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COUNTERATTACK 解放戦記  作者: 兄ほわ
大阪奪還編
18/25

偵察準備

久しぶりなので少し短いです。

2068年 1月 1日 大阪市内近辺のとある森にて


「全員止まれ」


その森は静かだった。いや正確には”静かすぎる”くらいだった。それもそうである3年前の人類とカテゴリーとの大戦で人類は負けて領地を奪われ、元々の生態系も大きく崩れてしまった。そのためかこの森に限らず、多くの自然で動物以外にも昆虫までもが居なくなっていた。しかしそんな死に絶えた森の中で蠢く影があった。


「全員点呼」


そう自衛隊の偵察部隊である。なぜ彼らが居るかと言うと2日前のカテゴリー6の襲撃で敵の行動が活発化してきたため、急遽敵地への再偵察が必要になったためだ。


「良し、全員いるな?」


「はい。全員います」


「良し、高橋三曹は作戦司令本部に連絡を入れろ。他の者は銃器や車両の点検をするんだ」


「「分かりました」」


隊員達が作業に追われている中で一人の隊員がその場から離れて、背中に背負っている無線機で通信を始めた。


「こちらファントム4。応答せよ」


『こちら作戦司令本部。ファントム4どうした?』


野太い男の声が返ってきた。


「偵察作戦の詳細な情報をもう一度確認したいのだが?」


『了解した。本作戦の優先目標は変わらない。そのため以前偵察した地点を偵察せよ』


「ちょっと待ってくれ。大阪市内の偵察は今回が初めてだ。偵察地点は割り振られた地区を調べるんじゃないのか?」


『隊長から何も聞いていないのか?隊長が知っているはずだ。以上通信終了』


三曹に有無を言わせずにブチッと通信を切られた。作戦司令本部からの不可解な言葉の意味に頭を傾げていたがまるでその時を待っていたこのかのように他の隊員と小銃の点検をしていた隊長が駆け寄ってきた。


「どうだった?」


「それが意味が分かりません。『以前偵察した地点を偵察せよ』と言われましたが何か知っていますか?」


「ああ、そうゆうことか。高橋三曹は心配することは無い。それとそのことについてブリーフィングを行うから集まってくれ」


「分かりました。俊夫二曹」


高橋三曹に俊夫と呼ばれた隊長はそれだけ言うとすぐに小銃の整備に戻って行った。


5分後


「全員終わったな?」


全員に俊夫は確認を取って、全員に異常が無いことを確認すると話をし始めた。


「まず高橋二曹は知っていると思うが前回偵察した地点と言うことを説明するから誰か取ってきてくれ・・・・・そう、それだ」


俊夫は部下に旧大阪市内の地図を取りに行かせ、それを地面の上に広げた。


「まず俺達がいる場所はここだ」


俊夫の手がとある森を指す。


「そして以前偵察した場所がここ。大阪橋だ」


その名前を聞いた途端に部下の何人かが反対した。


「二曹!危険すぎます。いくら何でもこの橋は一番敵の本拠地に近いんですよ!」


「確かにそうだ。だがやらねばならない。もしこの情報が分からずに後から来る部隊に被害が・・死傷者が出たらどうする?」


「それは・・・・」


「それが分かったら、準備をしろ。俺達が行かずに誰が行く?他の偵察隊の連中に負けるな!以上 解散」


部下の有無を言わせずに作戦説明を終えると一部の隊員達は不安そうだがその他はテキパキと準備をし始めた。


「準備完了点検をもう一度行う。偵察バイクやRCV(87式偵察警戒車)も問題ないな?」


「はい。まさに新品同様まで基地で整備してきましたからね」


「確かにそうだな。では行くぞ」


俊夫は偵察バイクに乗ったがそのバイクに高橋三曹はからかってきた。


「そのバイクは最新式ですよね」


「そうだよ」


自分が乗っているバイクに俊夫は目を向けた。このバイクは従来のバイクとは違い、タイヤで走るわけではなく、バイクの下に噴射器がついておりそこから空気を出して浮きながら走行する。一般的に言えばエアバイクというものだ。しかしこのバイクは静粛性とスピードがあるが反面、装甲が無いに等しく防御力が低いのが欠点でもある。


「さぁ、雑談は終わりだ。04前進!」


静かに死に絶えた森から陸自の偵察隊が姿を消した。

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