2話
1.2話連続!ここから本編!
変更点
拙い文章で表現できなかった描写の微追加。
今日で始まる予定のVRMMOゲーム[フェンリルオンライン]通称fOは、βテストも終えた注目の新作。そのリアリティと自由度の高さから、ネット内で予約が殺到していた。
しかしその中で今日までに購入出来たのはほんの一握りだけ。
だから今日、俺が手にすることはないと思っていた………………、
さっきまでは。
「おい、聞いてるか?」
こいつは俺の兄貴。横暴な性格で優しくしてくれないし、正直に言うとあまり好きではない。
「一緒にやろーぜ!fO!」
ガサッと押し付けるように渡された袋を覗くと、そこにはfOの文字と箱に入ったチップが入っている。
「……ウソ!マジで!!」
あの兄貴がこんなにいいものをくれるなんて、夢でも見てるんじゃ無いだろうか。
「当たりめぇだろ!早く準備しろよ!」
嗚呼、兄貴がいてよかったー!
俺は無言で頷き、そそくさと準備を始めたのだった。
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準備は終えた。
食事は済ませ、水分もしっかり取った。
VRマシンも装着してるし、もちろん説明書にある緊急時の対処方法も確認済みだ。もういつでも始められる。
そ……ういえば、なんで兄貴は2個もfOを買えたんだろうか。
ふと気になったので聞いてみると、衝撃の答えが返ってきた。
「あぁ!?そんなん俺様がβテスターでトップだからに決まってんだろ?」
「…………ハァ!?ホントに!?」
マジでか!じゃあTVで写ってたあの全評価総合1位の人は兄貴だったのかよ!
「おうよ!ただ、秘密な!!二つ名が恥ずかしいだろ、あれは」
「あぁ…………、【栄光の煌めき】だっけ?」
あれ、光輝くプレイスタイルと合ってていいと思うけどな。
「お前マジで止めろよ!?」
ただ、兄貴にとっては恥ずかしいらしい。
「わかった、じゃあもう現実では余計な詮索はナシでいいよね」
「そういうことだな!……お、もうこんな時間だ!キャラメイクに乗り遅れるぞ!」
兄貴に言われて部屋の壁時計を見る。もう開始30分前か、じゃあ始めよう。
互いににアイコンタクトで確認しあう。
キーワードは確か…、
「「ハイリンク!!」」
そして意識はfOの世界に入って行った。
まことにありがとうございます!