春
連載でやっていきますが少しずつ進めます!
ですがコメントとか閲覧数がのびたらちょっとだけ早く更新するかも!
4月。高校を卒業し地元から一人上京した俺は都内では破格の安さのアパートに住むことになった。
下見などはしないで決めてしまったのだが築年数や綺麗さの割には安い、いわゆる事故物件なのだろう。
引っ越し業者が荷物を運んでいる間、暇なので近くのコンビニで飲み物やお菓子を買うことにした。
「1626円でございます」
ちょっとしか買ってないのに…地元の個人商店なら1000円しないだろう。
店員の髪の色が赤だったのがとても印象に残った
30分だろうか、それほど荷物がなかったので運び込みはすぐ終わったらしい。
「ここに印鑑をお願いします!」
「あ、はい。」
「ありがとうございます。では新生活楽しんでくださいね!」
そういうと引っ越し業者の人は帰っていった。
さぁ一人暮らしだ…
ドアを開けると段ボールを不思議そうに見つめる女の人がたっていた。
「は?」
「え?」
「え?」
「ん?」
なんだこの女全然焦らない。
「俺の部屋なんだけど?隣の部屋の人とか?なんで俺の部屋にいんの。」
「え…いや。私の部屋だし…」
「ほら。これ契約書。」
「晴樹くんっていうのかー。なるほど。引っ越してきたんだね。よくこんな事故物件来たね。それも人が死んだ部屋に」
死んだ人の部屋だから安いのか…それよりそれを知ってるってことはやっぱり長くこのアパートに住んでる…
「それも当事者いや私が、まだいるのにww」
「…それってどういう」
「そのままだよ。私はおばけ、ここで3年前に自殺した美咲です!」
手を口元に当て頬笑む彼女。笑顔とは裏腹にその内容はとんでもないものだった。
「おばけ…」
「そう。おばけ。地縛霊でこの部屋から出れないおばけ。ずっと部屋にいたのに引っ越し業者の人気づかないだもん」
どうやら俺の一人暮らしは始まらないらしい
でも正直なぜだか怖くなかった。想像していたおばけの要素は長い黒髪しかあっていない。
普通におしゃれな服を着て、化粧をして、何より笑顔が可愛い。
「引っ越しお疲れ様!手伝おっか?」
「いや、え?その感じでずっと来るの?呪い殺したりとか」
「しないよww何が面白いのそんなの」
そういって座り込むとコンビニの袋からペットボトルを取り出すと飲み始める。
「それ俺のだし…つか死んでるのに触ったり飲んだりできるのな」
「あ…」
美咲は飲んでいるペットボトルじーっとを眺める。
「どうした」
「触れるのはわかってたんだけど飲めるのは今気づいたww」
どうやら話を聞くと自殺して初めて引っ越ししてきた人らしい。
「どうしようかな…敷金払っちゃったしな…」
「えー、なんでよ。引っ越さないでよ。かまってー」
「寄るなおばけ!」
「もしかして童貞かー?ww」
「おばけには関係ないだろ!とりあえずこの部屋の荷物だけ片付けるから手伝うなら早くしろ。じゃなきゃ除霊してやる」
ついでに童貞だ。
「おばけより怖い顔してるよ」
「クドイ。」
「はーいww」
楽しそうな彼女、美咲?は大体同い年ぐらいだと思う。なぜその歳で自殺を選んだのか俺は美咲を気になり始めていた。だがそれを聞くのはもっと後である。
「やっと終わった。ありがとうな」
二人で荷物だしをしたのだが勢いで全部の部屋もやろうと言う流れになり四時間ほどかかった。
「どういたしまして!!私役に立つでしょ?」
誉めてほしそうにこっちを見ている。本当に生きてるみたいだ。
「役には立つな。」
「でしょ!」
「腹へったな。飯でも作るか。」
そういえば昼からなんも食べてない
「私料理もできるよ?つくってあげる!今まで家に材料も無かったし電気もなかったし当然食べられることも知らなかったから3年ぶりだけど!」
「それは怖いな」
「おばけが目の前にいるんだよ?そっちの方が怖くない?うらめしや」
「おばけは怖いけどお前は怖くない。でも本当にうまいならこれからバイトだ、学校だで忙しいから作ってくれると俺は楽だけど」
「わかった!料理して待ってるから!」
「頼むから変なの作んなよ。」
「うん!」
だが美咲は本当に料理が上手だった。
「うまいな…」
「でしょ?そんだけ美味しいって言ってくれるならこれからご飯つくってあげる!」
「お願いする。」
「お願いされました!」
その後片付けやちょっとした掃除をしたあと風呂を沸かした。
「俺風呂はいるけど美咲は入るのか?」
「入るよ!おばけだってお風呂ぐらい!」
そんな常識みたいに言われても…と思いながらも何も言わず俺は風呂にはいった。
「あぁ…いいだか悪いんだかだな…」
俺がお風呂を出て部屋に戻ると美咲はお風呂に入っていった。
50分ぐらいしたごろ風呂場から声が聞こえる
「ねーー!」
「なんだよ。どうしたの」
「着替え持ってくるの忘れたから持ってきて!」
忘れていたが服とかはいるのだろう。
「着替えってどこにあるんだよ。」
「そこの押し入れに私の服残ってるから!」
押し入れを開けると奥に服が置いてある。普通事故現場の物って捨てるよな…
「てか服は着る感じなんだな。」
「おばけをなんだと思ってるんだよ君は!」
脱衣場のドアを開けて服をおこうとすると同時に風呂のドアが開く
「ちょ…」
「きゃーーーー」
俺は服を投げ入れドアを閉め部屋に帰った。
その5分後よそよそしく美咲は脱衣場から出てくる。
「ねぇ。見たでしょ」
「みたけど…」
「なんか言うことないの?」
「ごめん…なさい」
なんで俺が謝ってるんだろう…
「ちがう。」
「え?」
「綺麗だったとか美しかったとかないの?」
ちょっとずれてるようだ
「そんな見てないし」
「つまらないなー。これだから童貞は…」
「童貞言うな、てかきゃーっていったのお前だろが」
「それにさ、服用意してくれたのはうれしいんだけど一個忘れてない?わざとなの?」
「あ…」
男は着けないものを用意するのを忘れていたみたいだ
「まぁ別にその気ならい・い・で・す・よ?」
「はぁ…」
女の人と住んだことなどないので気をすごいつかう。自分の家なのに全然落ち着けない。大変なことになった。
「そういえば美咲はどこで寝るんだよ」
美咲は俺が布団を指差す。
「これは俺の。布団は他にないしなー、あ!」
そういって俺は少しの毛布とバスタオルを美咲に手渡し押し入れを開ける。
「ここで寝ろよ!ほらあのアニメのやつみたいに!」
「いやだ!暗いの怖い!」
「暗闇にいてこそのおばけだろうが!そこで寝ろよ!」
「う…」
美咲は泣き出してしまう。
「泣くなよ。強く言って悪かったよ」
「じゃぁここで寝ていいのぉ??」
「いいよ。そこで寝ろよ。俺が押し入れで寝るから」
「えぇ…じゃ私も押し入れで…」
「んだよ。それ」
「久しぶりに人と話せてるんだよ?一緒にいたいの普通でしょ?」
「もういいよ。一緒に寝ればいいんだろう。」
「うん!」
嬉しそうにする彼女を少しだけ可愛いなと思ってしまう。だがダメだ。美咲はおばけなのだ。
結局一枚の布団で二人で寝ることになってしまった。もちろん背中合わせだが
「ねぇ。はるきくん」
「はじめて名前呼ぶのがこういう状況になってからとかはやめてほしいけどどうしたの?」
「私暖かい?」
そういえば体温を感じる
「暖かいね。おばけって体温あるんだね」
「暖かいんだ。よかっ…」
そういいながら美咲は寝てしまった。
こうして不思議な不思議な共同生活は始まったのだ
僕が中学2年生の時にラインのタイムラインにかいた話を細かい描写などを加えて作り直してみます!