第19話 《エリーナ救出作戦②》
「あ、目覚ましたね。」
「カー君、助けてくれてありがと。」
目を覚ますと、エリーナさんに膝枕をしてもらっていた。
服や腕などが血だらけになっているが、傷や切断された腕は治っていた。
「カー君は、私の再生魔法しか受けられないからもうこんな無茶はやめてよね。」
「分かりました、」
上半身を起こす。
なんだか頭がボーっとする。
「どのぐらい寝てましたか?」
「十分ぐらい?」
少し鉄扉を開けてみる。
誰もいなさそうだ。
「じゃあ、帰りますか。」
「そうだね..。」
部屋はなぜか水浸しになっていた。
洞窟の中を歩き出口を出る。
「ここってどこかわかります?」
追っかけるので夢中で来た道を覚えていない。
「あ~ここは王国の外にある森だね。魔物がでるから恐れられてるんだよ。」
「帰り道はわかりますか?」
「まぁなんとなくね」
すたすたと森の中を歩くこと数分、
「囲まれてますね」
「うん、」
僕は剣を抜き構える。
「カー君、時間を稼いで、呪文を詠唱する。」
「了解です」
森の木々に複数人の気配がある。
確か一人逃がしてしまった。助けを呼んでいたのか。
すると、木の上ら茂みから一斉に敵が襲いかかってきた。
その数、十以上。
僕は時間を稼げば良いので避けたり受けたりする。
最小限の動きにとどめて体力を長引かせる。
三人ずつで攻撃してくるので、広い空間では避けやすい。
木などの障害物を利用しながら、エリーナさんに近く者は切り刻む。
三十秒ほど耐えていると、合図がくる。
「もういいよ!こっちきて!」
急いでエリーナさんのところに戻る。
「準備ができた!」
「攻撃魔法、ネーロドォーリ。」
「パチンッ!」
指を鳴らした瞬間、空から雨のように水の槍が降ってきた。
広範囲の地面などに突き刺さり、茂みから血飛沫が飛び散る。
ドスドスと地面が揺れる。
不思議なことに、どちらの周りには降ってこない。
エリーナさんを中心に、槍の雨が降る。
「すごい..これが、真の魔法、。」
「キレイでしょ~」
この日初めて僕は攻撃魔法を間近に見た。
パワフルで美しい、人間にこんなことができるとは、驚きだ。
あっという間に敵は全滅していた。
「私は再生魔法と水魔法が使えるんだよ。」
「すごいです!」
「じゃあ、カー君洗うねー」
僕目掛けて水をぶっぱなしてきた。
「よし、キレイになった。」
血をふいてくれたんだろう。それにしても寒くなった。
「エリーナさんはあまり血ついてませんね。」
「カー君が寝てる間に洗っといたんだよ。」
死体は魔物が食べてくれるので放置して先に進む。
一時間ほど歩くと、バルッセ王国に着いた。
「いや~今日は大変だったね。」
「ビックリしましたよ..」
「本当にありがと!カー君。」
「家の場所がばれたし、これからどうするんですか?」
「そうだなぁ~、カー君と一緒にバタンニ王国に行くか~。そこしか宛がない。」
「それが良いですよ。先生もいるし。」
「じゃあ、明日ぐらいに出発する?」
「そうですね...今日出掛けるはずだったんで、明日出掛けましょうよ!」
「確かに出、お出掛けよう!」
明日は、バルッセ王国を観光することに決定。
今日は疲れたので、家に帰ってからはすぐに寝た。
「何気に初めて人を殺したな。」
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