第24話 《年末トーナメント戦②》
程なくして、三回目の試合がやってきた。
相手は二年生。
油断は出来ない...。
「カイン・レオーネ対、イザベル・シロン!」
相手は綺麗な黒髪の女性、でもなんか目付きが悪い。
「構え、」
審判の合図と共に、我流の構えをする。
「ッ!」
僕が構えると、まるで鏡を見ているかのように相手も僕と"同じ"構えをした。
僕の構えは父さんから教わった構えで、父さんは自分しか使わないといってたはず。
「私とあなたでは、年期が違うのよ、諦めなさい。」
僕を睨みながら、挑発してきた。
「(うざっ!)」
その時僕は思った、この構えは先手が強い。
ならば、僕の先手の攻撃で相手の先手を打ち砕く。
そうすれば目の前の彼女より上だと証明できる!
「(いくぞ...)」
僕は全力で魔力を巡らせ脚に溜める。
「(我が奥義で君を打ち砕く!) 」
「開始!」
審判が開始させると、僕は先手を仕掛ける。
相手も同様、先手を撃ってきた。
両者音を立てすれ違うと、舞台に風が吹き込んだ。
速さと速さのぶつかり合い。
硬直状態は一瞬でとけ、両者一斉に仕掛ける。
交わるごとに動きが激しく、速くなっていく。
「(こいつ..強い!)」
だんだん攻撃が入らなくなってきた。
「(仕掛けるよりも受けるほうが多くなっている..。)」
相手の動きは激しいが、そう続くとは思えない。
僕は動きが落ちるときを狙い、受け流すことに専念する。
「ウグッ!」
攻撃を一撃食らってしまった。
視界外からの一撃に、体がよろめく。
相手は見逃すはずもなく、トドメを決めにきた。
だが体勢を立て直し、一撃を間一髪で受け止めた。
体は後方に飛んでいき、転がり込む。
「あなた、結構やるわね、」
「グハッ..はぁ、はぁ、どうも...。」
流れは一気にイザベル・シロンのものになっている、皆がそう思っているだろう。
だが僕にもまだ勝ち目はある。
体を起き上げて、再度構える。
「さぁ..こいっ!」
相手にも構えるように促す。
「いいわ、のりましょう..。」
「(かかったな)」
すると、相手も構え一瞬の静寂が訪れる。
「...。」
「フッ」
息を吸い距離を一気に詰める。
僕は相手との距離を詰める中、手のひらを剣にスライドさせ剣に鮮血を塗りつけた。
「(くらえ、エリーナ救出に使った血の目隠しを!)」
相手と交わる直前に剣を振るい、鮮血を飛ばす。
案の定相手は血を避けるように横にずれた。
ずれた影響で体勢が崩れる。
僕は勢いを抑えず相手の横から全力で剣を振るう。
「その体勢じゃ簡単に避けられんだろっ..。」
僕の剣は相手の横腹を捉え吹き飛ばしたはず、だった。
剣撃が当たる直前、彼女は体を回転させ、見たこともない体勢で剣撃を受け流した。
焦り力で押しきったが、僕の剣は彼女のポニーテールをかすめただけで、致命的なダメージにはならなかった。
「...くっ..そ...。」
あんな状態で攻撃を流す方法は僕は知らない。
「差、か。」
手から血が滴り落ちる。
一秒一秒が長くゆっくりと過ぎていく。
「あなたの考えは変わっていたわ。」
「え、」
話しかけてきた。
「だけど相手が悪かったわね。」
「そしてあなたのその構えは、誰から教えて貰ったもの?」
「父、から、です。」
「そう、もう一度教えて貰いなさい。」
「そうすれば少しはましになるでしょう。」
「まぁ、私には届かないでしょうけど。」
彼女は僕を見下すかのように語りかけていく。
「私が唯一受け継いだ型だと思ってたけど、他にいたとはとても不快だわ。」
「あなたとは二度と会いたくないわ。」
言い残した瞬間、目の前から彼女が消えた、違う、後ろだ!
全力で振り向き攻撃を受け止めるが蹴りを食らい、上に打ち上げられた。
「(相手を倒すには、力で対抗する..!)」
落下で勢いをつけ、地上にいる彼女めだけて攻撃を放つ。
地面を叩きつけ、土埃が舞う。
だが相手は捉えてない。
自分の回りを素早く駆けている気配を感じる。
相手が駆け回り、更に土埃が舞う。
巻き上げた土埃のせいで視界が悪い。
「(いつ、どこから、攻撃が来る?)」
気配は感じる、だが正確な位置はわからない。
「(それなら...)」
僕は剣を両手で構え、目を閉じる。
「(視界に頼らず、気配だけで相手を探るっ!)」
自分に近づく危機だけに集中する。
「(...そこだ!)」
空気の流れが変わっていくのを感じ、目の前から来たであろうイザベル・シロンの剣撃を打ち落とす。
床に何かが叩きつけられた音がした。
「(トドメだ!)」
武器を落としたイザベル・シロン目掛けて剣撃を打ち込むために目を開く。
「な..に..。」
目を開くと、そこには誰もいなかった。
足元には剣の鞘が転がっていた。
「やられ...!」
「残念。」
顔の前に彼女が現れて、僕の意識が切断された。
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