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COUNTERATTACK 解放戦記  作者: 兄ほわ
反撃編
14/25

日本エリア防衛戦 後編

ミサイルで都市消滅まで残り24分 SAT第二班 通称「サット2」にて


「弾が・・・・ない」


それを聞いた全員が絶望的となった。全員の一斉射撃が対抗できる唯一の戦法だったのだ。しかし弾が無くなった隊員は即座にUSP拳銃を抜き、援護に回る。射撃をそのまま続け、あたりが煙に覆われ、足元には銃弾が辺りに落ちていた。


「やった・・・のか?」


だがそんな希望を打ち砕くように声がまたした。


「フフフフ 残念でした」


煙から出てきたのは見た目が高校生くらいに見える女の子だった。


「まぁいいと思ったけどな、でもまだまだ」


「お前はカテゴリー6の一人でコードネームは・・・・」


「4(フォー)です」


隊員の一人が答える。そう(フォー)は「6」の中で4番目に現れた個体で先の戦いではロシア連邦に現れ、ロシア軍を苦しめた個体だ。しかしなぜか見た目がロシア人に似ているのだ。



「なかなかおじさん達との鬼ごっこはおもしろかったけどこれでお終い♪」


彼女の手から光が生まれる。


「それじゃ バイバイ~~~」


その光が自分たちに飛んでくる前になんと自衛隊の96装輪装甲車が壁を突き破って飛び出してきた。さすがにカテゴリー6でもこのいきなりの登場には対応できずに跳ね飛ばされて建物を2、3個くらいに大穴を開けながら吹っ飛んだ。



「皆さん!大丈夫ですか?」


「君は・・まだ子供・・・」


「説明はあとです!早く乗ってください」


そうして民間人やSATの隊員が乗ろうとすると村田二士から絶望的な報告が上がった。


「隊長!さっきまで通ってきた道が塞がれてます!」


「なんだって!しかしどうすれば?もうミサイル発射まで残り15分しかないのに・・・」


本当だったら跳ね飛ばしてみんなを乗せて、時間までには壁に着くだろうという作戦だったのだ。みんなを見渡した湊は人数を確認した。初老の男性と家族連れとあとはSATの隊員だった。一人いなくなっていた。



12月 25日 自衛隊の増援部隊の先遣隊  V-22「オスプレイ」にて


「これより作戦に移るがまず、海、空の護衛艦と戦闘機からミサイルが発射されて、さらにこれに陸のミサイル砲台全てを持って「6」を殲滅することだ。なお敵の数は不明だが多くの人が殺傷されているのが無人機からの偵察で分かった・・・・」


すると隊員を一人が手を挙げた。


「なんだね?」


「つまり我々の任務は?」


「まぁ、長ったらしい説明は抜きにして、我々の作戦は残り5分でミサイルが発射されるがその着弾後、我々先遣隊は「6」の死亡確認だ」


「簡単ですね」


「まぁ、今回は命に関わることはない・・・・・」


そう言った瞬間、隊長の背中に刃物が刺さった。


「ガハァ!?」


「隊長!」


隊長の背中には一人の少年が立っていた。赤い目をした少年が・・・・



N局の報道カメラスタッフ ヘリにて



「あ!今、ビルから火災が発生しました!」


N局のアナウンサーの橋田 真夜は中継ヘリで状況を必死に伝えようとしていた。


「これはひどいものです。うん?あれは?」


『どうしました?橋田アナウンサー?』


「あれは自衛隊の「オスプレイ」です!救助へ向かうのでしょうか?」


今でも十分、興奮していたが自衛隊の到着でさらに興奮していた。しかしそんな彼女たちの目の前で急にオスプレイが急降下していき、やがて建物の屋上に不時着した。


「え!どうゆうことでしょうか?オスプレイが落ちました!」


オスプレイ不時着現場を見ていると不意にヘリが大きく揺れた。


「きゃ!何?」


橋田はヘリの下を覗いてみるといたのだ。赤い目をした少年が・・・

やがて少年は口を開いて小さく言った。


「違ったか・・・」


同時刻 湊 


湊達は自力で走っていた。軽い障害物なら96式装輪装甲車がどかしてくれていた。



「急ぐんだ!もうあまり時間は・・」


すると後方から爆発がした。さっきフォーが倒れていたところだ。


「おもしろいことしてくれるじぁん」


「あと1分しかありません!」


くそ!プランBもだめか・・・・プランBとは建物の地下に入って爆風から逃れようとする方法だった。


「仕方ない村田二士!装甲車を建物の前に出してください。残りは建物を背にして隠れてください!」


その間にもフォーは向かってきているがすでに遅すぎた。



瀬戸内海 第四護衛艦隊群 


「ちょうかい」の艦長は甲板に出ていた。すでに雨から雪に変わっていた。


「天気予報が当たったな」


呑気なことを言っていると副長が来た。


「艦長・・・時間です・・・」


すでに他の増援艦隊も来ており、発射準備もできていた。


「CICへお戻りください」


「わかった・・・・」


すぐにCICに戻ると全員がこちらを見ていた。艦長はふぅと息を吐くとゆっくりと運命を決める号令を出した。


「全機、全艦、攻撃を・・・開始せよ」


「命令を確認。VLS解放、ハープーンミサイル準備完了・・・撃て!」


砲雷長が叫ぶ。

ミサイルを全艦が一斉に発射するのをこちらからも確認できた。空自のF-2、F-15J、F-35Bもミサイルを発射した。

それらは全て一つの都市に向かっていった。



ミサイル発射から数分後


「来たぞーーーーー」


空を見上げると空を覆いつくような数のミサイルだ。


「へえ~やるね~~」


だがフォーは冷静だった。


(俺たちの犠牲で「6」を殺せる)


誰もがそう思った。ミサイル群が地上に近ずく、そしてミサイルが都市を焼き尽くすはずだった。

だがそうはならなかった。半分のミサイルはその場で爆発して、もう半分は今来た道を戻っていた。


「遅かったじゃない・・・・ワン」


湊は驚いた。フォーの後ろに見覚えのある顔が居たのだ。


「あれは・・・・誰ですか?」


村田や白河は不思議そうな顔をしている。それはそうだ、だってデータベースには一切彼のことについては載っていないのだから。


「おや?久しぶりですねミナト」


「覚えていたのか?」


いきなり知ったような口で話すので湊以外の全員は驚いていた。


「当然ですよ。長い間戦いましたが個人で傷を負ったのはあなたが初めてです。しかし・・・・」


次の瞬間、ワンの姿が消えたと思ったら、首筋に刃が当たっていた。


「どうしたらあんなことができたのかを知りたくて、自分は興味を持ってしまって、だから教えてほしいのです」


徐々に首にかかる力が増えていく。


「あなたは何のために彼らを護っているのですか?」


「え・・・・・・」


湊は言葉に詰まった。確かに自分はどうしてこんなに人を護りたいんだ?重信さんに無理を言って自衛隊に入らせてもらった。だが何のために?復讐?違う、自己満足?違う、感謝されたかった?いや、断じて違う。

やがて湊は絞り出すような声でこう言った。


「理由なんか必要ない。誰かを護りたいと思える心と信念があれば十分だ」


すると首にかかっていた重みがすぅと消える。咳き込みながら顔を見るとさっきまでの冷たい顔ではなく、満面の笑みだった。


「気に入った!気にいったよ。それでこそ、彼の・・・」


そこから先は次の声でかき消された。


「兄さん・・・・?」


さすがのフォーも呆然としている。するとワンが手から電気みたいなの発生させて味方であるフォーに向かって投げた。


「くっ!なぜですか兄さん!!!」


怒りの表情でフォーはワンを睨んでいる。


「私は彼を気に入った。だから彼の味方になるよ」


「え・・・え・・・」


事実を受け止められず、呆然としていた湊達だったが頭が現実を理解すると湊を含めた全員が思わずこう言ってしまった。


「「「「えええええええええええ!!!!!!」」」


彼らの絶叫がこだました。

つぎでこの物語も終わりです。いろいろと大変になってきてはいますが暖かい目で見守ってくれるとありがたいです。感想よろしくお願いします。

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