夏
大きくなる恋愛感情とそれによってぶつかる壁
地縛霊・美咲との不思議な共同生活が始まってから4ヶ月が過ぎ、8月になった。
ここ数か月大学でできた友達と遊ぶようになってきた。だが決して家には呼べない。。
「なぁ今日はお前の家に遊びに行かせてくれよ~」
「いつも通り清二の家でいいだろうよー」
清二とは大学ではじめてできた友達である。最近よく遊んでる友達の一人だ。
「なんでダメなの?」
「なんでか…それはちょっといえないな…」
家に地縛霊がいる。何て言っても信じてもらえないしな…
「…そこまでいうなら仕方ないね。とりあえず車乗れよ。家まで送ってってやる!」
清二は車の免許を持っている。家まで送ってってもらったことはなかったがそれくらいはいいだろう。ここで断っても悪い気がして俺は車に乗った。
「ここ右。その奥!」
「あれ?」
「あのアパートだよ!ついでに俺の部屋は2階の端だよ」
俺は指をさしてから気づく。部屋に電気がついていることに…
「お前電気つけっぱじゃん、」
「そ、そうだったー。忘れてたーー」
「部屋の中誰かいない?今影が…」
片手で部屋にあるパソコンに連絡をいれる
美咲、動くな。
とだけうって送る
「か、勘違いだよ。じゃ、ここでいいや。ありがとう!!」
俺は素早く車を降りて部屋の帰った。
「ただい…ま。」
「おかえり、そんなに急いでどうしたのはるきくん。ご飯はできてるよ?さっきの連絡なに??どういうこと??」
やっぱりあまりに短い文過ぎたようだ。動揺しているようで悪いことした気分になる。
ついでに美咲だが洗い物や掃除、1日2回のご飯の用意までやってくれている。
「なんでもない。それよりご飯にしようか!」
「そうだね。あ…」
美咲は物陰に隠れるとこちらを指差す。
「え…」
後ろを向くと俺と同じく息をきらした清二が立っていた。
「お前スマホ忘れてるよ…そんなに急いでなにかと思えば…一人で話してるし…疲れてんのか?大丈夫か…?」
部屋の方を見ると美咲は見えなかった。
「だ、大丈夫だ…スマホ悪い…今日は疲れたから寝るわ。またな」
「なんかあったら…連絡しろよ…。おやすみ」
そういうと清二は帰っていった。
「あっぶねー」
「危なかったねはるきくん。」
物陰から出てきた美咲がそういう
「なんで隠れたの?見えないだろお前。俺があぶねーって言ったのはその干してある下着だよ。」
「あwとっさに隠れちゃったww」
「まぁなんも言われなかったから…ご飯にしよう…」
「うん。今日は麻婆豆腐です!」
エプロンをした美咲が料理を運んでくる。この姿も見慣れたものだ。
「はるきくん。どう?美味しいかな?」
「おいしい。美咲も食べろよ」
「うん!いただきます!」
ご飯を食べれて、お風呂にも入って、会話もできて、暖かい。そんなおばけがはるきの心の中で大きな存在になっていく。
「なぁ美咲、今日一緒に寝よっか。」
「はるきくんからそんなこというなんて…」
「そんな日もあるだろ。別におばけになんかしようってほど罰当りのバカじゃないし安心だろ?」
「そうだね!私は全然いいよ!」
たまに美咲の願いで同じ布団で寝ることがあったが相手がおばけであると言うこともあり一線は4ヶ月間越えていなかった。
「おやすみ。」
「おやすみはるきくん。」
美咲が照れくさそうにわらう。
この日から一緒に寝るときは向かい合って寝るようになった。。
一方その頃
清二は夜の道を車で走っていた
「あのアパートって確か親戚のおねぇちゃん住んでたような気がするな。てかはるきの部屋に女物の下着あったよな…あれを隠したかったから部屋ダメって言ってたのかな…」
モヤモヤしながら家に帰るのであった。
突発的に起きた清二の訪問が大きく二人に関わってくることは作者の僕しか知りません