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生活モニュメント[8]

太陽の心臓

作者: 袋小路 めいろ

ポッと出の才能に

全て奪われまで

それでもって

頑張れるほど

強くは無かった

故郷にすがっては

何か良い事ないかなって

今だに自己都合の幸福を

待っていた



今日も日が暮れるけど

その故郷の夕日を

堂々と見る事もできず

ただひたすらに

夜になる事を望んでは

朝日を拒み続けていた

ボンクラはボンクラで

織田信長みたいな

計算された馬鹿には

なれなかった



それでも

生きていかなくては

いけなくて

人 一人死のうと

廻る世界だが

それは

その人 一人の世界から

遠くの世界であって

その人 一人が僕自身になれば

廻らなくなる人が居る事を

なんとなく理解しては

無条件に生きるを

選択しなくてはならなかった

ほっといてくれに

反応してくれる人が

居る事の幸福に

胡座かいて甘えている

そんな事実が

いつも悲惨で嬉しかった



閉ざすことが

今の世の中では

不愉快極まりない事で

やる気の底が見えてる僕は

不愉快になる方が悪いと

そう思っていた

思う事での正当性を主張しては

くだらないとほざいていた

意味なく世界は廻ると

リセットボタンは

存在すると

本気で思っていた

すがっていた

この世界で生きて居なかった

生きてる風を演じて

ブラックボックスに

形を吹き込んで

どうぞって

悩みまで風みたいだった



夏のアスファルトに

水の音

血液が流れるみたいに

跡がついて

死ぬより早く

干上がって

また生き残る

また行き遅れる

繰り返しの海

潮風が纏わりついて

死神の笑顔

落書きの跡

クシャクシャにゴミ箱

生きている事に

疲れていながら

生きてる事に

執着して

たまたま拾った

幸せになれそうなモノに

素通りされて

持っているネジレ

深く串刺し

涙も出ない

真っ白なノート



瓦礫に埋もれた頭

何も掴めない右手

誰も居ない左手

靴底の無い右足

感覚が無い左足

鼓動を聞かない耳

蛆のわいた目

風みたいな鼻

鯉みたいな口

それと直列つなぎの喉

勝手に膨らむ肺

ろ過しきれない吐息

それでも

太陽の心臓

灼熱の心臓

爆撃の鼓動

真剣に爆発させるまで

終わらない

終わらせない




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