第1話 《夢への第1歩》
僕には夢がある。
それはこの世界で一番強く、かっこいい、そんな人になることだ。
きっかけは僕が10歳になった頃、家族との旅の途中魔物に襲われたときに護衛についてた4人の剣士が僕たちを守ってくれたことだ。
4人はギルド所属のチームらしく、息の合った連携プレーが美しく、10を越える魔物を見事な剣裁きで倒していった。
「なんてかっこいいんだ..。」
気づけば僕は4人に夢中だった。
戦闘を終えた4人の元に僕はすかさず走っていた。
「僕もお兄さん達みたいに強くなりたい!」
僕は心のそこから思った。この4人が輝いて見える。
「そうかー強くなりたいかー。それならまず体を鍛えて体力をつける。それからバランスの良い食事に…」
「ビリーやめなよー坊やが困ってるー」
「そうだぞビリー!坊主!とにかく筋肉だ!筋肉をつけろ!大切だ!」
「素早さも大切ですよ。」
「とにかく坊主が強くなったら俺たち『鋼の翼』が相手してやるから。覚えとけよー。」
僕は『鋼の翼』の4人に憧れ、この日から毎日体を鍛えた。
腕立て、腹筋、背筋など、1日ずつメニューをかえて鍛えてく。
少しずつ回数を増やし積み重ねていく。だんだんできる回数が増えていくたびに4人に近づいてる、そんなきがした。
すっかり僕は筋トレの虜になった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ときは流れ僕は15歳になった。
僕の体は人並み以上の強さに鍛え上げられている。自慢の体だ。世で言う細マッチョだ。
ボディービルダーになるのもアリだと思ったが、僕が憧れている強さになるために、王国の剣士になろうと思った。
僕が住んでる王国、バタンニ王国には王国に使える騎士団と言う組織があり戦争の兵士や災害時の人助け、魔物退治など様々な役割を担っている。
僕は騎士団に入るため、来年から騎士団学園に入る予定だ。両親は快く了解してくれた。うれしい。
ちなみに騎士団学園に入らなくてもギルドに入れば、魔物退治などができ強くなれるが騎士団に比べて、給料が少なく不安定。おまけに素人の集まりなので質が悪い。
僕は騎士団学園に入るために騎士団の基本を勉強したり、剣を使ったトレーニングなどを頑張った。
普段鍛えているので、剣の扱いはすぐに馴れた。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
季節は流れ春になった。
僕はこの日、騎士団学園に入るための試験を受ける。
午前に筆記試験。午後から実技試験だ。
この一年間、必死に勉強したおかげで難なく筆記試験を終えられた。
午後になり試験の目玉、実技試験がはじまった。
試験内容は簡単。ランダムで選ばれた2人がタイマンで戦う。どちらかが戦意喪失、戦闘不能になったら決着がつく。
更に筆記試験の結果が合格範囲でなければ勝っても意味がない。
試験に使う剣は刃を削っているので死ぬことはない...はず。
できれば弱そうな人と戦いたい。
「5回戦!カイン・レオーネ対イヌ・カマセー!」
「はいっ!」
そして出番がやって来た。緊張で他の人の試合は覚えていない。
僕は父から教えてもらった独特の構えで時をまつ。あの弱そうな父が「剣を教えやる!」なんて言うとはおどろきだった。
対するカマセー君はよくある普通の構え…かと思いきや片手剣!?なかなかに手強そうだ。
「開始!」
審判の合図と同時に僕はカマセー君との間合いを一気に詰め、上から下に剣を素早くふった。
それと同時にカマセー君は体をヒラリとかわしカウンターを狙ってくる。
その瞬間、膝に蹴りをおもいっきり入れ相手を崩す。
すかさず追い討ちをかけに今度は剣を横にふり仕掛けに行く。
「ギシン!」
カマセー君は攻撃を止めやがった。
今度はカマセー君から距離を詰めてきた。下からの攻撃だ。
だが冷静に流しその勢いで後ろに回り込み叩く。
「イヌ・カマセー戦闘不能!勝者カイン・レオーネ!」
決着がついた。僕はガッツポーズをしていた。
ちなみにカマセー君は騎士団の家系で注目されてたらしい。手強かった。
その後、合格書が届き来週から騎士団学園に入学することが決まった。
両親から入学祝で剣を貰い、僕は剣術をひたすら磨く。
夢に近づく第一歩だ。
読んでいただきありがとうございます!
是非感想をください!