幽体離脱を通じて外界の惑星を旅行した人間の生存話
第四十話 ゲリラ戦
私は戦雲が漂うとき第3戦闘旅団の兵力を牛のグループに分けて、アンチモンの攻撃権の外に秘密裏に移動させ、駐屯地を随時変えた。 そして部隊の規模を柔軟に変動させ、特攻訓練を実施した。 透明化装備や爆破装備で武装したまま迅速に移動して、軍部隊や主要施設を攻撃して後退するゲリラ戦を練習し、アンチモン同盟が旅団の正体を識別できないように分散と集結を繰り返した。
ゲリラ戦のためには何よりも地理に慣れなければならない。 アンチモンの領土はまるで大きなコマのようにできた。 上層少なくても大学は長方形だが、 下の部分は頂点が下に付いた三角形の形として、インド亜大陸を連想させる。 面積は500万平方キロメートル程度とみられ、内陸には大小の湖が多い。 内陸の中心には、米国のミシガン湖の大きさの湖の二つが向かい合っている。 その間に南北に長く陸地が見えて、その中間くらいにアンチモンの行政首都'ホンジャビュ'が位置している。
二つの湖にいくつかの島々が見えて沿岸には産業都市が位置している。 元々あった小さな島々をいくつずつ合わせて大きな人工島を作ったという。 その島に宇宙船部品、探査装備、兵器をはじめ、軍需品生産基地との軍事基地があるものとみられる。 ホンジャビュと人工島を連結する複雑な地下交通網がその証拠だ。 地上建物は秘密基地に勤務する要員たちの住宅と便宜施設であることだ。
アンチモンの最大都市はホンジャビュの南側800キロ地点に位置した'ドンダサン'であり、今も人口が一千万に上る。 長い間メリオン惑星の中心都市であり、百万年前遺跡と遺物がそのまま残っている。 古代には行政だけでなく、産業、科学技術の中心都市だったが、今はサービス産業の中心都市に変貌したという。 そしてホンジャビュの北側1,000キロ地点には第3の都市'コンウジュ'がある。 コンウジュは赤道付近の穀倉地帯で生産された農畜産物と林産物を加工してアンチモン全域に供給する食品や木材産業中心地だ。 アンチモンはコンウジュ-ホンジャビュ-ドンダサンをつなぐ南北軸を根幹と交通網が四方、八方に複雑に伸びている。
ゲリラ戦の効果を高めるためには、敵が予測できないように攻撃時期と対象を選定し、迅速な打撃と後退を通じて敵の反撃を避けなければならない。 私は衛星偵察の結果をもとに攻撃ターゲットをホンジャビュの指揮部と軍事施設、湖沿岸の産業体、水上都市と地下基地、交通∙通信網などで圧縮した。 攻撃対象にはアンチモンの中枢機関と核心施設が網羅されている。
アンティモン軍の主力は北部の軍団として、現在北半球の国々と交戦中である。 第3戦闘旅団がゲリラ戦を遂行する地域は中部軍団の管轄区域に敵の正規軍規模は、味方の三倍ほどだが、治安維持軍と予備軍を合わせると、味方ゲリラ部隊の十倍以上だ。 代わりにアンチモンの中央、軍団と治安維持軍はホンジャビュの北側からドンダサンの南側に至る広大な地域を防御するため、兵力を一ヵ所に集中することはできない。
アンティモン軍は第3戦闘旅団が壊滅したものと知っている。 そのためにゲリラ部隊が侵入したことに気づかず、内部警戒もお粗末だ。 真実が確定するまではゲリラ戦を遂行するには有利な状況だ。 アンチモン当局はゲリラを国家連合との戦争に反対する反乱軍として錯覚するかもしれない。 ずっとそんなふうに錯覚するように作らなければならない。 これをためには、通信セキュリティが重要である。 私は旅団本部と四個聯隊間に行われる指示と報告を商品取引形態で暗号化した。 暗号を解読しても会社と顧客間商品取引のように見えるだろう。
私は攻撃目標を大きく四つのグループに分けて4個聯隊に一つずつ割り当てた。 聯隊長にはその間訓練を受けた方式で独自にゲリラ戦を展開するよう裁量権を与えており、4つの偵察チームを各年代に一つずつ配分し、ゲリラ戦を支援するように指示した。
攻撃目標には戦争を指揮する国家防衛センターと宇宙開発本部、軍需産業体、交通や通信設備、秘密軍事基地などが含まれる。 私は各聯隊に作戦地域とともに、まず打撃対象を指定し、予備隊はディメリオン15国の国境地域の山岳洞窟に駐屯し、ゲリラ戦訓練を受けるようにした。 旅団本部はホンジャビュの北方150キロ地域のジャングルの中に駐屯し、作戦を総括指揮する。
ゲリラ戦は小部隊によって、多数の目標を攻撃するのに適した非正規戦だ。 地球では敵の後方、民衆の中に浸透して奇襲攻撃および迅速な退却を重ねることによって、敵を攪乱したり、包囲、攻撃や拠点の奪還などの任務を遂行する。 第3戦闘旅団はアンチモン内部に侵入して兵力を破壊して施設を破壊する'特攻ゲリラ戦'を遂行する。 'ヒットアンドラン'の作戦を展開するという点でゲリラ戦と類似するが、大衆の中に隠れ、拠点を確保し難い。 私はゲリラ部隊の拠点と移動経路を探索する任務も偵察チームに付与した。
私は各聯隊に攻撃目標に近い複数の秘密拠点を先取りして目標に打撃を与える直ちに拠点を移すよう指示した。 ゲリラの拠点としては隠蔽が容易した森や洞窟が適合するが、管轄地の状況を考慮し、地下施設や民間人の密集地域を拠点とする虚虚実実戦略を駆使するようにした。 私はゲリラ部隊を攻撃部隊、援護部隊、予備部隊に分けて編成して任務を分担するよう指示した。
ついにアンチモンに潜入したゲリラ部隊が、それぞれ中核目標を攻撃する準備を終えており、偵察隊が収集した情報をもとへ逐次的に打撃に乗り出した。
「ここは第1聯隊の状況室、ホンジャビュ市内の政府機関、交通通信網と電力施設などに対する攻撃を開始する。」
「ここは第2聯隊の状況室、ホンジャビュ左湖の人工島と宇宙船発射基地、湖沿岸の産業施設に対する爆破攻撃を開始することだ。」
「ここは第3聯隊の状況室、ホンジャビュ右湖の人工島の秘密基地、エネルギー施設、湖沿岸の産業施設を爆破して駐留部隊を攻撃するだろう。」
「ここは第4聯隊の状況室、ドンダサンの交通通信網、発電所と物流施設を爆破させ、防衛部隊を攻撃するだろう。」
アンチモン軍は、精鋭兵力をほとんど北方に配置することで、後方には隙がたくさんできた。 アンチモン当局は戦争の準備ができていない国家連合軍が自分たちの攻撃を食い止めるのに汲々とするものと予想しており、スターウォーズ軍団の戦闘部隊がアンチモンの内部に潜入したとは想像もできないだろう。
その結果、アンチモン北部地域は完全に戦時体制に転換されたが、中部以南の地域は平時と変わらず平穏だ。 毎日聞こえてくる勝利のニュースに市民が歓呼する状況を度外視すれば、この国が、果たして戦争をする国なのか疑わしいほどだ。 このような無防備状態はゲリラ戦を展開することにうってつけだ。 各聯隊は何の抵抗を受けずにアンチモン内部に浸透しており、生活物資に偽装した各種兵器、装備や補給品も要所要所に配置した。
ゲリラ部隊が目標物をひとつ、ふたつと打撃し始めると、アンチモン当局は、国内人による単純なテロや反政府活動と見なして治安維持軍に処理を任せた。 しかし、主要機関と施設物に対する大規模な爆破工作が連鎖的に発生すると、アンチモンの内部は動揺しはじめた。 治安維持軍を施設の防衛に投入し、その間注目してきた反政府人物らを逮捕して取調べを行った。 しかし、反政府団体やその指導者たちを監視する状況でも人命殺傷と施設の破壊が続くと、当局はその深刻性を認識した。
初期作戦で味方は何の被害を受けないが、アンチモンには莫大な人的、物的被害が発生した。 これは徹底した準備と厳しい訓練の結果だが、アンチモンがゲリラ戦に備えていなかった結果でもある。 偵察チームらは軍事基地と主要施設に関する正確な情報を収集し、近接撮影を通じて標的と接近ルートを確認した。 ゲリラ部隊が偵察結果をもとに攻撃目標を爆破し、次の目標に向かって迅速に移動する過程が繰り返され、アンチモンの被害は雪だるま式に増えた。
私は各聯隊から収集された戰果を総合して軍団に報告する。 作戦局長はゲリラ戦が戦況を覆す契機になるものと期待し、第3戦闘旅団を積極的に支援する。 戰果分析は、公正な論功行賞のために必要だが、臨機応変の案を模索するのにも重要だ。 アンチモン当局が、ゲリラ戦のパターンを気付く場合、戦略を修正しなければならないためだ。 ゲリラ戦を開始した後、一ヵ月の間、各聯隊が収めた主要、前科と味方の被害状況を総合すると、次のようだ。
・ホンジャビュ一帯に電力を供給する送配電施設を爆破することにより、都市半分に電力供給が途絶えた。 復旧に十日以上かかると予想され、独自の発電施設がない機関では 業務がマヒすることだ。 この作戦により電力施設がかなり破壊されて労働者数十人が死亡したり負傷したものと推定され、第1聯隊の戦闘兵五人が軽傷を負った。
・ホンジャビュ外郭の物流施設を攻撃して各種物品を燃やした。 原材料と消耗品を備蓄していない機関と病院の業務が麻痺して市民たちも生活必需品不足によって困難を経験することだ。 同時多発的に行われた物流倉庫の爆破の過程で、多くの死傷者が発生したものと推定される。 作戦に参加した第1聯隊戦闘兵たち数人が軽いやけどを負った。
・ホンジャビュ外郭の治安維持軍訓練場にレーザー弾や熱爆弾を浴びせた。 施設の防御訓練を受けていた治安維持軍の中で300人の死傷者が発生したと推定され、撤退の過程で警備兵と交戦が発生して第1聯隊戦闘兵10人が死亡した。 治安維持軍の宿舎が燃えて警備兵たちが倒れる場面を目撃したが、正確な死傷者数は確認されなかった。 味方の死傷者はすべて現場で焼却された。
・第2聯隊のゲリラ部隊が西大湖沿岸の化学工場を攻撃した。 焼夷弾攻撃で原資材保管倉庫が爆発し、生産施設が炎に包まれた。 十日の間、爆発音が続いて煙が空を覆った。 そして数百人の死傷者が発生したものとみられる。 我が軍は戦闘兵八人が爆発の衝撃で現場で即死した。
・第2聯隊の爆破部隊が西大湖沿岸の宇宙船発射基地を爆破するために接近中に警備兵たちと遭遇した。 敵のレーダーとアンテナ、警戒施設が大きく破損されており、彼我間に似たような死傷者が発生した。
・第2聯隊のもう一つの爆破部隊が西大湖沿岸の戦略物資備蓄基地を攻撃した。 油類タンクが爆破されて四方が火の海になっており、高い熱気と毒ガスによって消防隊がアクセスできなかった。 化工原料が全焼したのだ。 味方被害は皆無だ。
・第3聯隊が東大湖沿岸の工業都市を攻撃した。 アンチモンの消費財工場が密集した'コムドゥサ'地域を爆撃したし、また、他の工業都市'サルロッ'の工場も破壊した。 迅速な撤退で味方のの被害は発生しなかった。
・東大湖の南方、軍需産業団地に味方第3聯隊の攻撃部隊が侵入する過程で警戒部隊と近接戦闘を行った。 味方15人が孤立したまま攻撃を受けたが、援護組が敵の軍需工場を爆撃している隙を狙って脱出した。
・ドンダサン地域に侵入した第4聯隊のゲリラ部隊が放送タワーを爆破させた。 地上1,500メートル規模の巨大な多目的タワーが崩壊され、周辺建物100棟あまりが一緒に瓦解した。 都市の象徴的な建物が破壊されると、市民たちが不安に震えている。 放送報道によると、放送タワーが崩壊し、千人を超える死傷者が発生した。 味方は、爆破工作に参加した戦闘兵八人が避難できず、現場で亡くなった。
・第4聯隊の攻撃部隊がドンダサン治安本部を爆破して連絡体系が麻痺し、爆破の過程でアンチモン治安維持軍数百人が死亡したり負傷したと推定される。 ドンダサンの治安維持軍負傷者たちが病院に搬送される場面が目撃された。
・第4聯隊の爆破組がドンダサン一帯に水を供給する水道管を爆破して道路が氾濫し、一部地域に飲み水の供給が中断された。 配管修理工として偽装した他の攻撃部隊が現場に侵入、都市防衛部隊につながる水道管に毒物を注入した。 病院に向かう救急車行列が目撃された。
・第4聯隊の攻撃部隊がドンダサン鉄道基地を爆破した。 コントロールタワーと鉄道網が破壊されてドンダサンと外郭を連結する列車の運行が全面中断された。
アンチモン当局は一ヵ月以上、ゲリラの攻撃が続いて被害規模が広がると、国家連合軍が侵入した事実を認めて、市民の通報と協力を要請した。 しかし、ゲリラ戦が不慣れなためか、適切な対策を立てることができていない。 アンチモン当局は国家連合軍の追加侵入を防ぐため、国境監視を強化して中部軍団戦闘部隊に産業施設警戒を強化するよう指示しただけだ。
初期戦闘で収めた一方的勝利に歓呼したアンチモン当局や市民たちは戦争というのがどちらか一方の一方的勝利で終わらないという事実を悟り始めた。 いくら弱い相手でも、決死抗戦へ進むと、味方に大きな傷を与えかねないという戦争の属性を理解したのだ。 しかも、相手は結束力があまくてずさんに見えるだけであって、アンチモン同盟よりも人口と経済力がはるかに上回る国家連合軍だ。 アンチモン当局は相手をあんまり熟して勝利を楽観していた安易な姿勢を後悔し、アンチモン人は戦争指揮部の未熟な対処を非難する。
何よりも多くの死傷者が発生し、状況がますます悪化されるにもこれを反転させる方法がない。 すでに万人以上の死者が発生したが、このうちの半分程度はホワイトだ。 病院には、死亡者より十倍も多くの負傷者が入院して治療を受けている。 財産被害は想像を絶する。 産業施設が破壊され、戦略物資調達が難しくなって民間人の生活必需品の配給も支障を来たしている。 それでもアンチモン内部に侵入した敵軍の正体と動線を把握していない。
アンチモン内部が揺れている中、両同盟国も内部取り締まりに入った。 彼らは状況がアンチモン同盟に不利に戻るという事実を認識した。 最初はアンチモンと歩調を合わせながら 北半球の国々を攻撃した両国は次第に消極的態度に転じ、国家連合との交渉の必要性を言及し始めた。 アンチモンの敗戦の可能性が高まれば、両国は同盟から離脱するかもしれない。 この場合、アンチモンは単独で国家連合軍と戦わなければならない。
アンチモン中部地域で治安維持活動が大幅に強化されたことにもゲリラの攻勢が治まらないことから市民の不安感は大きくなった。 反体制人物を逮捕して弾圧した措置は、政府不信だけを加重させた。 市民たちが戦争指揮部を糾弾し、国家連合との交渉を要求すると、当局は南部と北部軍団の一部兵力を中部軍団に配属させ、強力な対ゲリラ作戦を展開した。 国内が騒乱すると、外部の敵を攻撃できず、同盟国の協力も期待できないと判断したのだ。 これで北方3国に対する攻撃は事実上中断され、アンチモンの内部が主要戦場と化した。
第3戦闘旅団のゲリラたちは休む暇もなく目標物を打撃した。 アンチモン当局が、予測できない方式で迅速に攻撃し、後退する戦略を繰り返すと、人命と財産被害が累積された。 しかし、アンチモンの抵抗が頑強になることにより、ゲリラ軍の被害も大きくなった。 味方の死傷者とアンチモン中部軍団の死傷者数がとんとんに発生し始めたのだ。
ゲリラ部隊とアンチモン防衛軍の兵力差が'1対4'で'1対6'に拡大された。 このように不利な兵力差を甘受したまま、ゲリラ戦を継続することは難しい。 今までは小部隊に分けて警戒がおろそかな'点標的’を攻撃したが、今は'防御線'を突破した次の標的を攻撃しなければならない。 同じ攻撃方法に固執すれば、味方被害が増えるだろう。 私は兵力の不均衡を解消するためにはゲリラ部隊の増強または敵の分散が必要だと判断して作戦局長と対策を協議した。
「第3戦闘旅団が驚くべきことをやり遂げました。 旅団長と部隊員たちの苦労に感謝いたします。」
「アンチモンが油断したおかげです。 戦況は瞬く間に変わることもできます。」
「とにかく旅団長の慧眼と完璧な準備がなかったら、国家連合軍は失敗を見たのです。 北方3国と国家連合は状況が急反転されたのに非常に鼓舞されています。」
「まだ戦争が終わったのではないです。 小さな勝利に陶酔してはいけません。 第3戦闘旅団の活動状況が連合国に知られましたか?」
「私はゲリラ部隊の活動を公表したことがありません。 国家連合加盟国らは、戦況が逆転したことを確信しているが、その理由を知らない。 アンチモン北部軍団の攻撃をよく阻止してアンチモン内部で反政府勢力が呼応したためだと思うことです。 軍団幹部たちだけは状況を正しく把握しています。」
「アンティモン軍は国家連合軍が内部に侵入した事実を把握したようです。 北部と南部軍団の一部兵力を中部軍団に配属させることで、ゲリラ部隊の身動きが難しくなりました。」
「ゲリラ活動が萎縮すれば、北方国家に対するアンチモンの攻撃が再び強化されるのです。 戦争を勝利に導くためには、ゲリラ部隊が引き続きアンティモン軍の手と足を縛って置かなければいけません。」
「ゲリラ部隊とアンチモン防衛軍の兵力比率が'1対6'へと拡大されました。 事実上アンチモン市民たちも敵と見なければならないが、このような不利な状況ではゲリラ戦を遂行することは難しいです。 兵力を増員してください。」
「戦闘兵だけを増員したらいいでしょうか。」
「これまで第3戦闘旅団はアンチモン中原にいる目標を攻撃したが、兵力が増員されれば、ゲリラ活動を南部地域まで拡大するつもりです。 敵軍を分散させてこそ、ゲリラ戦遂行が容易になります。 連合軍がバンヤクン(ディメリオン02國)とウィズモン(ディメリオン15國)を攻撃すれば、アンチモン同盟も瓦解するものです。」
「旅団長の意見に同意します。 すぐに連合軍にアンチモンの両同盟国を攻撃するよう指示して第3戦闘旅団に兵力を増員することです。」
私はまず、予備隊を動員して南部地域でもゲリラ戦を開始した。 中部地域でゲリラ戦を遂行する間、予備隊は、訓練を継続したため、これらの作戦遂行能力も信頼に値する。 南部海岸に散在した都市と産業施設が爆破されて物資流通が中断された。 ゲリラ活動が中部から南部地域に移っていく中で、アンチモン当局は慌てたようだ。
作戦局長は第4戦闘旅団兵力の半分を第3戦闘旅団に配属させ、国家連合軍2,000人を追加に配属させてくれた。 代わりに第4戦闘旅団の兵力欠損をアンチモン同盟に加わらなかったディメリオン諸国の国防軍で充員した。 軍団では電力が二倍に拡大された第3戦闘旅団を地上戦司令部の'特殊戦団'と命名した。 私はアンチモンの中部以南全域に対する特攻作戦を指揮する特戦団長になっており、予備隊と増兵を統合して第5、第6、第7、第8聯隊を創設した。 そして増強された4個聯隊についても、既存の4個聯隊のように戦闘地域を割り当てた。
「ここは旅団本部、第3戦闘旅団が地上戦司令部特殊戦団に拡大再編された。 特戦団長が各聯隊に命令を下達する。 第1、第2、第3、第4聯隊は、従来の任務を遂行しなさい。 第5、第6、第7、第8聯隊については以下のように任務を割り当てる。
第5聯隊は、アンチモンとウィズモン国境の都市と産業施設を攻撃して両国間の人的交流と物資の移動を遮断しなさい。 ウィズモンの国防軍と治安維持軍を奇襲して国家連合軍に対する攻撃を弱めて、市民に厭戦の雰囲気を拡散させなさい。 聯隊長は、通信セキュリティに万全を期して独自の偵察チームを運用して迅速に攻撃して撤退することで、味方被害を最小化すべきだ。
第6聯隊は、アンチモンの南西部海岸と内陸に位置した産業施設を破壊せよ。 交通∙通信∙情報網を遮断し、人的交流と物資の流通を阻止、治安維持部隊を攻撃しろ。 市民たちを相手に厭戦思想を鼓吹する心理戦も並行しなさい。 聯隊長は通信セキュリティに万全を期することだ。 独自の偵察チームを運用し、速やかに打って抜ける作戦を繰り返すことにより、味方被害を最小化すべきだ。
第7聯隊は、アンチモンとバンヤクン国境の都市と産業施設を破壊し、両国間の交通∙通信∙情報網を遮断しなさい。 バンヤクンの国防軍と治安維持軍部隊を攻撃し、市民たちを相手に心理戦を並行しなさい。 聯隊長は駐屯地の選定に慎重して通信セキュリティに万全を期することだ。
第8聯隊は、アンチモン南東部海岸と内陸に位置した産業施設と物流基地を爆破せよ。 交通∙通信∙情報網を遮断し、市民たちの厭戦思想を鼓吹しなさい。 聯隊長は駐屯地の選定に慎重して通信セキュリティに努めて味方被害を最小化すべきだ。 自主的に偵察チームを運用して迅速かつ果敢なゲリラ戦を遂行しなさい。」
これで特戦団のゲリラ戦の領域がアンチモン中部以南全域に拡大されてアンチモン同盟国も攻撃対象に含まれた。 アンチモンは、中部軍団を大幅に増強して、ゲリラ戦に対応しようとしたが、戦闘地域が 全国に拡大されると、戸惑いを隠せなかった。 アンチモン南部と国境地帯は相対的に対応が弱かった地域であるため、ゲリラ部隊の成果がはるかに目立った。
アンチモン当局は中原に出没したゲリラ部隊が外郭に移動したものと判断して中部軍団を分散させるだろう。 そうなれば、第3戦闘旅団の従来の4個聯隊が再び大手を振ることができる環境が造成されるだろう。




