083.何故だ
先輩が車を降りて「行くぞ!」と言ってスタスタ歩くので私おマコちゃんチョコチョコついていく。
スタスタスタ チョコチョコチョコ スタスタスタスタスタ チョコチョコチョコチョコチョコ
いや、ちょっと、玄関(開け○ら佐藤のご飯!)につくまで、時間かかりすぎ。普通、敷地に入ったら5歩で玄関なのに5分は歩いたよ!それで、やっと玄関だよ!!私の家だったら、5分歩いたらコンビニについてるよ!まぁ、その5分間庭に咲いていたきれいなお花が眺められたけどさ。うん、それでよしとしよう。
そして着いたのは、別邸ではなく本例の方だったー、えー!!何で!?私はどうなるんだ!?マコちゃんもどうなるんだ!?次回に続く!!・・・・・・・・・、とはなりませーん。だめだ。ボケでもかまして気を紛らわせないとやってられない。一応、ポーカーフェイスの達人であるマコちゃんを見習いながら平然を装っているが、無理!だって、内装もゴージャスで落ち着かない。そんなところを歩かされて、落ち着いてられるか!!と、とりあえずメードさんでも見て落ち着こうではないじゃないか。うん、萌!以上!やっぱりダメだー!!オタクでも無理だー!!そう思ってると、私のみ部屋に入れられた。そして、部屋にいたメードさんに囲まれた。た、助けてー!!
メイドさんに、着替えさせられた。なぜ、こうなったんだ。着せられたのは、パステルピンクの春らしいワンピース。胸元ふわっとしたリボンがある程度のシンプルなデザイン。ワンピースのスカート部分には何枚か布が重ねられていて回るとふわっとする感じだ。眼鏡は回収され、アクセサリーも付けられた。幸い、魔道具は取られなかった。むしろ、それに調和するようにつけるものを考えてくれた。軽く化粧もされた。髪もいじられ、横でひとつにまとめ、毛先を軽く巻かれた。
大変身(?)を終えるとマコちゃんと先輩が入ってきた。あー、久々に見たよ、先輩の「こいつ誰!?」の顔。眼鏡無しの顔を覚えられてから見ることなかったな。マコちゃも「人ってこんなに変わるもんなんだ・・・・・!」と言う顔をしている。マコちゃん、今回はお姉ちゃん相手だからいいけど、将来彼女にそんな顔しないようにね。
「で、先輩ご用件は何でしょうか?もう話してくれてもいいでしょ、逃げ場はないですし。」
「・・・・・あぁ、そうだな。」
やっと、妹だと認識したよ、この人。もし、ここにいるのが私じゃなかったら私はどこに行ったんだよ!
「俺の母と会え。」
はぁ?
「それは何故でしょう?」
「昨日、いきなり母親が俺の部屋に入ってきてな」
うわー、流石親子。同じことやってるわー。
「しかも、俺がいない間にだ。」
いや、まだ親子なんだからいいでしょ!あんたの方がたち悪い!!
「そして、勝手に部屋をあさり写真を見たんだ。先輩たちの卒業式に撮ったあの写真だ。」
あぁ、何故か私がセンターのあの写真か。
「そして、俺が帰ってきたとたん、写真のお前を指差しながら『この子、娘にほしい!』とかわけの分からんことを言ってきてな」
いや、あんたも似たようなこと言ってたよ。妹とか。
「誰なのかと聞かれたから、妹だと答えたら」
おい、その返事はどうなんだよ。
「なら、自分の娘だとか言って」
あんたが余計なこと言うからだよ!!
「連れてこいと言ったんだ。」
「で、現在にいたると。」
「そういうことだ。だから、母親の前では俺のこと、先輩、って呼ぶなよ。」
いやー、突っ込みどころ満載でしたわー。
「あのー、先輩。」
「何だ。」
「私は何故変身しなければならなかったのでしょうか・・・・・?」
「母親の希望だ。」
「あと、何故サイズがぴったりなのでしょうか・・・・?」
「それは・・・・・、母親の特技みたいなものだ。」
どんな特技だよ!!
「あと」
「まだあるのか・・・・・・」
「何故マコちゃんを連れてきたのでしょうか?」
「俺の精神状態を保つためだ。」
「?」
「俺の母親はテンションがものすごく高い。」
「???」
「会話が止まらないんだ。」
「つまり・・・・・・、人を増やして会話を分散させようと・・・・・?」
「そういうことだ。」
「・・・・・・分かりました。」
「まぁ、お前はいつも通りニコニコしながら菓子でも食って質問されたことに答えるだけでいい。」
そうさせていただきます。