第18話 《エリーナ救出作戦①》
「くそッ!足速いな!」
ある程度の距離を保つだけでも精一杯で、隙を見せたら見失いそうだ。
こっちに気づいているか分からないが、追うしかない。
「(指名手配のエリーナさんをさらうってことは王国関係の人か?)」
森の中を駆け抜けること数分、ついに奴のアジトらしき場所が見つかった。
奴は洞窟の中に入っていった。
「(さて、どうするべきかな...)」
突撃するか様子を見るか。
「(待てよ、誰かに相談することは出来ないじゃないか!)」
騎士団などに相談すると色々身柄を調べられそうで、エリーナさんが指名手配されてるのがばれる。
僕がとるべき行動は一つ、今ここでエリーナさんを救出するんだ!
洞窟の前で身を潜めていると、もう一人の黒ずくめが現れ洞窟の中に入っていった。
「(よし、あいつを尾行してエリーナさんのところに案内してもらおう。)」
早速洞窟の中に入る。
黒ずくめの人に気づかれないように後をつける。
洞窟の中には、小規模の部屋が並んであり一番奥の部屋に進んでいく。
後に続いて行くと一つの鉄扉があり、中に入っていった。
微かにエリーナさんと思われる人の話し声が聞こえる。
拷問部屋か?速く助けないとなにされるか分からないぞ!
だが僕の足は震えていた。
「(ヤバイ、結構怖いな。鉄扉を開けた瞬間どうすれば。)」
頭のなかでシュミレーションをし、息を整える。
まずは足に力を入れ目の前の鉄扉を蹴り飛ばす。
開いた瞬間、エリーナさんの周りにいる輩を切り刻む。
エリーナさんには返り血がつくだろうが関係ない。
「よし、やるか」
アジトの中には人がいない、仕掛けるには今しかない!
全身を強化し、剣を握る。
「おらぁ!!」
勢いよく扉を開けると、目の前には首に剣を当てらてたエリーナさんと、周りに六人の黒ずくめがいた。
「逃げてカー君!」
扉を開けた瞬間、自分めがけて三本の槍が飛ぶ。
まるで僕がこの部屋に誘き寄せられたみたいだ。
慌てて二本の槍を剣で凪払うが、もう一本が腹部に刺さる。
だがもう後戻りはできない、腹に刺さった槍を引き抜きエリーナさんを掴んでる奴に投げつける。
見事脳天を突抜け狭い部屋の中が血で染まる。
だが部屋の隅にいた剣士が死角から現れる。
攻撃を受け流しながらエリーナさんに近づく。
「(こいつら、エリーナさんは殺せない!)」
ここまで争ってもエリーナさんが死んでないってことは生捕りの予定しかあり得ない。
狭い部屋の中での五対一。
腹部に刺された傷が響く。
エリーナさんに近付こうとした瞬間、二人が斬りかかってくる。
一人を押さえるが、もう一人に背中を切られる。
すかさずもう一人が攻撃にくる。
一人が逃げ出し、扉はが閉まられた。
四本の剣擊が容赦なく襲ってくる。
この状況を打開することは難しい。
だがこちらにも勝ち目はある。
いくら僕が傷つこうと再生魔法を使えるエリーナさんが生きていれば僕は助かる。
答えは導きだされた。
「エリちゃん、あとは頼みます!」
僕はある程度距離をあけると自分の左腕を切断し、宙に上げる。
宙に上がった腕を切り刻み血を撒き散らす。
剣を振り回し、風圧で血が広範囲に飛ぶ。
血の煙幕を繰り出した僕は貧血で倒れる前に、血が目に入って視界が奪われたであろう一人を切り刻む。
すかさず倒した一人を抱え、盾を作る。
盾で攻撃を防ぎ、盾に剣を突き刺し貫通した剣がまた人を串刺しにする。
剣に血が滴る。
剣に滴る血を凪払い、血の鎌鼬を放つと、相手が腕でガードする。
ガードしてる間に盾を投げつけ、一瞬一対一の状況を作る。
ここでもう一人倒したいが、避けるほどの体力は残ってない。
相討ち覚悟で突進する。
急所は裂けたが腹に剣が突き刺さる。
突き刺さった剣を掴み、相手の頭に自分の剣を突き刺す。
「これで、ようやく..タイマンだ...」
体から血が流れ出でる。
視界が血で赤い、痛みも鈍くなっていく。
あと一分経てば倒れてしまいそうだ。
腹に刺さった剣を抜かないまま、剣を構える。
相手も剣を構え、時を待つ。
「...。」
先手を取ったのは僕、一撃で仕留める。
十分なスピードはでてないがやりあえるはず。
だがあっけなく相手に止められた。
相手がトドメをさしてくる。
相手が向かってくるが、僕は剣を投げる。
相手が剣を弾き飛ばす。
だがこれで良い。
弾き飛ばし、隙ができた胸目掛けて床に落ちていた剣を広い、もう一度投げつける。
そのまま突撃し、パンチを食らわせる。
相手が気絶した。
「はぁ、はぁ、終わった...」
相手に止めを刺す前にまだやることがある。
エリーナさんに付けられてる魔力封じの首輪を外すんだ。
剣を持ちエリーナさんに歩み寄ろうとしたとたん、足の血からが抜け床に倒れ込む。
「まだだ、意識がある内に..」
「エリ、ちゃ..ん..」
ほふく前進をしながら近付いていく。
一歩近づくごとに、血が吹き出る。
ある程度まで来たら、壁を掴み、立ち上がる。
まずは施錠をとき、剣で魔力封じの首輪を切り落とす。
「あ、あぁ..」
エリーナさんはパニック状態になっており、正常な判断ができそうにない。
「エリーナ!!」
最後の力を振り絞り、エリーナさんに語りかけた。
「あぁ、カー君?」
「カ、カー君、死んじゃう!!」
「だ、だめだ..魔法をしないと!!」
僕の意識は途切れた。
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