089.いたずら
私と風天先輩は栃木に来た。私たちは東北・北海道方面に行くことになったので電車の路線上栃木県にきた。
「真夜のところは、いきなり長期旅行に出て大丈夫なのか?」
「はい、瞬君がいるって言えば大体のことはOK出ますから。」
「すごい信頼されてるな、・・・・・・・水原。」
「瞬君はしっかりしてますから。」
学校の最寄り駅に集合してから、2,3時間かけて宇都宮に来た。旅館はネットでとっておいたので大丈夫だ。もう5時だし、宿に直行した。仲居さんが夕食は6時半だと言うのでそれまで暇である。
「時間ありますよ。トランプでもします?」
「・・・・・・・・。」
「どうかしました?」
「・・・・・・・今更ながら、部屋、1つでよかったのかなって・・・・・・・・・・・。」
「先輩は嫌ですか?」
「いや、・・・・・・・・真夜は嫌じゃないの?」
「はい。」
「真夜、それは」
先輩の言葉をさえぎるように私のi○ットが鳴った。電子メールを受信したようだ。
「i○ット持ってるんだ。」
「はい。高校に入るときにi○ォンを買ってもらったのでお年玉で買いました。デジカメで撮った写真を整理したり、テレビ電話するのにいるかなって思って持ってきたんです。・・・・・・・っあ、土田君からだ。」
「土田?何だって?」
「えーと・・・・、テレビ電話をつないでくれ・・・・?」
私はi○ットをいじりテレビ電話をつなぐ。
「テレビ電話のアドレスも交換してるんだ、・・・・・土田と。」
つまらなさそうに先輩が言う。
「別に顔を見て話したいわけじゃないです。ただ、ゲームをするのに便利なんです。」
「ゲーム?」
「はい。顔の代わりにゲームの画面を映すんです。そうすれば相手もゲーム画面が出ますし、画面を見てどういう状況なのが1発で分かってゲームが教えやすくなるんです。」
「つまり・・・・・、ゲーム指導のため?」
「はい。なのでテレビ電話のアドレス帳にはゲーム友達しかいないんです。」
私はテレビ電話のアドレス長を先輩に見せる。
「土田と・・・・、ゆかりん?って、あだ名のまま!?あ、昼間に会った米村もいる。ライライって、こっちも!?雷瀬もゲーム、やるのか・・・・・・。」
「はい。ライライはゲーマーなんです。」
すると、i○ットがまた鳴る。今度はテレビ電話の着信音だ。
『ヤッホー、真夜ちゃん。数時間ぶり!』
「うん。数時間ぶりだね。」
『風天先輩も数時間ぶりー。』
「あ、うん。」
『あー!!失敗したー!!』
「何を失敗したの?」
『真夜ちゃんがまだ浴衣姿じゃ』
「そんなんことだけでかけてきたなら切るよ。」
『・・・・・・・・。』
「ま、まさか、本当にそれだけで!?」
『いやー、それがそのー・・・・・・・、火室先輩がもうすでにダウンしてて・・・・・、』
「相手にしてくれないと。」
『う、うん・・・・・・。真夜ちゃんのお守りが利きすぎちゃったみたい・・・・・・・。』
「火奈ちゃん・・・・・・。」
荷造りをして駅に集まったときのことだ。金島先輩がわざわざ魔道具を用意し、その魔道具をお兄ちゃんに装着。私は金島先輩に頼まれたとおり、火奈ちゃんチャームを素早くその魔道具に取り付けた。お兄ちゃんが取ろうとするよりも早く、金島先輩が紙を憑依させ金島先輩にしかとれないようにした。ちなみに魔道具も精霊チャームも金属だが水に濡れても錆びない。なので、つけたままお風呂に入っても大丈夫。まぁ、私はとるけどね。精霊も入りたかったら勝手に仮実態を作って入るし。
「土田君、後ろでお兄ちゃんがすごーく文句をいいたそうにしてるからかわってあげて。」
『うん、分かった・・・・・・。』
画面にお兄ちゃんが現れた。
『真夜、よくもやってくれたな!!』
「だって、(生徒)会長命令には逆らえませんもの。」
『やったのが妹じゃなかったら、切れてるところだぞ・・・・・・!』
「なら問題ないじゃないですか。やったの妹ですし。それに私も金島先輩も心配なんですよ。」
『何をだ・・・・・・・』
「お兄ちゃんがちゃーんと身を固められるかどうか」
『おい!話が大きすぎないか!!?』
「まぁ、早い話、一夫一婦制を守ってくださいと言うことです。」
『やっぱり、話が大きすぎるだろ!!』