幽体離脱を通じて外界の惑星を旅行した人間の生存話
第四十三話 奇跡の再生
ここがどこか? ベッドに横になっているようですが目をあけられない。 全身がずきずきと痛む。 起きたいけど体が言うことを聞かず、精神も行ったり来たりする。 ふと子供時代の場面が目の前に広がって軍隊で苦労した記憶もよみがえる。 夢か現か? 故障したコンピュータの記憶装置が勝手に作動するように様々な記憶が入り混じって現れてはまた消える。 この前にはコンビニにうろうろした客たちとラオスのコーヒー農場で働いている住民たちの姿が見えた。 考えと記憶が この前には。 私に何かが起きたのだろうか? 今は故郷の家の門の前に立っているが、裵相浩の声が聞こえる。
「大根よ、あそこ新郎が来る。」
「早くお父さんに知らせなければならないと。」
私は相浩と一緒に家の中に入った。 今日は姉が嫁入りする日だ。 私より十歳年上の姉の名前は李明熙、忠州で女子高校を卒業した後、銀行員として勤務しているが、お見合いで新郎を会って、今日結婚する。 最近は市内の結婚式場で新式に結婚式を挙行する状況だが、私の家ではおじいさんの主張によって伝統方式の婚礼を行うことにした。 結婚の日取りもお爺さんが握った。 そして今、義兄とその一行が婚礼に向けて新婦の家に到着したのだ。
「父、姉の夫が到着しました。」
「わかった、私が出てみよ。」
父が襟をただして門の外に出ると、相浩が羨ましげに私を見ている。 彼は息子だけ三人家庭の長男で、姉がいる私をとても羨ましがる。
「大根よ、明熙お姉さんはいいな。」
「よいのかよくないのかよく分からない。 昨日は私の手をつかんでちょうど泣いていたよ。」
「お姉さんがお嫁に行くのがいやで、そんなのではなさそうだ。 あなたの姉が弟たちをよく世話をしてくれたけど、あなたは悔しくないの?」
「義兄が出来たからいい点もあるだろう。」
「明熙姉が新郎と、夫の家族のみが面倒を見たらどうする? 姉奪われるのではないか?」
「それでも仕方がない。 祖父はいつも姉に'出嫁外人’または'女必從夫'と話しながら追い出すことが人のようについた。」
「老人たちはなぜそんなに女を差別待遇するか分からない。」
しばらくして義兄の家族たちが門の近くで父と共に楽しそうながら挨拶を交わし、庭で入る。 すぐに結婚式が始まるものだ。 ひさしを打った庭に、兩家家族と近所の住民がぎっしり詰まった姿が目に入り、急にフィルムが途切れた。 私が小学校6年生だった1990年代半ばに故郷の家であった姉の結婚式風景がなぜ急に浮上しただろうか? 今の僕となんのかかわりがあるかどうかじっくり考えているところに再び精神があいまいになった。 そして深い眠りに落ちた。
どれくらい過ぎたのか? 早朝夢うつつだが、まわりがうるさいという感じを受けた。 家族の泣き声が聞こえて誰かが私を揺すって起こしている。 成根兄だ。
「大根よ、立ち上がれ。 祖父が亡くなるようだ。」
私は、忠州にある高校に進学し、姉の家で学校に通った。 昨日おじいさんが危篤だという伝言を受けてお姉さん夫妻とともに故郷の家に駆けつけた。 私を特に愛したおじいさんは、数ヵ月間、病魔とギリギリで戦ったがこれ以上耐えることが難しくなってきたようだ。 おじいさんは体がとてもやせて、話す元気もないように見えた。 それでも私を見た後、顔にそっと微笑が広がった。 私はわあわあ泣きながら温もりを感じることができないおじいさんの手をしっかりと握った。 おじいさんの憔悴しきった姿が私を限りなく悲しませたが、私は何の役にも差し上げることができなかった。 ただ'おじいさん頑張ってください'と最後の挨拶をして、外に出ただけだ。
おじいさんは82歳の誕生日を数日後に控えて死去した。 私の家はもちろん、町内でも大きな大人の役割をやっていた祖父の葬儀は、多くの弔問客らが雲集した中で厳粛に行われた。 特に1950年代と60年代におじいさんに漢文を習ったという方たちが哀悼の意を表しておじいさんと知り合った地域の有力者らも葬儀に多く出席した。 おじいさんの遺体は祖先の墓の日当たりのよい所に埋葬されたが、おばあさんは宗孫が婚姻する姿を見ずに、亡くなったことをいつも残念がった。 成根兄は祖父が亡くなってから2年後に結婚した。 この瞬間おじいさんの臨終の瞬間が浮上した理由は何だろうか。
軍で厳しい訓練を受けていた場面が目の前にちらつきときは全身が痛かった記憶も蘇った。 私は、故郷から遠くない予備師団の新兵訓練所に入所したが、体格が大きく、テコンドー3段という履歴のために空輸特戦団員に採用された。 そして除隊する日までいつまでも繰り返された'訓練と訓練'の中で3年を送った。 その大変だった時期がいきいきと感じられる。 私は軍隊時代を思い出したからに肉体的苦痛を感じるか、でなければ体の痛みを感じる時ごとに軍隊時代の辛かった記憶が昇るのなのか見分けがつかない。
今は私の魂が人間の肉体を離れ、グレーの体に入った瞬間を回想している。 私は、ラオスの静かな森の中を歩いていてハンギュと一緒にいる。 漢奎と二人だけがあるときはいつも星と宇宙人の物語で時間を過ごしたが、この時も同じだった。 私たちは夜が深かったと感じて急いで宿舎に足を向けたが、まさにその時白い閃光が光らせ、輝かしく明るい明かりの中でグレー宇宙人が歩いて出た。
私は瞬間的に私の体から全てのエネルギーが流出されているような感じを受けた。 立っている気力さえなかった私はつい落ち葉のように倒れてしまった。 指一つも自分の思い通りに動くことができなかった。 グレー宇宙人の手が私の体に触れた瞬間、私は意識を失い、しばらくして地面に返っている私の肉体を見た。 漢奎はその隣に座り込んで頭を落としている。 宇宙人が彼には手をつけなかったようだ。 私は宇宙船の中に連行されている間、一言もできない、私の体はまるで奴隷のように動いた。
精神力にある程度回復されたのだろうか。 今はこれまでに起きたことを順に記憶できるようになった。 私はグレーエイリアンに変わったまま空飛ぶ円盤に乗って太陽系基地に行った。 そこでしばらく滞在したあと宇宙船で乗り換えてメリオン惑星に到着した。 惑星にはグレーより、もっと綺麗で人間のようにハンサムな惑星人が住んでいた。 グレーらは彼らをホワイトと呼んだ。 私は地球局でジェティの管理を受けた。 彼女を通じてメリオン惑星がどんなところか、また、惑星人がどのように生きているのか理解するようになった。 そして惑星防衛司令部へ送られたようだが、その後の事は覚えていない。
多分、私が大きな事故に遭ったのは確かだ。 事故で全身に大きな傷を負ったため、記憶力が正常ではなかったようだ。 今やっと過去の記憶を回想して体の痛みを感じるのは脳機能が蘇って感覚器官が徐々に回復する証拠だろうか。 時間が流れながら体を動くのがますます容易になった。 視力や聴力も確実に改善された。 今は私が、地球人という事実を、そしてグレーに変身してメリオン惑星に来たという事実をはっきりと自覚する。
惑星の先端医療技術のおかげか僕の体の回復速度はとても速かった。 意識を回復する過程で様々な記憶が断片的に浮上して消えたが、今は幼い頃、故郷村で経験したことから始めて学生時代、軍服務時代、大学卒業後、コンビニで働いていた時代と惑星に到着して経験したことを一貫性があるように回想することができる。 しかし、私がどうしてつらい闘病過程を経ているかは分からない。
私は今目を閉じているが、周辺に誰かがあるということを肌で感じている。 彼らの対話内容も聞くことができる。 その声の主人公がまさにジェティということにも気づかされた。 彼女がすぐ隣で医療陣と会話を交わしている。
「病院長から驚くべき知らせを聞くや否や、一目散に走って来ました。」
「旅団長がついに意識を回復しました。 長い闘病過程で勝利したのも確かです。」
「いつ、どのようにその事実を確認していますか?」
「旅団長が外部刺激に間欠的な反応を見せ始めたのはずっと前だが、数日前から複合反応が表れ始めます。 今日は視覚および聴覚テストにも的確に反応しています。 旅団長は完全に回復しそうです。」
「本当に幸いですね。 医療陣が大きなことをやり遂げました。」
「旅団長が彼のように残酷な負傷を受けても再生したのは、それこそ天佑神助であり、奇跡です。」
「旅団長の頭脳機能が回復されたのでこれ以上望むのがありません。 体の他の部分はかなり壊れてもいくらでも再生させることができるが、頭脳は違うじゃないですか。 そんなに大きな事故に遭ったにもかかわらず、頭脳は大きく損傷されなかったようです。」
「そうです。 旅団長の頭脳ハードウェアが大きく損傷されなかったため、記憶貯蔵施設に保管された情報を移植することができました。」
「惑星防衛司令部へ発つ前に保存しておいた脳情報が旅団長の脳に正確に入力されましたか?」
「私たちは旅団長の記憶を正確に復旧したと確信します。」
対話内容を聞いていたら、本当に私の運命が酷いと気がする。 人間の体からグレーの体へ移ってきた魂が大変な事故にもかかわらず、肉体を離れていないなんて本当に幸いだ。 私は ジェティの声に目を大きく開いた。 そしてベッドのそばで私を見守る彼女の顔を見た。 久しぶりに見るジェティの顔が感動に満ちていて私の手を撫でながら、誰かに向かってありがとうという言葉を繰り返した。
「旅団長をこの直轄病院に移送したのは本当に卓越した選択でした。 惑星防衛司令部の医療陣は一緒に事故を受けた第1連隊長や補佐官たちの治療を放棄して特戦団長とともに全員殉職したと処理しようとしたからです。」
「私たちは今まで惑星人やグレーを生かしていこうとこのように心配したことがありません。 そして旅団長が回復された状況を医学的に説明することができません。 彼の魂が絶望的に壊れた肉体を離れなかったのが本当に奇跡です。」
「旅団長は普通のグレーではないです。 彼は私たちがとても大変に地球から連れてきた人間です。 旅団長は、今後活動に支障がありませんか。」
「皮膚と筋肉はもちろん、臟器と感覚器官の相当部分を交代したために適応するのに時間がかかります。」
私は医者とジェティの対話内容を通じて状況を把握できるようになった。 惑星防衛司令部へ移籍した後、致命的浮上をかいたのに、そこでは治療が不可能だったため、宇宙探査本部直轄病院に移送され、ついに奇跡的に回復された。 私の体はひどく毀損され、生体組織の多くの部分を移植したのだ。 脳も相当なダメージを受けたが、治療が可能する程度だったから、記憶力を回復したはずだ。 医療陣は、地球から連れてきた私を生かそうと最善を尽くし、惑星防衛司令部へ発つ前にコピーしておいた情報を入力して記憶をよみがえらせた。
私はサイボーググレーとなった。 人間の魂がロボットと変わらないグレーの体に移植された瞬間、初めてサイボーグになって、負傷から回復する過程で、また別のサイボーグになった。 再生過程で外見も間違いなく変わったはずだ。 依然としてグレーの身體なら、外貌が変わった挙げることがどうなのか。 魂が生きている肉体と結合されてあり、地球での暮らしを記憶することで私のアイデンティティは維持される。 私が覚えていない、最近の状況についてはジェティに問えばいい。
「大根、私の顔が見えますか。 私の声がよく聞こえますか?」
「あなたは依然として美しくてきれいな声を持ったんですね。 私の視覚と聴覚が正常に作動するようです。 医療陣が私を生かすために誠を尽くしたようです。」
「そうです。 宇宙探査本部医療陣の苦労がとても大きかったです。 地球局要員たちもあなたの回復を心から祈っています。」
「本当にありがとうございます。 私の外見は前と比べて相当変わりましたか?」
「あなたの体がかなり壊れて脳を手術し、目玉を交代しました。 皮膚や将棋も変わった部分が多いです。 外見もやや変わりました。」
「私がなぜそんな事故を受けましたか?」
「あなたがアンチモンで爆弾テロを受けました。」
「私がアンチモンで爆弾テロに遭ったんですって? 平凡なグレーに誰が爆弾を投げたという話ですか?」
「あなたは平凡なグレーではないでしょう。 地球局から惑星防衛司令部に移したのを覚えてますか?」
「それは記憶があるのだがその後のことは全然分からないです。」
「あなたは惑星防衛司令部で戦闘旅団長という重責を引き受け、アンチモン戦争を勝利に導きました。 そして敗戦国アンチモンの参戦勇士らに爆弾テロを受けました。」
「私は、地球での経験とここであなたと一緒に過ごしたことを正確に記憶します。 しかし、惑星防衛司令部で起きたことは覚えられません。」
「あなたは、国家連合とアンチモン同盟間の戦争に参戦し、ゲリラ戦を指揮しました。 撤収を準備していたところ、テロに遭い、あなたと第1連隊長、そして補佐官たちが一緒に倒れました。 その時が8ヵ月前です。 惑星防衛司令部医療陣は戦争の英雄を再生させるために努力したが、負傷がひどすぎました。 仕方なく治療を放棄して殉職したと発表しました。 しかし、我々はあなたを宇宙探査本部の直轄病院に移送しました。 そしてあなたは奇跡的に回生しました。」
私は一ヶ月ぐらいさらにリハビリ治療を受けた次の退院した。 もう痛みが全部消えて体が軽い。 私が見るにも、容姿が若干変わった。 地球局メンバーたちが私の生還を歓迎しており、特にミューズ18をはじめとするグレーは自分の仕事のように喜ぶ。
地球局での生活が再び始まった。 惑星防衛司令部へ発つ前には何かを待っていらいらしたが、今は引退した参戦勇士として、のんびりと生活している。 私は地球局の雰囲気がとても楽だ。 依然としてジェティとミューズ18を主に相手だが、自分の周辺でグレーたちが集まってくる。 別に用事があるからではなく、単純に私に会いたがってグレーだ。 彼らのことばには、尊敬の念が満ちている。 ミューズ18がグレーの思いを伝えてくれた。
「旅団長はこの惑星でグレーが到達できる最高の職責です。 あなたは旅団長としてホワイトもできなかった偉大な業績を残しました。 すべての惑星人が戦争の英雄として称賛する始末なのだから、グレーらは旅団長を神様のように称えるのです。」
私が記憶すらできない行動についてホワイトとグレーがともに称賛しており、特にグレーらは私を神のように崇めという。 私は理由を知らないまま担ぎ上げられため、不便だこともある。 私が一体戦争でどのような活躍をしたため、このような待遇を受けるのだろうか。 ジェティが私の心を読んだのか、アンチモン戦争記念館の訪問を取り持ち、ミューズ18にも同行するようにした。
「大根、惑星防衛司令部の全ての幹部たちと戦闘兵たちはあなたを英雄とあがめています。 作戦局長は、戦争中あなたと特に親しくしてあなたが事故に遭った後には誰よりも悲しみました。 テロを受けたあなたや補佐官たちは全員殉職したことで処理され、墓も作っておいたんです。 毎日多くの 惑星人が遺体のないお墓参りをしてあなたの冥福を祈ります。 あなたが生きているという事実は、我々だけが知っている秘密です。 戦争記念館にはあなたの活躍ぶりが詳しく紹介されています。」
「旅団長の行動が紹介されている戦争記念館は惑星人が好んで訪れる名所であり、グレーらには聖地のようなところです。 あなたが戦争の最中のリーダーシップ、戦況分析能力と戦闘方法はスターウォーズ軍団の教範になったものです。」
アンチモンの戦争記念館に入ったら、大きなグレーの立像が訪問客を迎える。 立像には'アンチモン戦争の英雄'という名札がついている。 第3戦闘旅団長として参戦した後、特戦団長に昇進して、とても不利だった戦況をゲリラ戦を通じて逆転させたという説明も付いている。 私は彼の姿がどこか見覚えがあると感じただけだ。 ジェティは続けて私を見守ってばかりしたミューズ18は 引き続き親指をおだてた。
広い記念館が惑星人でびっしり建ち並んでいる。 戦争が終わってからいくばくもなくて、関心が高いようだ。 長い間平和体制が維持された惑星で 殺戮と破壊を伴ったアンチモン戦争は惑星人に大きな衝撃を与えたのだ。 初のセクションには惑星の歴史と国家連合の創設背景が紹介されている。 惑星人の暮らしと国家間の関係がどのように変わったのか見せていますが、敗戦国アンチモンを悪の勢力として描写した。
そして、戦争の発端、アンチモンのエムグルロブ攻撃、第3戦闘旅団のゲリラ戦、平和維持活動、戦争の教訓などを順に紹介する。 ゲリラ戦を構想して陣頭指揮した特戦団長が直接作成した'アンチモン戦争白書'に基づいて惑星防衛戦略が新たに修正されてスターウォーズ軍団の戦闘兵訓練体系も大幅に改善されたという内容も紹介されている。
ジェティとミューズ18は私が戦闘シーンを目撃すれば、ゲリラ戦を指揮した記憶が浮かんでこないかと期待したのだ。 私は戦闘シーンを詳しく描写した資料を見たが、これといった興味を感じられなかった。 そして惑星人がそんなに称賛するゲリラ戦が私にはとても平凡な戦術であるだけだった。 戦争を知らずに暮らしてきた惑星人にとっては、不思議に見えたかも知れないが軍隊経験がある人間なら誰でも構想できる平凡な戦略と戦術だったからだ。
しかし、私は誰にもそんな話をしないだろう。 惑星人に地球人は'けんかの達人たちであり、戦争狂'だという印象を与えたくないから。 観覧中私の目をひきつけたのは戦争の経過や戦闘シーンではなく、アンチモン人が国家連合を 非難し、取り出したという'スメリオン18国に人間が居住して国家連合はこれらをエムグルロブに移住させる'という話だった。 惑星に本当に人間が生きているというのか. 人間の存在は戦争と無関係なはずだが、アンチモン人はなぜ そんな話を取り出したのだろうか。 私はジェティに質問を投げた。
「スメリオン18国に人間が生きているなんて何の話ですか?」
「私が特戦団を訪問して 彼に関して十分に説明してくれたが忘れましたか?」
「そんな話をしてくれたんですって? 思い出せません。」
「また申しあげるけどスメリオン18国に人間が住んでいます。 彼らは人工的に受精させて誕生した地球人の子孫たちです。」
「ところであなたはなぜ笑っていますか?」
「あなたのアイデンティティを確認したからです。 あなたは戦争中でもスメリオン18国に人間が存在するという話に驚きを隠せなかったが、今も同じです。」
「そうですか? 私は人間を見ることができますか?」
「エムグルロブ植民地プロジェクトが再開されました。 資源開発国でそのプロジェクトを進めているが、来年に人間を移住させる予定です。 植民地開発に参加した惑星人とグレーもエムグルロブ衛星で人間と一緒に居住することです。」
「どうして人間をエムグルロブに移住させようとしますか?」
「エムグルロブ衛星の環境はこの惑星よりも地球によく似ています。 気温が地球と似ており、大気や水があります。 さらに、重力がメリオン惑星の半分に過ぎないので、衛星全体が低重力室であるわけです。 人間が生存することに適したところです。」
アンチモンは植民地を建設し、自国民を移住させようとしたが、国家連合は人間を先に移住させようとしている。 人間をエムグルロブ衛星で送れば間もなく地球に似た生態系が造成されるものと予想している。 その時は惑星人の中でエムグルロブに移住しようとする希望者が出てくるだろう。 これがまさに国家連合が推進するエムグルロブの植民地開発プロジェクトであり、来年にスメリオン18国の人間たちが移住を開始する。
「エムグルロブ衛星には地元の生命体がないですか?」
「今のエムグルロブは発見当時との差が大きいです。 初めて発見された時は荒涼とした岩石惑星だったが、今は生命体が生きられる条件を十分に備えました。 アンチモンがそのような環境を作りました。 氷を溶かして液体状態の水を流すと、生物が誕生して光合成をする植物たちが生まれた。 しかし、まだやることがたくさん残っています。」
「人間の力を借りてそんなことをする予定ですか。」
「人間は惑星人より挑戦精神が強く、逆境を克服する力を持ちました。 現実に満足する惑星人はエムグルロブ衛星に移住しようとしません。 それで人間を派遣することです。 エムグルロブは今後、人間の天体になることもできます。」
私は興奮した。 地球を離れてから50年が過ぎた後40億光年離れたところで人間の姿を見ることができるなんて! 彼らを会ったらどんな話をするだろうか? 彼らは人間だが、人間の世界を知らずに私はグレーの体だが、人間の世界について知っている。 彼らは私を平凡なグレーとして相対するものだ。 しかし、私は彼らを見つめることからも地球へ帰還した気分を感じることだ。
観覧を終えた私たちは惑星防衛司令部に向かった。 そこでモールムートに会っており、作戦局長とも話を交わした。 彼らはジェティを丁重に迎えた。 地球局から連れてきたグレーがアンチモン戦争を勝利に導き、惑星防衛司令部とスターウォーズ軍団の地位を高めたと感謝していた。 軍団では旅団長の建議どおりホワイトを指揮官に任命し、特戦団長が記述したアンチモン戦争白書によって軍事訓練を実施するとした。
「旅団長がなかったら、戦争がどう展開されたか想像できない、国家連合が存続することができたかどうか疑問です。 本当に危険な状況が起きることもありました。」
彼らは、特戦団長のゲリラ戦術を褒め称え、アンチモンのテロ犯たちから旅団長を守り抜くことができなかったとし、ごめんって言った。 彼らは外見が変わった私には関心すら与えなかった。 自分たちが再生させることができなかった特戦団長を宇宙探査本部の医療陣が再生させたという事実を知らないのが明らかだ。 旅団長時代を覚えていない私は身分を明かしたくない、ジェティとミューズ18私も同じ考えだったのだ。 作戦局長が言葉を続けている。
「旅団長が、テロに遭った際、会員国は英雄を守れなかった司令部とスターウォーズ軍団を非難しました。 私たちはアンチモンのテロ犯を苛酷に報復しようとしたが、我慢しました。 ジェティは、私たちがなぜ、報復をあきらめてから知っていますか?」
「報復の悪循環を懸念したからでしょう。 アンチモンは戦争に敗れ、あまりにも多くのことを失いました。 自暴自棄したアンチモン人にとっては、強圧より寛大さがもっと効果的なのです。」
「決定的な理由は旅団長が最後の瞬間に'報復するな'と叫んだためです。 私たちは旅団長の遺志を尊重するにしました。 その噂が広がり、惑星人の追悼熱気はもっと熱くなり、アンチモン人のテロ攻撃も消えました。」
私は戦争記念館に展示された私の行動を観察し、あちこちで私を称える声を聞いたが、たいした興味を感じなかった。 私は記憶を喪失すれば、心配と執着から解放できるという事実を実感した。 私に何事も起きていなかったら、私はアンチモン戦争という羈絆に束縛された人生を生きたのだ。 依然としてスターウォーズ軍団の業務に縛られており、アンチモン人の敵対感から脱することができなかったはずだ。 アンチモン人に対する罪責感を拭いきれずに殉職した戦友たちのために悩んでいたのだ。 記憶喪失症は私にその心的苦痛と不安感から脱出させ、新しい未来を夢見ることができるようにしてくれた。
私はもう記憶が途絶えた間何が発生したのか理解する。 特戦団長が死亡したとされたため、惑星人の追悼の熱気がもっと熱いだ。 アンチモン人は依然として国家連合を敵対視し、ゲリラ部隊を呪詛するはずですが、自国民のテロによって特戦団長が死亡したことで、ある程度鬱憤を解消したのだ。 そのような状況で、特戦団長が再生したというと、すべてのものがぐちゃぐちゃになって私にも利益にならない。
北半球でもグレー戦闘兵たちによってホワイトが破壊されたことを憂慮する声が出たが、特戦団長が殺害されてスターウォーズ軍団の指揮官をホワイトで交代することで、その恐れが消えたという。 死は多くのことを忘れさせる効力を持った。 特戦団長の死にアンチモン人の怒りを惑星人の憂慮が緩和された。 そんな状況だから、特戦団長が再生したというば、得になることはない。宇宙探査本部もその事実を共感したため、私の回生した事実を隠している。
宇宙探査本部では、戦争が終わるやいなや、エムグルロブ植民地プロジェクトを再開した。 邪魔者がなくなったのでプロジェクトは、すみやかに行われる。 宇宙探査本部に植民地開発業務を担当するエムグルロブグクが新設されており、すべての部署が積極的に支援している。 私はもうエムグルロブ衛星を訪問する日だけ指折り数えて待つ。