088.後輩
旅行の荷造りをしようということで1時間半後に学校の最寄り駅に集合と言うことになった。各自帰宅しようと瞬君の家を出て、瞬君も見送りで家を出たときだ、
「真夜先輩!!水原先輩も!お久ぶりでーす!」
1人の少女が声をかけてきた。
「あ、花ちゃん!お久ー♪」
私が花ちゃんの下に駆け寄ると、何故か土田君もついてきた。
「真夜先輩!お久しぶりです!いつにも増してかわいいですね!」
花ちゃんの隣にいた男の子も声をかけてきた。
「近城君も久しぶりー。」
「ねぇねぇ、真夜ちゃん。誰々ー?」
土田君がきいてきた。
「米村花ちゃんと近城昌人君。小・中学校時代の後輩なの。花ちゃんは、元気いっぱいツインテールオタク娘で、聖魔の19期生になるの。」
「て、ことは2週間後には俺たちの後輩になるのかー!」
「うん、そうそう。」
「真夜先輩!俺も聖魔に入学するんです!」
「近城君も?2人とも仲良しさんだね!」
花ちゃんがいやそうな顔をしながら、
「真夜先輩、仲がいいわけでは全くありません!!親同士が仲良くて、縁が切れないだけだって毎回言ってるじゃないですか!!」
と言う。加えて、
「それより!何で絵に描きたくなるようなイケメンさんが何人もいるんですか!!?」
「は、花ちゃん、顔近い!顔近いから!!落ち着いて!!えーと・・・・・・、聖魔の先輩と同級生何だけモゴッ!」
口を手でふさがれた。
「まぁ、俺たちがどんな集団かは入学したらすぐ分かるから。それまでのお楽しみってことで、楽しみにしててね♪」
口をふさいだ犯人である土田が笑顔で言う。ちなみにまだふさぎっぱなし。
「はい!!」
花ちゃんがわくわくして答える。
「ちなみに、俺もオタクなんだー。オタ友だねー。」
「そうなんですか!」
話がそれたので、私は口をふさがれたまま仕返しに頭突きを土田にした。
「ひふぁい・・・・・・、ひふぁいひょ、まふゃひゃぴゃん・・・・・・・!」
あごに直撃したのでいたにで上手くしゃべれないようだ。私も解放されたし、一石二鳥!
「私達、用があるから。じゃあね、花ちゃん近城君!」
「はい、さよなら。」
「さよなら!」
花ちゃんと近城君は行ってしまった。
その後の米村と近城。
「あー、真夜先輩、またかわいくなってるー!!」
「・・・・・・まだ、真夜先輩のこと狙ってたの?昌人。無理無理、かんなかわいい人、あんたなんかいよりとーってもいい人が掻っ攫ってちゃうんだから。」
「だって、あんな理想なお嫁さん見たいな人、なかなかいないよ!本当は巨乳のほうがいいんだけど、やや大きめな感じが手の届かないことを感じさせない。」
「感じろ!!手の届かないことを感じろ!なんかいも言うけど、あんたには無理。あきらめな!真夜先輩の恋人は弟子である私が認めた人じゃないと!かわいくて、天然ドジッコキャラで、ホワホワしてて、女子力の高い、私のオタクの師匠をあんたみたいなロールプレイングのスライム並みのサブキャラに渡すものですか!!」
「す、スライム!?せめて遊び人くらいにしてくれよぉ!」
「ダメよ、遊び人だとパーティーに入っちゃうじゃない。」
「パーティー入り禁止!?」
「あんたのパーティー入り禁止は水原先輩公認で、決定事項だから。」
「何!?」
「まぁ、真夜先輩に目を付けたその感覚だけわほめてあげるわ。私だって、男だったら手を出したくなるもん。流石、私の師匠!!」
「いつまで私のを強調するんだよ・・・・・。」
「あと、多分、さっきの集団の誰かは真夜先輩に手を出してると思うよ?あんなかわいい人ほっとかないでしょ、普通。そうじゃなくても、師匠好みの人もいたし。」
弟子には、お見通しなようだ。