#2 旅立ちⅠ —管理者side—
旅立ちⅠの管理者sideのお話。飛ばしてもok
「( ´Д`)=3 フゥ。とりあえず了承してくれてよかったよかった。」
誰もいなくなった空間で1人、そう呟いていると突如後ろから一組の男女が現れ声をかけられる。
「何がよかったんだぁ?ロト。ずいぶんと時間がかかったな」
「まぁ私らもさっき終わったとこだけれど」
「なんだキミ達も来ていたのか。そっちはどうだったんだい?」
「おぅ。こっちは割とすんなり終わったぞ。中々に面白い奴もいた」
「なによ!こっちだってとってもかわいい子がいたんだから!」
あーあ。早速言い争いを始めてるヨ、いつものことながらよく飽きないものだよネ。
「それはそうと面白そうな子はいたのかい?」
「え?そうねぇ。私の所で一番良かった子はメイドの子かしら!体系に合わないサイズの斧を持っててね、クール系っぽい子でとてもかわいらしかったのよ」
「おいおい、また例のかわいい子ちゃん漁りかよ。男はいねぇのか男は」
「失礼ね!かわいい子の何が悪いのよ、いいじゃない!それにちゃんと男性も送ったわよ?名前は..忘れたけれど中々いい男だったわ。貴方よりもイケメンなのは間違いないわね!」
「ほっとけ!顔が全てじゃねぇんだぞ、ったく。俺のとこはそうだな、お前らがどうせ戦闘向きの奴らしか呼んでねぇだろうと思ったから生産系の連中から何人か送っといたぜ。
そうだ、その中で1人面白い奴がいてな!リュックみたいなのを背負った小柄な女だったが中々面白い小道具や武器を作ってたんだ。何個か作品を見せてもらったが結構面白かったから今度俺にも何か作ってくれって頼んだら快く了承してくれてよ。あいつはいい旅者になるぞ。商人にもなれそうだ」
「なによ、貴方だって女の子選んでるじゃない。人のこと言えないんじゃないかしら?」
「バーカ、俺はお前と違って顔だけで選んでるわけじゃねぇんだよ」
「何ですってぇ!?」
また始まってしまった。これは落ち着くまでほっとくしかないかなぁ。
と先程送った子のことを思い出していると此方にも飛び火してくる。
「なーにだんまり決め込んでるのよ、貴方も言いなさいよ!」
「そうだぞロト。お前が一番時間かかってたんだ。誰か面白い奴いたんだろ?独り占めはよくないぞ」
「( ̄∇ ̄;)ハハハ、そんなつもりはないヨ。そうだなぁ、僕が気になっているのはやっぱり最後の子カナ」
僕はそう言うと透明なメニューウィンドウを出し先程の少女との映像を再生する。
「お、なんだ撮ってあったのか。どんな奴だ...っておい、こいつはまさかっ」
「なによそんな驚いて、私にも見せないさいよ。...えぇ!ロトあんたこの子選んじゃったの!?」
先程の少女、ナギを見せるとさっきまでの表情が急に暗くなる2人。
「どうしたのさ急に焦ったような表情して」
「いやそりゃお前、今回の転移を始める前にコイツはやめとこうって話したじゃねぇか、もう忘れたのかよ!」
あ~...そんな話もしたようなしてないような。
「そうだっけ?」
「そ う だ よ!」
「ちょっと顔が近いヨ、あつぐるしいから離れて~」
「はぁ、あの子とあのデバイスは危険だからって貴方が言い出したんじゃないの。もしかしたら彼方にも影響を及ぼすことになるかもしれないって。自分の言ったことには責任を持ちなさいよ全く」
「エ~?だって実際に会ってみたらあの子が一番面白そうだったんだし、色々楽しくなりそうだったからね、仕方ないよネ!」
「アホか!折角今まで不干渉を貫いていた地球の神が俺らに話があるってやっとコンタクトとれたのにそこで俺らが地球では初めての転移で送った奴が問題起こしたらまた繋がりを断たれるぞ」
「大丈夫だヨ!彼女達の力はいずれ必ず必要になるさ!それに、彼女達と話していて気になってきたんだ。彼女達がこれから色んな世界を周り、何を見て、何を感じてどう成長していくのか。その行く末に待つものは何なのか。僕はそれが知りたいのサ」
「...はぁぁぁぁ。そういえばコイツは昔からこんな奴だった。忘れてたぜ。楽観的、お気楽、能天気と三拍子揃っていていつも言うことがコロコロと変わりやがる。全く、付き合いは長いがいつまでたっても何考えてんのか分からねぇ奴だなお前は。その性格だって本性じゃねぇんだろどうせ」
「アハハ!そんなことないさ~、僕はいつもこんなんじゃないカ」
「確かにそうね、まぁもう送っちゃったものは取り消せないし、見送るしかないんじゃないかしら。やばそうだったら私達でなんとかするしかないでしょう」
「そうだネ!もしもの時はよろしくネ!」
「もしもの時はお前が一番働くんだよ間抜け!」
そう言われ頭をはたかれてしまった。全く彼は事あるごとに僕を叩いてくれちゃって、馬鹿になったらどうするつもりなんだい。
確かに危険性は含んでいるだろうし危ない賭けかもしれない。でも僕は彼女の中にある気持ちを何故か否定したくはなかった。こんな風に思ったのは久しぶりだった。
その果てに待つものは希望か絶望か分からないけど、それでも彼女の旅を応援してみるのもまた一興という奴だろう。あ、勿論他に送り出した者達もネ!
「...しかし最初に見た時も思ったけど、このナギって子もやっぱりかわいいわねぇ」
「キミが見る所はやっぱりそこなんだネ」
「いいじゃないの!かわいいは正義なのよ!そういえばこの子と一緒に居たもう一人の金髪の子も招待しようと思ったけど反応なかったのよね。何故だったのかしら」
「あぁ、ミュウのことかい?彼女も僕の方で招待したよ、断られちゃったけどネ。後から来るってサ」
「なによ!ロトばかりかわいい子独り占めだなんてずるいじゃないの!」
「えぇ!?そんなつもりはなかったんだけどナ~(*´∀`)」