩、任せました..」


先輩が戦ってる間に治療する。


「ひどい..」


おじいちゃんは爪を剥がされ何度も殴り付けられたようなアザが何ヵ所もあった。


「くそっ!」


骨折してそうなところに布で固定する。


「(こんなことしかできないけど、耐えてくれ!)」


「私は君が欲しい!!!!!」


振り替えると、サファイアがこっちに向かって剣を振るっていた。


「ヤバいっ!」


おじいちゃんを離し剣を抜く。


「ギジン゛!!」


間一髪、剣撃を受け止めた。


「先輩!?」


サファイアの後ろには壁に打ち付けられた先輩が倒れている。


「俺が欲しいって、どう言うことだ!!」


「フフッ、君はこいつをおじいちゃんって呼んだね?」


「何が悪い?」


「そういうことだよ、レオーネ君!」


「なぜしっている?」


「ビンゴ!!!!!!」


反応する前に剣撃が腹に入った。


「う゛ぐっ゛、がっ」


意識が途切れかけた。さっき腹に食らった傷が開き血が吹き出す。


「おぉ、いい強化魔法だ。師匠に魔法使いがいるのかな?」


「さぁ、ね..。」


正直攻撃が見えなかった、勝ち目はあるのか?


「(おじいちゃんは意識を失っている、一刻も早く治療を!)」


「はあぁぁぁ!」


痛みをこらえて斬りかかる。


「キンキン!」


容易く受けられ飛ばされる。


「くたばれぇぇー!!」


意識を取り戻したイザベルさんが背後から斬りかかるが避けられる。


「(くそっ!強すぎだろ!)」


だが、引くわけには行かない。


「悪いが使わせて貰う、」


僕はそこらじゅうに転がっている市民の死体を投げつける。


案の定切り捨てられるが正面から剣を突く。


「死体を使うとは、なんとも罰当たりな。」


落ちたら死体を切り上げ血飛沫を舞わせ、イザベルさんが中から攻撃をする。


だが、弾き返される。


その後も二人がかりで攻撃をするが歯が立たない。


サファイアから距離を取り、おじいちゃんの前に立つ。


「師匠を連れて逃げなさい、」


「先輩は?」


「後で合流する。」


「だめだ、みんなで一緒に…」


「このままだとみんな死ぬぞ!」


「うっ、」


「二人で作戦会議中悪いがレオーネ君は逃がさないよ。そこの女の子はいいけど。」


「アイツ、僕に執着している、先輩がにげてください。」


「後輩を置いていくほど愚かじゃないわ!」


「長い」


「え?」


作戦会議していた僕の後ろから、目の前にいたはずのサファイアの攻撃が直撃した。


壁に激突し、血を撒き散らす。


「ガバッ!」


「キサマ!!」


「君も邪魔だ!!」


イザベルさんも圧倒的な早さで吹き飛ばされる。


「体が、動かない..血が足りない..。」


視界がくらくらする。


「じゃあ、じいさんの役目は終わりだ、目標も見つかったし。」


サファイアは床に倒れていたおじいちゃんを持ち上げた。


「あばよ」


その瞬間、おじいちゃんの首が宙を舞う。


首がこっちに転がり込んできた。


「、おじい..ちゃん..くそっ!」


悲しみよりも、怒りが沸いてくる。


怒りで痛さ、だるさが吹き飛ばされた


「てめえぇぇぇぇ!!!!!!!」


骨折する勢いで地面を蹴り、サファイアの首を吹き飛ばす。


放った一撃が宙を斬り、風がなびく。


室内のガラスは割れ、風が入ってくる。


「凄い、凄い魔力だ!!!さすがだ!!!」


「くそっ!」


僕の目の前には奴は消えており、頭上を跳んでいる。


僕の後ろに着地すると、僕を狙って剣を振るう。


だが僕の体はもう動かない、イザベルさんは意識を失って動けそうにない。


「ごめん..エリー..ナ、」


血飛沫が宙を舞う。


「うぐぁぁぁぁあ゛!!」


サファイアの唸り声が耳に入る。


「死んで..ない..のか?」


目の前に青い髪がなびく。夕日が落ちたガラスに反射し彼女を照らし出す。まるで…


「天使だ..。」


天使のお迎えが来たのか..と思っていると、視界がくっきりしていく。


「大丈夫!カイン君!?」


「ロベリア..?」


サファイアの腕を切り落としたロベリアが、目の前に立っていた。

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