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幽体離脱を通じて外界の惑星を旅行した人間の生存話


 第二十一話 グレー宇宙人の正体


 惑星に到着した後、私は宇宙探査本部地球局に引き継がれた。 宇宙探査本部は惑星シャトルが離着陸する宇宙船空港から遠くない。 グレーが私を本部に案内した。 私たちは陸上と空を運行するエアカーで移動した。 地球で開発中の飛行車(flying car)より車体が小さく構造もはるかにシンプルである。 人工衛星とコンピュータの助けを受け、自律的に走行するためだ。 グレーが乗車後、一度操作しただけなのに、エアカーは道路を走行したり、空中に浮揚した次の目的地に到着した。


 低木が生い茂った地上の景観が美しい。 惑星の植物も光合成作用を通じて、生命力を得るだろう。 あちこちに赤く黄色い点が見られる。おそらく花や果実である。森の中に道に見えて惑星人が散歩する姿も見られた。 私たちは、緑豊かな森の中に入って座った威厳のある建物に入った 。


 建物の屋根と壁を何の素材で作ったのか自然環境とよく似合う。 私は窓を通じて庭園と森が見えるスイートルームに案内された。 寒くも暑くもない室内には用途を知ることができない生活用品がきちんと整頓されている。 いくつかのグレーが無表情に私を迎えてくれる。最終目的地と思うから地球を去った後、最初に安堵感が感じられる。


 次の日私はジェティという名の若い惑星人を会った。 その女性は自分を宇宙探査本部の職員だと紹介し、この惑星で過ごす間、私の生活を支援すると述べた。 私は今まで無愛想なグレー宇宙人だけを相手にしたが、若やかな女性宇宙飛行士を主に相手にするようになって幸いだと思った。 この時からジェティと地球局に属したグレーらと交わりながら、知らない惑星での暮らしが始まった。


 今頃、地球ではどんなことが起こっているかな? 私の知人たちは何をしているだろうか。 コーヒー事業はうまく進行されているか? 私は地球村の事情を知らないが、この頃、ヒドゥン・バレークラブの会員たちはスラウェシ島で初めてカカオを収穫していた。 宇宙を管掌する絶対者がいるなら、ヒドゥン・バレークラブの活躍ぶりやグレーに変身して惑星に住んでいる私の姿を同時に観察しているはずだ。


 家族らが懐かしい。 賢智(ヒョンジ)は大学を卒業したはずだが何の仕事をしているだろう。 漢奎(ハンギュ)允希(ユンヒ)相浩(サンホ)は私を輪にして親交を維持したが、今もお互いに近いように暮らそうか? 彼らは私が魂拉致されたあと、外界の惑星に来たという事実を想像もできないだろう。 私がこんなになる運命ならば、允希(ユンヒ)と急いで結婚していないのが本当に幸いだ。 私が地球に帰還するとしても人間の体として戻るわけないから彼女は他の男に会って幸せに生きなければならない。


 私が宇宙人に拉致された瞬間漢奎(ハンギュ)がどのような災いに見舞われなかったか知りたいよ。 彼が私の拉致状況をまともに証言したかも気になる。 彼が宇宙人に一緒に拉致されていないことは明らかだ。 宇宙人は拉致の対象でない人たちには被害を与えないと聞いたが、独りで生き残った漢奎(ハンギュ)は心理的に大変な苦痛を経験したはずだ。 私が失踪した課程をきちんと釈明していなかったら、彼に数々の疑惑が溢れたことだ。 宇宙人に霊魂が拉致されたと強弁したとして誰が信じるだろうか? 純真な漢奎(ハンギュ)やつが苦境に陥らないことを切に願っている。


 漢奎(ハンギュ)まで問題が生じた場合、コーヒー豆事業は中断されたのだ。 嗜好品業種は競争がはげしくて経営陣が渾身の力を尽くしていなかったり、運が従わなければもたない。 漢奎(ハンギュ)が健在なら、長い間私と一緒に働いた経験を活用して事業を経営することができる。 ヒドゥン・バレークラブの会員たちと事業経験が多くの相浩(サンホ)が手伝ってあげると、彼はいかなる困難も乗り越えるだろう。 相浩(サンホ)さん、どうか漢奎(ハンギュ)を助けてくれ!


 UFO研究会の会員らが私の行方不明事件をどう思うかも気になる。 説明できない不思議なことが発生したら無条件に宇宙人と結び付ける金道秀(キム・ドス)総務は私が鷄龍市(ケリョンシ)に現れた宇宙人に連行されたと考えるかもしれない。 彼に私の経験談を聞かせるとUFOと宇宙人研究に大きな助けになるんだろうが、実に残念だ。 ジェティにお願いすると、メッセージを送ることができるか? 宇宙探査本部で、太陽系基地にそのようなメッセージを伝えるように命令すると、簡単に解決する問題だがジェティがそのような裁量権を持ったのか疑問だ。


 私はジェティに会うやいなや、ある惑星かと聞いた。 彼女は銀河系のはずれに属した'メリオン恒星系の五番目の惑星'と回答した。 太陽系から遠くないが、人類はまだ正体を把握しなかった惑星である。 私は、太陽系から近い宇宙空間に地球に似た惑星がいるという事実に驚いた。


 メリオン星を七つの岩石惑星と四つのガス惑星が公転するが、その大きさは太陽の1.2倍程度という。 メリオン恒星系は太陽系より10億年ぐらい前に生成され、五番目に遠いこの惑星にだけ知的生命体が住んでいるという。 ところで、この惑星に二種類の知的生命体が存在するというのか? 私はグレー宇宙人のの正体について尋ねた。


「ジェティ、グレーもあなたのように知的生命体で、どのように外見がそんなに違いますか?」


「グレーは我々の生命工学技術によって誕生した人工生命体たちだ。」


「新しい生命体を誕生させることは、創造主だけができるが、惑星で知的生命体を誕生させたと言うのですか。」


「地球人たちもさまざまな植物を接ぎ木して新しい種を作った。 虎とライオンを交配させてライガーを作ったこともある。 私たちもそんなふうにグレーを創造した。」


「それならグレー宇宙人は生きているロボットですね。 彼のように知的水準が高いロボットを作ったなんてこの惑星の技術水準がとても驚きですね。」


「最近のグレーらは機械ロボットとは全く異なる。 最初は彼らの能力があまりにもみすぼらしかったが、時間が経つにつれ改良された。 今は自ら機械ロボットを運用するほど能力が向上した。」


「それならグレイたちは、容姿だけが違うんですか。」


「惑星人とグレーの間には才能、瞬発力、感情表出能力などでも大きな違いがある。」


 空飛ぶ円盤の中で出会ったグレーがなぜそんなに無表情したのか今はわかるようだ。 私が怒りと挫折感のために大声を叫びながら、質問を浴びせたが、彼らは反応がなかった。 グレイは感情表出もできなかったから私の口から怒りと挫折感がまともに表出されなかったのだ。 彼らが私の心を把握したとしても、彼らも反応が制約されたのだ。 グレイは驚いたり喜んだり怒ったり感謝することができない存在であるようだ。


 そして非常に奇形的な外見にパワーもなさそうなグレー宇宙人たちが先端技術で武装したまま、地球の上空を飛び回って通っている理由も今は分かるようになった。 人間のように美しい容貌と優秀な頭脳を持つ惑星人が彼らを背後からロボットのように操縦するという事実に気付いたのだ。


 生きているロボットであるグレーは人間のように息をして、考えながら、複雑な機械と装備を取り扱っているが、実は奴隷や他ならない。 地球では邪悪な白人たちがアフリカの黒人らを拉致して動物のように扱い、仕事をさせた。 しかし、黒人奴隷らは、肌の色が違って文明が遅れただけで、同じ人間だ。 一方、グレイは惑星人と本質的に他の種だ。 グレーらは惑星人の代わりに汚いこと、大変なこと、危険なことを引き受けて処理する人工生命体としてどんな仕事をやらせても不平したり、反抗しないだろう。


 その中でも私が相手にしたグレーらは太陽系探査を担当する特別なロボットたちだ。 他の惑星への旅行は多くの危険がよって時間も長くかかる。 そのような探査活動に乗り出そうとする惑星人がなければ、無人宇宙船やグレーを送るしかない。 宇宙旅行は、人間だけでなく、宇宙人にもきつく、危険だろう。 そのために超高速宇宙旅行に適合するだけでなく、ワームホールでも耐えられる特別なグレーを創造したのだ。


 人間世界でもロボットと人工知能の役割が大きくなっている。 米国では無人兵器が現役軍を代わりにし始めた。 ドローン、ロボットや人工知能分野が発展した結果だ。 そして多くの職種が自動化されて人間の雇用がロボットに移転されている。 今世紀後半には多くの専門職業務でも人工知能ロボットが人間を代わるものだ。 その頃には、雇用を奪われた労働者の生計は誰が責任を負うか知りたい。


 メリオン惑星では、かなり前に、そのような過程を経験したはずだ。 惑星であるがしたことを自動化機器とロボットが代わりにしてグレーが産業活動を主導する世の中になった。 それなら惑星人は何の仕事をしているだろう。 太陽系探査はグレーが主導しているが、宇宙探査本部では惑星人が中心的役割を果たしているようだ。 このような現象は地球村にも適用されるだろう。 人工知能の時代にも、人間の役割は残っているという意味だ。


 宇宙人目撃談の中には人間に似たブロンドのエイリアンに会ったという主張も含まれている。 彼らはロボットではなく本当の異星人だったのだ。 他の惑星では、宇宙人が直接太陽系を探査しているという意味だ。 その宇宙人たちはメリオン惑星よりもリードした宇宙旅行技術を持っていたのかもしれない。


「太陽系を探査するグレーがロボットとは大したものです。 ロボットにそんなに重要なことを預けられますか?」


「創始期には惑星人が直接太陽系を探査した。 今も宇宙人を養成する惑星人訓練システムが存在するが、申請者がいない。」


「その理由が何ですか。」


「創始期には我々の惑星と似たような地球に関して興味を感じる惑星人が多かった。 しかし、今は太陽系について多くの事実が知られ、惑星人の関心が減った。 そして宇宙旅行が危険で時間があまりにもたくさんかかるため、志願者が完全に消えた。」


「グレーらは惑星人のように探査の業務をうまく遂行しますか?」


「グレーらは惑星人がやっていた事を踏襲しており、単純で反復的なことは惑星人よりもうまく遂行する。」


「メリオン惑星には、他の仕事を遂行するグレーも多いでしょう。」


「もちろんだ。 単純な作業からシステムを統制する複雑な業務まで彼らの業務はとても多様だ。」


「彼らの寿命はどれくらいですか? 惑星人より短いですよね?」


「惑星人の最大寿命は150年だ。 メリオン惑星の公転周期が地球の二倍だから地球の歳では最長300年まで生存できるが、その大半は250歳まで住んでいる。 生命工学技術を利用して寿命を無限に延長できるが、そのように寿命を伸ばす惑星人はない。 グレイは100年程度活用されるが、身体組織を再生したり、移植させれば、いくらでも寿命を延長することができる。」


「惑星にはグレーがどれだけ多いですか。 彼らは形態がいずれも似てますか?」


「継続して新しいグレーが誕生して老けたグレーが死亡したり、廃棄処分されるために正確な数字はわからない。 惑星人の数より少なくないだろう。 グレイは遂行する業務によって、才能と技術はもちろん、大きさや形が違う。」


「グレーをなぜそんなに小さくて見る影もなく作りましたか。」


「グレイは業務に特化した体を持っている。 宇宙探査に向けては体が小さくて軽いなければならない。 惑星にある他のグレーも大変なことは機械に任せるために力が強く必要がない。 しかし、家政婦と伴侶として活用するために特別注文したグレイらは美しい容姿と繊細な感性を持っている。」


 私はグレーの正体を完全に把握した。 私の体が変わった事実を接した瞬間、大きく驚いて言えない憤りがこみ上げてきたが、その感情が外に表出されていないのもグレーの体がそんなに設計されたためだ。 今も心の中では感情を込めて質問を投げているが、口からは無味乾燥な機械音が出てくるかもしれない。 私は感情表現という側面では獣よりも劣等な生命体になった。


「ジェティは私がグレーの体に変わったが、人間の魂を持っているという事実を知っていますか.」


「そうだ。 本来の姿も見た。 あなたは他のグレーと違って、人間の魂、性格、知的能力をそのまま持っている。」


 グレーの身となったのは悲しいがジェティが私を人間として認めてくれたら幸いだ。 人間の体は長距離の宇宙旅行に不適合だという話を聞いたから私をグレー宇宙人に変身させた彼らの行動を肯定的に受け入れなければならない。 惑星人は特別な役割を任せようと私を拉致したのだ。 ジェティは惑星人に劣らず美しい地球人に好感を持っているようだ。 この惑星に他の人間が拉致されてきたかもしれない。 私の前にはどんな未来が待っているのだろうか。


 メリオン惑星は地球より明るい。 太陽より大きい星が光を放出するために惑星の昼がさらに明るくて銀河の中心にもっと近いからに夜にも地球よりさらに明るい。 メリオン惑星の衛星は地球の月と大きさが似ているという。 この月が星とともに惑星の夜をもっと明るくしている。


 惑星人は太陽系が20光年、地球基準で40光年しか離れなくて地球を早く発見することができた。 彼らはメリオン星に似たような太陽を兄弟別として考えており、地球を兄弟惑星と考えたという。 ジェティが聞かせてくれる物語は、地球の天文学者らに全く知られていない内容だ。


「地球ではメリオン系について何も分からないが、惑星人は太陽系について詳しくわかるのね。」


「私たちの先祖らは、かなり前から太陽系を観察した。 博物館には、これまでの探査資料が置かれており、太陽系の天体たちと人間世界に対する探査は今も続いている。」


「人間は火星に生命体が存在するか関心が多いです。 メリオン惑星にそのような情報がありますか?」


「火星に知的生命体が暮らしていたのは明らかだ。 火星が不毛の地に変わった後、惑星の探査隊がそこを訪問し、太陽系探査機地として活用したことがある。」


「火星が今のように不毛の地になった理由は何でしょうか?」


「火星で電磁気力が消えた。 大気と液体状態の水も消えた。 その結果、宇宙光線が火星の表面に殺到し、生命体が生息できない天体になった。」


「地球人たちは火星で生命体が消えて不毛の地になったのを残念に思います。」


「天体と生命体は属性が似ている。 数多くの天体たちが類似した過程を経て誕生しているが、外部条件によって様々な形に変貌される。 最初に火だるまのように熱かった天体たちは徐々に冷えて地球に似たような岩石惑星になったり、ガス惑星になる。 その天体たちの一部は知的生命体が生きられる条件を持つ。 しかし、地球型惑星も長い時間が過ぎれば、荒涼とした天体に変わったり消滅してしまう。」


「太陽系の周辺に知的生命体が住む惑星がまたありますか?」


「我々銀河の中心から二万光年以上離れたはずれに数十億個の惑星があるから知的生命体が暮らすだけの惑星の数も数千個に達するものだ。 太陽系付近に生命体が住む惑星が多数だが、いずれも知的水準が低い生命体たちだ。」


「あなたたちは太陽系の外にある天体たちも探査しましたか? その天体たちで知的生命体を発見しましたか?」


「生命体が存在する天体は多かったが、人間や惑星人水準の知的生命体は発見できなかった。」


「地球で怪物の形で目撃された宇宙人の正体は何ですか?」


「私たちも知らない生命体である。」


 メリオン系には、微生物水準の生命体が存在する天体が多いが、知的生命体が住んでいる天体はメアリーきた5惑星だけだという。 メアリーきた5惑星の人口は50億人程度と数千年の間、この水準を安定的に維持した。 そして似ている数字のグレーが存在する。 惑星人は生命工学技術を利用して寿命を延長させており、適正人口を維持した。 生命工学技術だけでなく、宇宙探査技術も発展したために数十万年前から宇宙探査を行うことができた。


 メリオン星は太陽と似ており、メリオン5惑星は地球と似ている。 惑星表面の60%は水と氷によって覆われており、陸地の60パーセントは木と森によって覆われている。 惑星は残りの40%の土地に食用作物を栽培し、都市と村落など生活基盤を建設した。 惑星の大気、降雨量と気温も地球と似ている。


 しかし、メリオン5惑星の重力は地球より1.5倍に達する。 そのため、地球では80kgだった私の体がここに来たら120kgに増えるものだ。 逆に惑星の成人の平均体重は70kg前後であるため地球に行けば50kg未満に減少するものだ。 惑星人は重力を考慮して体格をスリムに変貌させ、グレーの体格も小さくしたのだ。


 地球の生命工学者らは太陽系外惑星の生命体たちが地球生命体と完全に違うだろうと主張した。 しかし、地球とメリオン惑星の生命体の中には似たような特徴を持つ種が少なくないという。 太陽系とメリオン恒星系がほぼ同じ時期に、同様の成分を持つ宇宙埃の中で誕生したためだろう。 40光年離れたところは広大な宇宙空間から至近と見なければならない。 二つの恒星系に属する惑星の化学的成分が似ているならば、その恒星系に属する惑星の生態系と生命体たちも似ていることができる。


 地球型惑星が近くにいれば生命体の交流可能性が大きくなる。 古代宇宙人研究家らは、かなり前から地球を訪問した宇宙人の痕跡を提示する。 彼らは人類より優越な技術を持った宇宙人が遺伝子操作を通じて人間の進化過程に介入したと主張する。 これは近い宇宙空間に高等生命体が住む地球型惑星が存在し、その惑星の生命工学技術が地球に伝播されたことを意味する。 このためにメリオン惑星と地球の生物体が類似性を見えるのかもしれない。


「地球には宇宙人の跡と見られる遺物が多いです。 体格が大きな巨人たちが宇宙船同様の装備を利用して地上に降りてきたという記録もあります。 彼らのうちのメリオン惑星の探検家たちが含まれていますか?」


「昔の惑星人は今の惑星人より体格が大きかった。 古代に惑星人が地球を訪問したのは事実だが、他の惑星の生命体である可能性もある。」


 私は惑星に到着して以来、生活が安定した。 地球局に属したホワイト惑星人とグレー宇宙人たちと交流しながら、日々満足に生活している。 私は、容貌が似たようなグレーと隔てなく過ごしているが、惑星に関する疑問は主にジェティとの対話を通じて解消する。 メリオン5惑星の自然環境は室内でも観察できる。 山川の姿は、地球と似ているが、木や花は慣れていない。 グレーが空を飛ぶ鳥たちと地上の動物に関して熱心に説明するが、簡単に理解されなかった。


 惑星人は事務的、機械的にグレー宇宙人を相対する。 彼らの名前も惑星人が呼びやすいように作った。 惑星人は地球の人間たちのように固有の名前を持っているが、グレイらは、商品の固有番号のように所属及び番号で区分する。 私は2人のグレーと親しく過ごす。 彼らはミューズ18とミューズ117だ。 ミューズは、所属と機能を示して、数字は宇宙探査本部に配置された手順を意味する。


「グレーらは惑星人を何と呼びますか?」


「彼らはそれぞれ名前があります。 惑星人を一般的に名指しする時はホワイトと呼びます。 肌の色が白いために。」


「私が会ったグレーたちはみんな男たちだったが、女子グレーもありますか。」


「もちろんです。 女性グレーがもっといろんな所もあります。」


「女グレーはどこで、何の仕事をしますか?」


「女子ホワイトらが多いところに主に配備されています。」


「グレーも男女間の性的な結びで子供を産みますか?」


「もちろんです。 しかし、ホワイトが研究室でグレーを誕生させたりします。」


「ミューズ18は親の間に生まれましたか」


「そうです。 しかし、グレーを専門的に養成する所で生活しながらトレーニングを受けたんです。」


「あなたは両親と一緒に暮らしていないですね。 彼らはどこで居住していますか? お互いに連絡しながら過ごしますか?」


「宇宙探査本部のどこかで働いているでしょう。 長く前に別れた後会ったことがありません。」


「グレーらはホワイトをどう思いますか?」


「彼らはこの惑星で、ずっと前から生きてきた生命体で私たちは彼らによって創造された人工生命体です。」


「ホワイトを羨んだり、彼らと争わないですか?」


「ホワイトらとわれわれは考えが違うだけでなく、生活方式も違います。 うらやましがる理由もなく、争うこともありません。」


「ホワイトがあなたたちに仕事をさせるのに何の不満がありませんか?」


「私達はそんなことをするように生まれました。 無理な仕事をさせないから不満が生じる余地がありません。」


「惑星人の魂や他の天体で生きた魂を持つグレーがありますか?」


「確かではないが、ホワイトらは多様な実験を通して、新しい生命を誕生させて事故で死んだ惑星人の魂を再生させるという話を聞きました。 あなたのようにグレーの体の中に他の生命体の魂が入っているグレーもあるでしょう。」


 グレーのうちに事故で死亡した惑星人の魂が入っているグレーが存在するかもしれない。 地球では有名な科学者や芸術家たちが若い時に死亡すれば、それこそ大きな損失だが、この惑星では、対応策を用意したのだ。 普通の惑星人は死亡と同時に頭脳機能と知的財産が消滅するが、保存価値のある惑星人の頭脳機能と知的財産はグレーに誕生させ、保存するかもしれない。


 私の魂をグレーの体に移植したのも地球人の経験と能力を活用するためである。 私にどのような役割が与えられるか気になる。 ジェティは知っているか? ミューズ18をはじめとするグレー宇宙人たちはすべての事実を私に隠していないのに私がこれから何をするかは分からないと話した。 太陽系基地で会ったグレーらは母惑星の事情をよく知らずに、地球局のグレーらは宇宙探査本部の外の事についてよく分からない。


 私は惑星人が、どう生きているのか気になる。 彼らは何を食べているのか、日常生活や家族関係はどうなのか知りたい。 私は、グレーらと一緒に一日に一度ずつ調合されたメニューで食事を済ませながら、少量の飲料を飲む。 まるで機械や自動車に燃料を注入し、たまにかすをろ過するやり方だ。 しかし、惑星人は他の食べ物を食べながら、人間のように食道楽を楽しむのだ。 私はまだジェティがご飯を食べて排泄する姿を見たことがない。


 地球局室内で退屈さに疲れていたある日、ジェティは、太陽系歴史博物館に対する話を切り出した。 そこには太陽系と地球を探査した資料が展示されているとした。 太陽系博物館があれば、他の恒星系博物館もあるだろう。 ジェティは、いくつかの宇宙博物館があるが、規模と内容の面で、太陽系博物館が一番豊かと話した。 惑星人が太陽系博物館を重視する理由はまさに地球と人間の世界に対する高い関心のためだろう。


 数日後私はジェティとともに、太陽系歴史博物館を訪問した。 ジェティはしばしばその博物館を訪れ、資料をアップデートして惑星人の関心事をチェックする。 ジェティが太陽系歴史博物館に出張に行きながら私を連れて行ったが、私はそこで受けた衝撃を永遠に忘れられないことだ。 そこに展示された太陽系天体たちの模型があまりにも事実的で私が知っていたことよりはるかに詳しくたためだ。


 太陽系室には赤々と燃える太陽と惑星の縮小された模型が展示されているが、地球で写真で見た姿と似ていた。 太陽の周囲を公転する四つの岩石惑星と四つのガス惑星、そして惑星の周囲を回る多くの衛星が虚空で公転と自転をする姿は壮観だった。 私が知らない衛星も多かった。 その衛星のうち、どこかに私が訪問した太陽系基地があるだろう。


 この日は太陽系室だけ見て出るしかなかった。 ジェティの出張業務が短く終わったから地球室には入ることもできなかった。 そこにはこれまで収集した地球環境と人間世界に関する資料が展示されているという。 惑星人は、長年にわたって様々な情報を収集したのだ。 その中に古代の地球の様子、絶滅した動物たちの模型、人類の歴史を復元できる証拠資料が保存されているのか分からない。 私は、そんな資料を通じて地球の過去に時間旅行に出ることができる。


「ジェティ、太陽系博物館にどのような資料があるのか知りたいですね。 地球人に知られていない情報が多いと考えます。」


「太陽系と人間の世界に対する資料が膨大だ。」


「惑星では、いつから地球を訪問したのですか.」


「20万年前ぐらいだ。 当時、メリオンの惑星と似た環境を持った地球を初めて発見することにより、地球探査ブームが起きた 。」


 人間は5千年の歴史も十分に把握していない。 エジプトのピラミッドは4千5百年前に建設されたものと推定されるが、万年前に建設されたと主張する学者もいる。 古代人類はどう生きたか? 不思議な古代遺跡はある時期に作られたのだろうか? その当時の人類は原始的な生活をしたものと推定されるが高度に発達した未知の文明が共存したかもしれない。 確実な記録が存在しない古代史を地球村考古学者や歴史学者より惑星人がもっとよく知っているかもしれない。 今後、地球室内部を詳しく調べると、余白と残った人類の歴史を復元できることだ。


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