幽体離脱を通じて外界の惑星を旅行した人間の生存話
第二話 有眞の前世痛
私は、允希と会うことに約束したカフェへと向った。 彼女は有眞の仕事をどのように処理するかについて良いアイデアを出すことだ。 他人の幼い娘を正当な理由なくの青年が連れていれば、ややもすれば誤解を招く。 家族らが誤解するば、有眞が私を擁護しても困った状況に陥りかねない。 最近、利にさとく悪徳な人がどれほど多いか。
私が、允希を介入させることは彼女の助けが必要だが、万一の場合に備えるためである。 大きなお姉さんのような女性が助けるなら、有眞の家族たちが信じて疑わないはずで、私の行為について善意で受け入れるだろう。 允希はこのようなことに喜んで介入する人物だ。 漢奎も事情を知るようになると、助けようと乗り出すだろう。
成允希は大学時代、海外旅行を一緒にした縁で、今まで親しく過ごす。 その時参加したメンバーたちが、ヒドゥン・バレークラブという奉仕活動団体を作ったが、そのことにも熱心だ。 私より三歳年下の允希は女性より男性ともっと似合う。 近くの男たちはお兄さんでなければ弟と呼び、心おきなく接している。 同い年のハンギュと話をする時は敬称を省略してとても親しい友達のように相対する。 私と付き合ってからかなり経ったが、まだ結婚相手に決まったものではない。 ろくな仕事を持たない私の立場がこれ以上の進展を阻止している。
私は允希を待つ間、有眞に詳しい事情を尋ねた。 允希の助けを求めるためには、私が先に詳しい事情を知らなければならない。 前世の記憶のために 現生に苦痛を受けているなら 当然心理学者や精神科医者に治療を受けなければならない。 そして家族たちが出て仕事を処理しなければならない。 有眞の事情はそれが難しいの?
「私はとても幼い頃から病気が多かったです。 友達に比べて体格も小さいです。 小学校1年生の時動物園に行ったとき虎を見てあまり驚いて気絶しました。 その時父が私を病院に連れて行ったが病院では何の異常がないと話したが、私は体が楽ではありませんでした。」
「容易に驚いた体質なようだな。」
「その後も私は頻繁に痛かったです。 学校に欠席する日も多く、3年生の時はひどくて一年を休みました。」
「病院に続いて通ってるでしょう。 医者は何としたの?」
「原因がわからないと言いました。 体が正常だが、なぜ痛いとしているのか分からないということです。 後に父は私を催眠術師に連れて行きました。」
「その人が前世について話したようだな。」
「そうです。 私が前世に金華永という女だそうです。 催眠術師に会った後から体がやや改善されたが、昔にあったことが夢によく現われます。」
「それで昔のことを詳しく知りたいの? 今は一生懸命に勉強する時なのに。」
「昼にも夢で見た場面が浮上して勉強に集中することができません。」
「金華永が何かを切に望んでいるようだね。」
「私はその理由が分からないです。」
「催眠術師から どんな治療を受けたの?」
「前世の話ばかり聞いたようです。 むしろ前世の女がどうなったのか疑惑だけを大きくなりました。」
「それでは、あなたのお父さんとお母さんに詳しく話して薬を飲むか他の方法を探すべきである。」
「両親はあまり関心がないようです。」
「前世の問題で娘が不安なのに気を使わないと?」
「前世の話や金華永という名前を嫌っています。 前世は重要ではないとしながら勉強も一生懸命しと言います。」
「それであなた一人で解決しようとしているのか。北村に行けば、華永の跡があると信じながら。」
その時ちょうど允希が店に入ってきた。 私と有眞を交互に見て私に聞く。
「何があるの? この少女は誰か?」
「私も今日初めて会った。 全羅道の益山からやたらに上京したが、特異な事情があるようだ。」
「この少女のために会おうとしましたか。 私が介入しなければならない理由がありますか?」
「私が状況を説明してあげるから、可能すれば役を与えなさい。 あなたはできないことがないだろ。」
「何だよ。」
「この子が前世の記憶のために苦しんでいる。」
「前世のことなら、巫女や精神科医者から治療を受けるべきだのになぜ私に助けを求めるのですか? 」
有眞にはソウルの事情をよく知っているお姉さんだとし、允希を紹介してくれたし、允希には有眞がソウルに来た事情を聞かせた。 そして、私と一緒に子供に助けを与えるのがいいとお願いした。 おとなしく聞いていた允希も心が引かれるような姿だ。
「初めて見た子供だが、事情が変わってるね。 同じ女性の立場から有眞が誤った道に陥るか分からないのに見ぬふりをしてことはできない。 私がどのように助けなければならないかな?」
「北村に関連された書籍や朝鮮時代の歴史を探って金華永という人物を探したらいいのに。」
「宮中女人や文人、またはセンセーションを巻き起こした女性に該当されなければ、記録があるはずがない。」
事実、朝鮮時代の記録が豊富だが、女性らに関連された話は珍しい。 申師任堂や許蘭雪軒のような文人たちや王のそばを守っていた宮殿の女性たち、そしてセックススキャンダルを起こした特別な女性たちの記録は残っているが、平凡な女性たちに関する記録は珍しい。 有眞を援助しようとしても簡単ではなさそうだ。
「有眞が言葉なしに上京したなら、家族たちに先に知らせるべきではないかな?」
「そうだ。 子供が今日の夜に入らなければ家族たちが心配することだ。」
「あなたが連れている間、警察に通報したら困ることができるだろう。」
「有眞ちゃん、あなたを助けたいが、まずはお姉さんが言ったように、あなたのご両親を安心させなければならない。」
「両親はすぐ家に来るように言うでしょうが。」
「警察に失踪届けでもしたら私たちは何も遂行することができない。 私はあなたを隠したと罰を受ける可能性もあり。」
「……」
「そして父にあなたの前世に関する詳しい話を聞いてみるのがよさそうだ。 父の名前と電話番号がどうなるの?」
彼女も納得しているようだ。 警察に引き継がれて家に帰ったら父にメチャクチャ怒られて家族たちから、監視を受けるだろう。 彼女は私たちがすぐに家族に返さないと約束すると、父の電話番号を教えてくれた。 允希は有眞の安否を伝えた後、明日の朝、 彼女の家を直接訪問して詳しい話を聞くように勧める。
「有眞の父親が子供の前世について詳しく知っているはずだから、あなたが直接会ってみたほうがいいだろう。」
「そうだ。 電話で詳しい内容についてを言うのは困難するだろう。」
「信頼ができないと、有眞を迎えに来るはずだ。」
「今すぐ電話して明日訪ねると述べなければならない。」
私は朴奉軾さんに電話をかけ、娘に会った状況を話してくれて明日直接尋ねると話した。 有眞にも電話を変えてくれながら確認させた。 私が直接訪ねて行くとしたから家族たちも安心するのだ。 私は有眞に約束を受けた。
「有眞ちゃん、金華永という女性がどのように生きたのかを調べた後には結果がどうであれ、自宅に帰らなければならない。 ソウルは悪い人たちが多くてあなたのように、幼い子供が一人で彷徨すると、誤った道に陥りやすい。」
「分かりました。 必ずそうします。」
「ソウルに泊まるところがなければ私の家や、このお姉ちゃんの家で止まらなければならない。 どちらが良いの?」
「どうでもいいです。」
私は姉の娘が今年春、ソウル近郊の大学に入学したために部屋が二つの小さなマンションを賃貸して一緒に住んでおり、允希は一人で自炊している。 有眞がどちらにいってもよい。 しかし、允希は自分が出勤すると、彼女を見守る人がいないから私の家に連れていくと言う。 私の姪である賢智が有眞と年の差が大きくないのでよく似合うと言いながら。 兄弟のいない一人娘で孤独に育った賢智は幼い時から他人の家の子供やペットを好きたから有眞と一緒に過ごすことを嫌いじゃないだろう。 允希と別れた私は子供と一緒に家に向かった。
翌日, 私は高速バスに乗って益山に行った。 有眞の家は市内でかなり離れたところで、新兵訓練所がある演武台からそれほど離れていない。 田では 稲が育って、特用作物を栽培するビニールハウスも多かった。 朴奉軾さんは嬉しくあいさつをしながら私を自分の家に案内した。 畑で仕事をしていたが、私が到着する時間になって、家に戻ってきたと話した。 有眞の母も心配になったのか席を共にした。
「有眞は昨日の夜私の家で寝ました。 今年に大学に入った私の姪と一緒にいます。」
「昨日、先生の電話をもらって安心したが、何の縁故もない子供に助けをいただき、ありがとうございます。 そして失礼です。」
「どういたしまして。 私の姪も一人娘なので孤独に育ちました。 有眞に会ったことをとても好きでした。」
「とにかくありがとうございます。 この恩は忘れません。」
「負担持たないでください。 食べて生きにくい立場もなくて私が好きでやることです。」
「私たちの家の事情が難しくないていじめる家族もないのに、なぜこっそり家を出たのか分かりません。」
「自分の仕事だから自分が解決しなければならないと思ったみたいですね。 子供が北村がどこかと聞かれたので私が理由を尋ねました。 前世の話をしながら、そこを訪問すると、心が楽になるだろうと言いました。 子供を一人で行かせると危険なので私と私の女友達が助けるとしました。 しかし、家族たちが同意し、助けてくれなければなりません。」
「ありがとうございます。 私がすべきことがあるならばどんな事でもします。」
「先に有眞がなぜ不安しているのか知りたいですね。」
「幼い頃から体が丈夫でなくたが、病院では何の問題がないと言いました。 私たちも有眞がどうして彼のように不安しているのか理由が分からないです。」
「もしかして幼い頃に大きく驚いたり、ひどく患ったことがありますか。」
「赤ちゃんのときから体が弱くし、よく病気にかかったが、よく育ちました。 幼い時恐ろしい動物の絵を見れば驚くことはしたが、女の子が気が弱くてそうすると思いました。 ところで小学校1年生の時、初めてエバーランドに連れて行ったが、虎を見てとても驚いてるんです。 サファリツアー中に虎が窓に顔を突きつけた瞬間、気を失ったです。 他の子供たちはいずれも問題なさそうだったが、有眞が一人だけ驚いて倒れて冷や汗を流しました。 驚いた職員が医務室に連れて行ったがしばらくぶりに覚めました。」
「その後はどうでしたか?」
「朝に目が覚めれば頭が痛いとして勉強に集中できないとしました。 よく病気を患っていたが、病院では大きな問題がいないと言いました。」
「それで催眠術師に連れて行ったのですね。」
「そうです。 子供が病気だそうだが、一般病院では原因がわからないというから、私たちは催眠療法に依存することにしました。」
「そこで、有眞の前世に関する話を聞いたんですか?」
「最初は催眠療法師が病気を治療することができるだろうか 疑って、ためらいました。 ところが、西洋では催眠術を大学で教えて医学や心理治療に広く活用するそうです。 世界保健機関でも公式的に認定する治療方法という言葉を聞いて娘を連れて行きましたね。 催眠術師の話では、有眞が300年前に慶尚道、安東で住んでいた金華永という女だそうです。 その言葉を信じなければならないかわかりません。」
「前世に関する話はとても多く、しばしば前世をはっきり覚えている子供が現れ、話題になったりするから根拠のない話ではないはずです。」
催眠療法の施術者らは催眠状態や超意識状態にある人の心を通じて、霊的世界を見ながら、その魂が過去に他の体によって生きた前世まで明らかにできると主張する。 輪廻説を信じている人は今まで生きた人間の多くは輪廻を通じて転生した人たちなので地球に生きた人々の数字がすぐ魂の数字を意味するのではないと言う。 人間が生まれるたびに新たな魂が生まれるのではなく、同じ魂が繰り返して新たな人間に転生したということだ。
2014年の世界人口は71億人程度だが、これまで地球上に生きた人間の数字はどのぐらいだろう? 人口統計学者たちの推計結果が異なるほか、信頼性も低いが、大体500億から850億人程度だと話している。 地球上で人間がいつから生存しているかさえ分からない状況で信頼度が高い推定値を打ち出すわけにはいかないだろう。 人間と類人猿の中間ぐらいに思われていた北京原人やネアンデルタール人など古代人類も人間に含ませたのだろうか。 彼らも人間の魂を持っているから、当然人間の範疇に含めなければならず、その場合、地球上に生きた人間の数字は推定値よりはるかに多いかもしれない。
輪廻説を受け入れない人もいる。 鬼を信じる人がいて、信じない人がいるように前世を認める者もいて否定する人もいる。 しかし、前世を記憶する人々が存在するという事実も否定できない。 自分が訪問したことのない所で発生した現象を実際見たように正確に証言する人たちはすぐに前世を記憶する人たちだ。 転生説は科学的に証明できない領域に属するが、これを事実として受け入れる、医師や科学者たちが少なくない。
転生の研究者たちは地球上に魂が転生する頻度が徐々に加速と言う。 古代には平均500年ぶりに一度ずつ転生したと主張する。 おそらく中世のルネサンス時代に生存した人々の中には、古代にアテネで生きた人間の魂を所有していた人たちが含まれているのか分からない。 しかし、次第に転生の期間が短くなって中世には平均200年に一度ずつ転生し、20世紀に入っては100年以内に転生する場合も多いという。 このように転生が頻繁になっているのは、文明が発達して食べ物が豊かになったためだという。 魂も生活が便利なところを選択するというのか?
彼らは、環境破壊、土質の悪化、砂漠化などが持続されて暮らしが大変になると魂の転生頻度が減ると予想しており、そうなれば、地球の人口が減少すると主張する。 魂は、他の惑星でも輪廻転生できるので生存環境が悪化すれば、あえて地球に転生しないということだ。 魂が経済状況と生活環境によって転生するところを選定するという主張は実に人間中心の魂思想である。 このような思想を受け入れる人がどれほどいるだろうか?
環境破壊がひどくなると、いつか地球上で人間が消えるかもしれない。 魂の転生が終わった地球は火星のように変貌するだろうか。 地球の年齢は46億年であり、太陽系で地球と最も類似した火星も、同じ時期に誕生したという。 その火星で数百万年前に水が存在したという痕跡が発見された。 多分その当時には、火星に高等生命体が存在したのかもしれない。 火星はどうして不毛地に変わったのか気になる。
地球が生命体が暮らすのに適した環境を持つようになったのはわずか数億年前だ。 それ以前の地区は、他の岩石惑星のようにかなり寒々とした姿だったと推定される。 今後、砂漠化が続いたり、彗星衝突のような災いが発生すれば、地球が火星のように、人間が住めない惑星に変わりかねない。 その頃には、転生を望む魂はある惑星に向かうのか注目される。
とにかく一つの魂が300年ぶりに地球に転生した。 その魂は、朴氏の家柄の娘で生まれ、私自身とも縁につながった。 人間関係が無作為的に決定されるように見えるが、その背後には必ず何らかの因果関係が存在することだ。 そんな因果関係を説明する道具として前世の縁を言及する人たちが多い。 私も前世に金華永の周辺を回っていた人なのか? 朴奉軾さんの言葉が続く。
「私が有眞を連れて三日に一度ずつ催眠術師を訪ねたんです。 20日くらい過ぎた時彼の診断が出ました。 前世の金華永という女性が虎のために不運な人生を生きたという話でした。 有眞がその女性の虎患を記憶し、苦しんでと言いました。」
「有眞が苦しんでいる理由は明らかになりましたね。」
「はい。 金華永という女性が受けた虎患のために 現生の娘も虎を怖がるということです。」
「子供の心的不安が前世から始まったのが間違いないですね。 催眠術師は原因ばかり話して別に処方はありませんでしたか?」
「そうです。 特別な処方はなかったです。 気持ちが安らかな環境を作ってくれて現在の生活を楽しむように家族たちが助けなければならないと言いました。」
「その後に有眞の症状はよくなりましたか」
「有眞の気持ちが安らかな環境を作るために一所懸命に努力したが、子供は依然、心が不安です。 私は理由が分からないです。」
催眠術師は有眞がしばしば、驚かされ、苦しめられることが前世の金華永が受けた虎患のためだと推理した。 有眞が北村を訪れる目的は何だろうか。 朝鮮時代には虎が多いので 宮殿から近い北漢山にも虎が生息したかもしれない。 でも両班(貴族)らが集団で居住していた北村までトラが下りてきたはずがない。
だから子どもが北村を訪問しようとする理由は虎と直接関連がないだろう。 前世の金華永は慶尚道で生きた女性だが、ソウルの北村とどんな縁があったはずだ。 間違いなく痛い思い出があったため、現生の有眞が煩うことだ。 催眠療法師が明らかにしたという前世を詳しく知ってこそ、彼女が北村を訪問しようとする理由 を知ることができる。 私は朴奉軾氏に有眞の前世の話、つまり朝鮮時代の金華永という女性の話を詳しく聞かせてくれることを要求した。
「私が催眠術師から聞いた有眞の前世の話をそのまま伝えします。」