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COUNTERATTACK 解放戦記  作者: 兄ほわ
反撃編
12/25

日本エリア防衛戦 前篇

12月 25日 夜明け前 


「ふぁーーーー眠い!」


カテゴリー1との戦闘で怪我を負った岡島刑事の所属している部署が湊達がいない間の防衛を任されていた。


「何を言っているんですか岡島刑事」


となりの岡島の部下が話しかけてきた。


「いや、しかしだな志摩」


「確かに最近はここの所、あちこちに引っ張りまわされて眠る暇も無かったと所路は同情しますが」


「そこだけか!」


思わずツッコミを入れる岡島であった。


「つーか、何で壁の防衛を自衛隊じゃなくて、警察が今してんだよ」


「なんか噂では救助目的で行くらしいです」


「じぁなんでそれだけに全地区の自衛隊を総出動させてんだよ」


「もしかして何か自衛隊側に何か思惑があるんでしょうね」


話していると岡崎達の背後でとてつもない爆発が起こった。


「なんだ!」


その時、応援を求める無線が入った。


『助けてくれ!第34区で敵カテゴリーと交戦中!敵は・・・』




廃棄された町 重信班

爆発は重信班と捜索隊にも見えていた。


「どうゆうことだ?」


「わかりません」


82式通信指揮者からその光景を見ていると通信が入ってきた。


『すぐに全部隊に撤収命令!』


「どうしたんですか?」


陸将自身から直接来たので理由を聞いてみた。その理由を来た時に全員が背中に寒気を感じ、その場にへたり込んでしまった。


「わ、わかりました。すぐいき・・・・」


途中である光景に目を奪われてしまった。



『どうしたんだ!応答しろ!」


だが応答できなかった。赤い目が無数にこちらを見ていたからだ。


「畜生!撃ちまくれ!」



こちらでも激しい戦いが始まった。



湊班 「避難所」の広場にて


「ああ!もういっぺん言ってみろや!」


怒鳴り散らしているのは谷口、怒鳴り散らされているのは白河だった。その足元には一発肩に撃たれた村田の姿だった。


「ですから!あなたは何をしたのかわかっているのですか!」


「そいつがうざいから撃ったんだよ。つまりそいつが悪い」


「その銃弾一発でカテゴリーが起きたらどうするの!」


その言葉で周りの全員が青ざめた。どうやら知らなかったらしい


「どうゆうこと?」


そう白本が聞こうとした時に湊が戻ってきた。


「今の銃声は?」


「隊長、大変です。村田二士が撃たれたのとたぶんカテゴリーも向かっています」


「わかりました。白河二士は彼を高機動車まで連れて行って、他の皆さんは防衛線を築いてください」



そう言ってから、白本達を睨み付けながら


「あなた達にも手伝ってもらいます。銃を持っている人達は防衛準備をして、戦車などは門の前に置いて、他の皆さんは安全なところに」


すると森の方からカサカサと草を分けるような音が聞こえてきた。

湊は小銃を強く握りながらこう言った。


「ここは破らせない」



爆心地にて



「何だ?何だ?」


クリスマスムードを楽しんでいた若者たちがいっぺんに煙が上がっている爆心地を見渡す。


「こらこら!!危ないから下がって」


警官達が到着するがその中には機動隊、SIT、SATなども急行していた。


「第一班集合完了!」


「第二班集合完了!」


「第三班集合完了!」


そして全員の集合が完了したところで爆心地に向けて一斉に銃を構えながら隊長格の隊員がゆっくりとこう言った。


「逃げ場は無い、おとなしく出てこい!!」


叫んだ後に静かに風が吹くが数秒の内に返答が爆心地の中から聞こえてきた。


「い~や~だ~よ♪」


その瞬間、爆心地に向けて銃弾が襲いかかった。



同時刻 「避難所」北門


ここでも激しい戦闘が起こっていた。


「撃て!近寄らせるな」


「機銃手!こっちはいいから左を守れ」


「くそ!どれだけいるんだ」


湊班と避難民がカテゴリーに向けて撃っているがカテゴリー1以外にも表皮が1~3にかけてもっとも硬いカテゴリー2まで来ているので苦戦している。


「隊長!もう弾がありません!」


「「AD」の弾もロケット弾とMINIMI合わせて切れかけてます」


「くそ!」


弾薬はこうなることを想定していなかったのであまり多くは持ってきていなかった。どうすべきか考えているとまたあの男の声が聞こえてきた。


「おい!まじふざけんじゃねぇよ」


そう怒鳴りながらやってきたのは谷口だった。


「あなたのせいでしょ」


「何だとコラ!!」


ついに堪忍袋の尾が切れた谷口は白河に向けてAK突撃銃を向けて引き金に手を掛けた。


「危ない!!」


湊がそう叫んだがもう遅いとばかりに弾が発射・・・・・されなかった。


「ぐがっ・・なんだこれ?」


彼の胸には深々と何かのツメが刺さっていた。


「おい・・早く助けっ・」


そう助けを乞いながら、彼は壁の外へと引きずられていった。その犯人はトンボ型のカテゴリーだった。


「きぁぁぁぁぁ」


しばらく呆然としていたが湊はその悲鳴に我に返った。見ると美奈が同じトンボ型に襲われていたのだ。


「美奈ちゃん!」


しかし湊達と美奈との距離は離れており、必死に小銃を撃つが目的のカテゴリーには当たらずに他のカテゴリーによって防がれてしまうのだ。


「いやぁぁぁぁぁ美奈ぁぁぁぁ」


白本の絶叫が轟きながら、あと少しで彼女の頭が消える直前でそのトンボ型が粉々に吹き飛んだ。


「大丈夫か?湊!!」


「重信さん!」


見ると自衛隊捜索部隊の本隊が到着していた。


「ここは我々と戦車がここを守るからお前らは先に壁の中に戻れ!」


「何があったんですか?」


「「6」が現れたんだ」


その衝撃発言にまるで頭をハンマーで殴ったような感覚が来た。


「今、何と?」


「俺にだって事実かわからん」


「重信さんは?」


「俺達は車両をやられたからすぐには行けそうにない。ここのポイントで他の部隊と合流して防衛に当たるんだ」


「わ、わかりました」


まだショックが抜けきらないが全員が乗車した時に最後に重信が言った。


「湊」


「はい」


「死ぬなよ」


「任せてください」


そう言って激しい銃弾とカテゴリーの鳴き声の中、湊達は壁に向けて走り出した。

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