033 あるだろうと思ってはいたけれど……
(改)は、ホースがホークになっていたところの修正 orz すまぬ。
まてまてまてまて。魔物に加護って与えられるのか?
しかも名前をつけて肉を食わしただけって、いくらなんでもチョロすぎないか?
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クロ (4) lv.8 (バトルホース)
HP:1,681/1,681
MP: 484/ 484
SP:32
言語理解 ■■□□□ □□□□□
カール=リフトハウスの加護
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……本当に付いてるよ、加護。
じゃあ、スキルも操作できるのか。
空飛んだりできるスキルがないかなー、なんてつらつらーっとスキルを送っていた手がぴたりと止まった。
「人化」
あるだろうとは思ったけれど、本当にあるとは……
「ハロルドさん」
「ん?」
リンドブルムの肉をカットして食べながら、果実酒を幸せそうに飲んでいる。すっかりお気に入りですね。一体いつの間にとってきたんだ。
「バトルホースって、人化するんですか?」
「人化~? ドラゴンみたいな高位の魔物ならするみたいだが、それなりに高位とはいえバトルホースのは聞いたことがないが……。とはいえ、魔物はレベルが上がると何が起こるかわからんからな、もしかしたらあるのかもな」
「しかし、そんな高位の魔物を、よく馴致できたりするものですね」
「なんでも凄い食いしん坊で、うまい餌につられて言うことを聞くようになるらしいぞ」
原因はそれか! ちょろい、ちょろ過ぎるぞ、バトルホース。
しかし人化ね。はー、これはあのパターンだろうな。
「リーナ。クロって、もしかして雌か?」
「はい、そうなのです」
やっぱり……
「お前、人になってみたいか?」
「ぶるるるる……」
何か考えてるみたいに首をかしげていたが、しばらくしてリーナと話?をしに行くと、その後、猛然とダッシュして来て、ブンブン首を縦に振っている。どうしたんだ?
「リーナ、クロはなんて?」
「人間になったらもっと美味しいものが食べられるのかってきかれたです」
「それでなんて答えたんだ?」
「ご主人様のお側に使えれば、いつも夢のようなご馳走が食べられます、です!と」
「……あのな」
そんなんで良いのか?と思ってクロを見たら、もう目が一点の曇りもなくキラキラしてる。
はぁ……まあいいか。こんだけ期待させて、やっぱダメとか言われたら怒りそうだしな。
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クロ (4) lv.8 (バトルホース)
HP:1,681/1,681
MP: 484/ 484
SP:13+19(used)
言語理解 ■■□□□ □□□□□
人化 ■■■■■ ■■■■■ New -> max
カール=リフトハウスの加護
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中途半端にとって、馬頭みたいなキャラになられても困るので、もう最初からMAXで。
「よしいいぞ。人化してみるか?」
こくこくとうなずくクロ。その輪郭が光り、崩れたかと思うと次の瞬間には目の前に、め、目の前に……
「ぶーーーー。なんだそのネーちゃん。どこから……もしかして、クロ?なのか?」
盛大に果実酒を吹き出すハロルドさん。
いや、気持ちはわかりますよ。だって、だってね、身長が185cmくらいありそうな引き締まった体でバインバインのダークエルフ――というにはちょっと耳が短いけど――のお姉様が、すっぽんぽんで恥ずかしげもなく立っておられるのですからー。
そりゃ馬が人になったら服着てるわけないよね。
「の、ノエリア。ハイムに連れて行ってお風呂に入れて、服を貸してやってくれないか」
「はい、分かりました。クロ、こっちへきなさい」
きょろきょろしながら素直について行くクロ。あー、でもこれで野営の問題は解決したな、なんて、逃避していたら。
「なんだよ、なんだよ。あれ、どうなってんだ? え?」
とニヤニヤしながらハロルドさんがよってくる。あんた、酔っぱらってるね?
「やるなー、流石代官様。ハーレム一直線だな、おい」
バンバンと背中を叩いてくる。痛い、痛いからやめて。
「ハーレムって、あれは魔物ですよ、魔物」
「いやー、良い趣味してるぜ。しかもスゲーいい女になってるし」
「なに言ってんの」
馬車からハイムを取り出して、木陰に設置し、馬車を腕輪に格納する。
「でもこれで野営しなくて済みますね」
「本当に夜番なしでいいのか?」
「ええ、大丈夫でしょう。ハイムの入り口は見えない方に配置しますし、後は結界にまかせて寝ちゃいましょう」
ハイムに入ってみると、ノエリアの服を着たクロが、ちょっと胸がキツくてなんて言ってるのをノエリアがピキピキしながらみてて、なんだかおかしかった。
そうそう、クロの取得可能スキルリストだけど、こいつもちゃんとありました。嘘みたいだけど。
「飛翔」