開戦
しばしあまりに現実離れしている光景に湊は茫然としてしまった。
「湊、何をしているの早く逃げるわよ!」
母親の言葉に我に返った湊は急いで身支度を整え、母親と共にドアを蹴る勢いで外に出た。
その光景は窓からの景色から見たものより悲惨だった。しばらく立ち止まっていると後ろから声をかけられた。
「君たち何をしているんだここは危険だ早く逃げなさい」
警察官だった。湊はなにがあったのか聞いてみる。
「何があったんですか?」
「ニュースを見ていないのか?彗星が急にバラバラになって落ちてきたんだしてあんなものが来るなんて」
「あんなもの?」
警察官はそこでハッとして
「いや今のは忘れておいてくれ、そんなことよりここは危険だあそこに自衛隊のトラックが見えるだろうあれに乗っていけば避難所まで連れていってくれるわかったな?」
湊は黙って頷き、警察官と別れて母親といっしょにそのトラックまで一目散に走った。そして何とか乗るとどうやら俺と母親で満員になったようでギリギリセーフだった。
車内を見渡してみると自分たち同じような人達が所せましと並んでいた。
そんな中で一際目立った行動していたのは若い自衛官と30代の体格の良い男性が言い争いをしていたことだった。
「一体、これはどうゆうことなんだ説明してくれ、彗星が落ちたのはもっと遠いところじゃないのか意味がわからない」
「落ち着いてください、すぐに帰れますから」
「そのいつはいつなんだそんな自分は何もわからないから答えられないみたいな答えをだされてはいそうですかで納得できるか」
それもそのはずトラック二台の他に避難に必要のない護衛に自衛隊の偵察車の87式偵察警戒車がついていたのだ。
そのため余計に不安にさせていいたのだまるで誰かから守るみたいに
そんな言い争いをしていると若い自衛官の無線機が鳴った。
「バルチャー1聞こえるか!」
「聞こえますどうしましたか?」
「民間人あとどれくらいのこっている?」
「8割は避難が完了しましたがそれが?」
「落ち着いて聞くんだ先程、本部から撤退命令がでたんだ」
若い自衛官は驚いた。
「あと2割も民間人が残っているのに!」
「現在自衛隊は海岸線で水際の防衛を行っているが敵の数は徐々に増えてくるし、こちらは死傷者や負傷者が多数出始めたのでこれ以上の犠牲は出せないので海岸線の防衛線を放棄して市街地戦に切り替える作戦だ。だからおまえたちも早く逃げろ。おいそこ弾幕を絶やすな打て打て!!」
「早くしろ長くは持たない」
「しかし置いていけません」
「安心しろ片付いたらすぐ行くa地点で合流だ」
「了解」
通信終了後すぐに聞いていた避難民はどういう事か説明してもらおうとしたら、いきなりトラックが止まった。
「どうしたんだ?」
「まずい!」
トラックの前方にいたのは外見がオオカミに犬が混ざった感じの生き物だった。
「グルルル」
「バルチャー1、ここは任せて早く行け!」
「しかし」
「お前の任務はこの人たちを守ることだろさあ行け!」
87式偵察警戒車の25mmが火を噴いたと同時にトラックが走り出した。
命がけの鬼ごっこのはじまりだった。