日本エリア防衛戦 後編2
だいぶ長くなっています。
アメリカ ワシントンD,C ホワイトハス
銃撃と怒号で外の音が鳴りやまないホワイトハウス内では大統領と長官達が話していた。
「カルロス大統領どうしますか?」
「現有戦力は?」
「はい、我国は今現在出払っていない戦力は陸軍は第一軍団の第7歩兵師団と第三軍団の第1機甲師団、海は「エイブラハム・リンカーン」とタイコロデンガ級の「シャイロー」、「アンツィオ」が支援に着けれます」
「奪還は難しいか・・・」
「はい、他の地域に部隊を出撃させているので当面は無理かと・・・」
そう話していると秘書が血相を抱えながら飛び込んできた。
「何事だ!大統領の目の前で!」
「やめたまえ」
秘書の無礼に怒る長官を手で制しながら
「何があった?」
「日本がたいへんなことになっています」
「日本を構っていられるほど、我軍は余裕ではないのだ」
「それが・・・カテゴリー6が一体出現、それと新種らしき6もいます」
それを聞いたカルロスは日本は終わったと思った。
すぐさまにこれをマスコミが聞きつけ、報道して世界中が知ることになった。
12月 23日 湊
もはや何が起こっているのかが頭では分かっているのに体の理解が追い付いていない。そうゆう状況だった。
「あなた達は隠れてください。死にますよ?」
ワンがこちらに注意を促してきた。急いで96式装輪装甲車が道を先導して広い場所に出た。湊が後ろを見ると
「これでようやく派手にできますね。覚悟はできてます?」
「フフ♪私は昔からあなたを超えたいと思っていました。丁度いいです♪死んでください」
最初から見ていない人ならこれが元味方同士の会話だとどうやっても考えないだろう。
二人の体から電気や光が集まっていく、二人はそれぞれ武器を構えた。
ワンは前見たのと同じ日本刀に近い刀でフォーの方は大人でも持てるかどうかわからない大剣を持っていた。
二人がその時に目に物止まらない速さでぶつかった。剣と剣がぶつかった瞬間、あたりが真っ白に覆われ、すぐに衝撃が襲ってきた。
「隠れろ!」
SAT隊員の誰かが言う。全員が96式装輪装甲車の陰に隠れた。周りでは自転車やガラスが吹き飛んだりしてめちゃくちゃになった。そのあとすぐに斬撃の音が聞こえてきた。
「壁まで走ります。連いて来てください」
ワンがいるがなにせ相手は6だ。今ここにいること自体が危険なので味方が大勢いる壁へと向かった。
湊達がエリアに入ってから2時間10分 九州地方 「新国会議事堂」にて
中国地方に現れた「6」について論議が起こっていた。
「総理大臣にお尋ねします。あれはいったい何なのですか!?」
激しい口調に森岡は顔を顰めた。
「確かにあなたの意見も分かりますが我々は全くの知らないことです」
「知らないで済む問題ですか!?」
「現在、我々は全地方の自衛隊をこのエリアに集結されていますが現在はまだ完全には集結できていません」
「たしかに総理の決断は早かったことは認めましょう。ですがなぜ「6」が現れているんですかと聞いているんです!」
「それについては新国立環境研究所からお越しいただいた松井教授に話を聞きましょう」
聞いていた議員の中から一人、白衣を着た男性が立ち上がり、こちらに来た。
「松井教授、「6」の出現方法とその隣にいる人物は?」
「はい、「6」の出現に関してはまだ何とも言えませんが隣にいる人物は・・・・」
「遠慮せずに言ってください」
森岡はどんな覚悟でもしているつもりだった。その言葉に勇気をもらったのか松井は冷や汗を流しながらこう言った。
「新種と思われます」
場内がざわめく。
「う、嘘をおっしゃらないでください!!」
「嘘ではありません!第一、アメリカ、ロシア、中国、ヨーロッパ、オーストラリア、エジプト、北朝鮮、カナダ、これらの国が襲われているのにどうして私たちの国が狙われる可能性、新種が現れる可能性がゼロだと言い切れますか?」
「それは・・・・」
言葉が詰まった。しかし松井はもう一つの可能性を小声で言った。
「いや、もう来ていたのかもしれない」
工事現場近くの広場にて
ワンは巨大な大剣を躱したり、受け止めながらだんだんと目的地へ着いていた。
「これでも喰らえ!」
フォーは周りの物質を無理やり変えて、レーザーにして発射することができる能力を持っている。
「チッ!」
ワンは舌打ちしながら、躱す。その衝撃を殺さず、工事現場に逃げ込んだ。
「あらぁ?もうおしまいですか~~~?」
「そいつはどうかな?」
ワンは焦っておらず、不敵に笑いながら、手で何かを手招きするような仕草をした。
「?・・・・・!?」
フォーが気ずいた時にはもうすでに遅かった。上から大量の鉄筋が降ってきたのだ。凄まじい音をたてながらフォーを巻き込んで全てが収まった時には辺りは煙で充満した。
「・・・・?」
ワンがどうなったのかと迂闊に顔を出すと煙の中からスッと手が伸びて来てワンの顔面を掴み、外に放り出した。
ワンの戦闘と同時刻 工事現場近く 湊
「もうすぐだぞ!」
しかし壁まではだいぶまだ距離があり、SATの隊長は気休めのために言ったのだろう。
だが自分はどうだ?
(自分は隊のみんなや他のみんなまで気休めでも何も言えていない。これでは指揮官失格だ。)
また落ち込んでいると工事現場から何かが大量に落ちてくる音がした。そのすぐ後にワンが工事現場から放り出されるように吹っ飛んできた。
「ワン!!」
「キャーーーーお母さん怖い!」
民間人の家族連れの女の子が怖がり始めた。(いままで泣かなかったのは我慢していたのだが)
「ワンを援護します!」
「し、しかし・・・」
全員が暗い気持ちを表すかの様な顔をして、湊は悟った。彼らはもしかしたら「6」かもしれない彼を本当に助けていいのか迷っているのだ。
「今ここでワンが負ければ、彼女は間違いなく私たちを追ってくるか、市民が大勢いるところで暴れます。そうなっていいんですか?」
「・・・・・」
皆は黙ったままだ。こうなればするしかない。
「わかりました。俺一人でします」
「そ、それは危険です!」
「皆が動かないなら、そうするしかないでしょう」
皆が再び、沈黙してする。だめかと思いその場を動こうとすると一人が声をかけた。
「自分は行きます」
「村田二士!?」
「隊長ばかりいい恰好はさせたくないですし、それにヤツラに一泡吹かせたいんです」
「そうだな、行くとしよう」
「いいですよ、それに乗りました」
村田の後押しがあったからか、全員が立ち上がった。
「あなた方はこの隊員の二人が護衛に就きますから安心して行ってください」
市民に優しく話しかけると彼らも力強くうなずき、二名の陸自隊員に連れられて行ってしまった。
「では行きます。目標はカテゴリー6のフォー!ワンには当てないでください。単発でかつ正確に狙ってください」
「わかりました」
「突撃にーーー前へ!」
一斉に攻撃を始めた。
「くそ!こんな時に!」
せっかくのチャンスを不意にさせられたフォーは湊達をレーザーで消滅させようとしたが復活したワンが足に絡みつき、そのままビルに叩きつけた。すでに二人の体は人では絶対助からないような怪我や骨折をしても簡単に傷が塞がったり、いとも簡単に嫌な音を立てさせながら治すのだ。そのためなかなか決着がつかない。
「きりがない、無反動砲は?」
たしか自分の隊にも配備されていたはずだ。
「それが「避難所」の騒動の時に置いてきてしまって・・・」
これでは決定打を与えることができない。歯噛みしているとプープーとクラクションを鳴らしながら、味方の軽装甲機動車が近ずいてきた。
「おーい、いったいどうしたん・・・」
「逃げろ!!!!」
「邪魔ですね!」
フォーがレーザーで今度こそ、消し炭にしようとする。
「させない!」
ワンが止めに入ろうとするがあと一歩遅く、レーザーが放たれ、軽装甲機動車に命中して、爆発した。
「そんな・・・・」
湊達はもはやまた助けられなかったと思おうとした時
「いや、何人か息があるます!」
白河の指摘にもう一度見ると確かに息があるものがいる。
「射撃中止!生存者を救助!」
命令を受けて、弾かれたように走り始め生存者を救助しに行っている白河達に続きながら、あるものを見つけた。
「あったぞ・・・決定打が」
ワンは悩んでいたこれ以上、湊達の町の犠牲を増やしたくないし、フォーと違ってこちらは若干、いつもより力を制限していた。
(このまま長期戦になれば、不利になるのはこちらだ、何とかしないと)
そうして次の攻撃に移ろうとした時に視界の端に湊が映った。肩に何か乗せている。
「そういうことですか。ミナト!おもしろい」
ワンは一度、その兵器を使われたことがある。なかなか振り切れず、最後は能力を使って落としたあれだ。
「来い!フォー!」
「いいでしょう。これで決着をつけます!」
フォーは大剣を引きずりながらビルの壁を昇ってきた。あと少しでビルの頂上に着こうする時にワンが急にスピードを落として、フォーにぶつかり絡まりながら落ちて行った。
「血迷ったかワン兄さん!」
「いや・・・」
ワンと下から聞こえてきた声が同時に言葉を放った。
「「血迷っているのはお前の方だ」」
するとシュューーーという音と共に何か迫ってきた。落とそうとしてもワンが邪魔で落とせない。
「くそおおおおおおーーーー」
次の瞬間、ワンがフォーを踏み台にして高く跳んだ。フォーはまともに物体にあたり、爆発した。
「当たり!」
思わず湊は叫ぶ。彼の肩にあったのは91式携帯地対空誘導弾だった。
木端微塵かと思いきや
「まだだ!まだ終わっていない」
フォーの声がした。生きているということはまったく効かなかったのだろうか。だが目くらましにはなったはず。
「みんなに伝えろ」
上からワンの声が聞こえた。上をみると大量の電撃を足に貯めながらフォーにかかと落としを決めようとしていた。
「ワンはこっち側に就くから今度会ったら敵だとな」
そう言うと思いっきり、フォーの顔面にかかと落としを決めて、爆発と衝撃波の後に湊の視界にはもはや白しか見えなかった。
次回はついに自衛隊が本格的な領土奪還を目指します。お楽しみに