第26話 《つかの間の一時》
「勝者、メザイヤ・ノアザミ!」
『うぉぉぉー!』
歓声と共にノアザミさんが勝利した。
ノアザミさんは三位決定戦で勝ち上がり、ベスト3が決定した。
「ただいまより、表彰式を開始します。」
アナウンスがあり、しばらくするとメダルを貰う儀式が始まった。
ノアザミさんは銅色のメダルを貰い、嬉しそうに笑っていた。
ちなみに一位と二位は、三年生の人だ。
「(来年はあそこに立っていたいな。)」
数分すると、表彰式が終わり解散となった。
僕はメザイヤさんに声をかけに行こうとしたが、なんだかメザイヤさんは人に囲まれていて近づくのを諦めた。
「おつかれ~。」
帰り道を歩いていると、後ろから声をかけられた。
「ダリアか、おつかれ。」
「いや~カインまた惜しいとこまで行ったのにね~。」
「まぁ、一年があそこまでできれば上出来でしょ。」
「気を遣ってくれてありがとう。」
ダリアは僕を励ましてくれているのだろう。
「ところでさ、カインと戦ったあの女、カインと同じよな剣術だったよね。」
「そうなんだよ、僕の剣術は親父から教わったんだけど、親父の知り合いとかかな?」
「うーん..。」
「まぁ、いっか。」
「そーだね。」
そのあとも、適当な雑談をしながら二人で帰った。
途中からダリアとは別れて一人で帰る。
夜くらい道で一人とはなんかいい気分だ。
「(早く帰らないと、エリーナが待ってる。)」
少し歩くペースを上げて家に帰った。
「ただいま~。」
「おっ帰り~!遅かったね~。」
「ごめん、待たせた?」
「いや別に?それより結果は?」
「三回戦負け」
「ありゃりゃ、でも二回勝てたんだから上出来じゃん。」
「まぁ、そーだよね、ありがとう。」
「ご飯できてるから食べよ。」
「まだ食べてなかったの?」
「一緒に食べたいもん!」
「待っててくれたんだね。」
今日はいつもよりご飯が豪華だった。
トーナメント戦があったからだろう。
「そういえばさ、年明けの数日実家に帰ろうと思うんだけどエリーナはどうする?」
「え、数日空けるの?」
「うん、一緒に行く?」
「えーっと、アナちゃんと一緒に遊ぶ約束があって...。」
「なるほど、先生は中々休みがとれないしな..。」
どうしよう、父親にまた稽古して貰おうと思ったがエリーナと一緒にいるかな。
「私はアナちゃんの家でお泊まりするから行ってきな。家族との時間は大切だよ。」
「でも、エリーナは..。」
「大丈夫だって、その代わり、年明けまで一緒だよ。」
上目遣いで顔を覗き込んできた。かわいすぎる!
「もちろんさ☆」
早速親当てに手紙を送っておいた。
「よし、今日は疲れたし、はやく寝るか。」
「カー君♡。」
エリーナがベットに押し倒してきた。
Oh..溜まっていた疲れが吹き飛び、元気パワーが爆発した。
「エリーナ..。」
今日はエリーナとラブラブスリープした。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
木漏れ日を浴び朝目覚める。
目の前に全裸のエリーナが寝ている。
天使だ..!!!
起きて早々欲望が抑えきれず、エリーナを求めた。
「ん//カー君、おは、よぉぉ~!」
「ちょっ//、やめぇぇ~、てぇ~////」
ッ!自分の欲望に耐えきれず、許可なくエリーナをいじってしまった!
「うっ、ごめん!ついうっかり!」
「はぁ、はぁ//」
「...。」
「カー君、いいよ♡」
「エリーナッ!愛してる!」
結局、昼過ぎまで寝室から出れなかった。
今日はブラブラデートする予定だ。
まず昼御飯を食べて、買い物などをする。
何も買わなくても二人で過ごすだけで最高に幸せだ。
そんな感じで何気ない日々をエリーナと過ごしていき、ついに親からの手紙が帰ってきた。
「なになに..俺が教えるよりも、じいちゃんに教えて貰ったほうが身になるぞ、か。」
手紙には丁寧におじいちゃんの住所が載ってあった。
「カンヘビア王国!?」
なんとおじいちゃんはバタンニ王国のとなりに位置する、カンヘビア王国に住んでいるらしい。
カンヘビア王国は、ヤンバス王国の属国で小規模な王国だ。
昔からおじいちゃんはたま~に家に来るだけで、おじいちゃんの家には行ったことが無かった。
「結構遠いね~。」
「そうだね、おじいちゃん家に行くのは初めてだな~。」
出発は五日後、馬車は普通に通っていて移動は楽だ。
前みたいに馬車を借りる必要がない。
サルマジ王国に行くまで、エリーナと幸せな日々を送った。
「気をつけて行ってきてね!」
「うん、エリーナは先生と楽しんでね。」
五日後、僕はカンヘビア王国に行くためにギルドが運営する馬車乗り場でエリーナと別れた。
冬休みが終わる前まで鍛えるつもりだ。
「もう一度教えて貰いなさい、か..。」
僕はイザベル・シロンが言った言葉を思い出していた。
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