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第8話 エキゾチックショートヘア的顔

  あたし達はとりあえず、木々等の部屋に入れてもらった。理由があるのかどうかも分からないが、この部屋がこんなになった経緯を教えてもらわなければ、納得できない。

  そういえば、やはり彼のリビングの壁は、例のあたしのエキゾチックショートヘア的顔で、埋め尽くされていた。控えめに言って、キモイ。というか、どこを向いてとも自分が見つめ返してくるというのが、恐怖だった。


  クラスの人気者は、あたし達をテーブルに座らせると、ちゃんとあたしと茶々林の好みの飲み物を持ってきた。

  どこでその情報を入手したのかは知らないが、ここら辺から一番近いデパートにあるあたしの大好物の「バナナほうじ茶ラテ」と、おそらく茶々林のものであるのだろう、紅茶だ。

  見ていて思ったのだが、茶々林は、そもそも独特な髪型をしているし、例のタンクトップと短パンを履いているから、紅茶との相性が素晴らしく悪い。

  それに、茶々林の着ているタンクトップには、『おもしれー女』と書いてあるのだ。何が面白いんだよ。しかも超ダサい。


  そうやって冷たい空気が流れる中、茶々林は紅茶を一口啜ると、テーブルに置いた。

  それからゲンドウポーズをする。


「これから第一回、カササギ荘裁判を行います」


  木々羅がごくりと唾を飲んだ。


「え~、……被告人とかはどうでもいいや。まぁとりあえず言いたいことがあるなら言いなさい」


  あたしは静かに頷いた。


  「何故この部屋は、こんなになってしまったのでしょうか」


  あたしが告げると、木々羅は待ってましたとばかりに微笑んだ。嫌な予感しかしない。


「理由は簡単です」


  照れくさそうに頭をかく。


「この高校の入学式で、君はクラスで唯一、誰とも喋らず、喋りかけられたら不貞腐れた顔をするということを繰り返していました。俺は、そんな君のーーその、エキゾチックショートヘア的顔に、いわば"一目惚れ"したんです

 。なんて言うんだろう。あの顔には、ちょっと愛嬌があって、それでいて相手を突き放すようなツンデレっぽさが表現されていて、えげつなく可愛いんです。最高傑作は、玄関に飾ってあるあの写真。あれは、エキゾチックショートヘア的顔の、金字塔ともよべる作品です。あ、ちなみに写真は全部、学校の行事のときの写真販売で買ってます。あれを加工してるだけだから気にしないで」


  木々羅は恍惚とした表情で、それでいて誇らしげに言ってのけた。

  普通に恐い。恐すぎる。これはもうもはやクラスの人気者の闇とかいってる場合じゃない。あと、木々羅もやっぱり、あたしがエキゾチックショートヘアに似てると思ってたんだな。

  それにしてもどうしよう。あたしはこれから、どうするべきなんだろうか。

 

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