008.入試(2)~知らない間に幸せなことが起きている事がある~
中盤、水原目線
あの病室のとき同様、きれいな粒つまり魔元素が見えております。ただあの時と違うのは、粒の色が黄緑色なこと。
「えーと、これはー・・・・・・・、変なものではなく・・・・・・・・。」
「何か知ってるのか?なら、言ってくれ。じゃ、ないと安心できない・・・・・・・・・。」
どうやら副会長様、危険物であること考えているようだ。
「あぁぁぁぁーーーー、これは危険物ではなくて、そのー・・・・・・・。」
「?」
「・・・・・・・・・・ま、魔元素です・・・・・・・・・。」
「っえ!?魔元素!?今、魔元素見えてるの!?俺。」
はい、そうです。普段存在を感じているだけのものだ見えていたら驚くよねぇ、そりゃー。
「えーとそれは・・・・・・・・・、私の魔法の一種で・・・・・・・・・・・。」
さっきは足元がふらつく程度だったけど、ついに頭までくらくらしてきた。魔元素を見るのも魔法の一種だから少量ではあるが魔力を消費するみたいだ。いつもは少量だから気にならないけど、魔力不足の現在の私にとってはかなりつらい。私の様子を見た副会長様が私を両肩を持ち支えてくれる。
「大丈夫か?」
「・・・・・・・・・・・・。」
返事をする余裕すらない。意識が途切れそう・・・・・・・・。
「とりあえず、その魔法を引っ込めることできるか?そうすれば少しは楽になるはずだ。」
「・・・・・・・・・・。」
どうしよう。最近身につけた能力だからコントロールの仕方が分からない。うーん・・・・・・・。とりあえず・・・・・・・・。
(引っ込めー、引っ込めー)
と頭の中で念じてみる。しばらくすると魔元素は見えなくなった。少しからだが楽になたが、それに安心したのか私の意識はぷっつり途絶えた。
気がつくと私はベットに入っていた。周りにあるものから言ってここは保健室だろう。もうすかっり夕方だ。すると、ドタドタという足音か聞こえてくる。そして、ドアのダンッと開く音がする。
「ま、真夜ちゃーんーーーーー!!」
っあ、その声・・・・。
「しゅ、瞬君・・・・・・・・?」
「だ、大丈夫だった?」
「っあ、うん。もうすっかり。・・・・・・・・、瞬君は試験もう終わったの?」
「うん、まぁ、ね。」
「でもどうしてここに?」
「あぁ、それはね・・・・・・・・・」
僕は試験が午後からだからその時間に間に合うように聖魔に来たんだけど、高校に着いたとたんなんかざわざわしてたから気になって、そのざわつきの元に言ってみたんだ。そうしたら・・・・・・。
「ま、真夜ちゃん!?」
僕の目に映ったのは、なんと誰だか分からない男の人が真夜ちゃんを、お、お姫様抱っこしている風景だった。
「ま、真夜ちゃん!!」
僕はあわててその人に駆け寄った。するとその人は、
「・・・・・・君、この子の知り合い?」
「は、はい!!」
真夜ちゃんはどうしたんですか!?と目で訴えると、こんな返事がかえてきた。
「いやぁ、実はこの子試験を頑張り過ぎちゃったみたいで、魔力切れて、気を失っちゃたんだよ。」
(ま、真夜ちゃん何やったのーーーーー!)
「君、試験もう終わった?」
「い、いえ。これからで・・・・・・・。」
「っということは特進か。ちょうどいいや。この子の家知ってるか?というか近い?」
「は、はい。近くです。」
「なら、試験終わったら、この子を家まで送ってあげてくれないか?それまで保健室で寝かせておけば歩けるくらいには回復すると思うから。」
「はい、分かりました。」
「ありがとな。」
男の人は笑顔でそういい、真夜ちゃんを抱えながら行ってしまった。
「・・・・・・・・って、ことなんだけど・・・・・・・。」
「え、えぇぇぇぇぇぇぇ~~~~~~~~~~(゜□゜)!!」
「ま、真夜ちゃん!?」
「だ、だって、ふ、副会長様にお姫様抱っこされてーーーーーー!!」
「っえ!?あの人がうわさの副会長様だったの!?」
「ど、どうしよ!!」
「って、何が?」
「明日死ぬかもしれない。」
「何で!?」
「幸せすぎて」
ニヤケが止まらない。
「・・・・・・・・ま、真夜ちゃん。・・・・・・・大丈夫。人間それくらいじゃ死なないから・・・・・・・・。」
そして瞬君が私に枕元に在った紙切れをつまみあげ、
「・・・・・・・・何、これ?」
「・・・・・・ん?」
私もそれを見てみる。ん?この筆跡・・・・・。
「ま、まさか・・・・・・・、副会長様!?」
ゲームで何回もの見た、副会長様の性格をそのまま現したようなきれいな字。間違えない・・・・・・。それに気がついた私はその紙を瞬君から取り上げ、内容を読む。
『まやさんへ
君の話は、君が聖魔に入学してから聞くよ。楽しみにしてる。
今日廊下であった者より』
と書いてあった。
「はい!楽しみにしています!!」
「何を!?」
瞬君は紙の内容をのぞき見てあぁと納得した声を出す。
「僕が真夜ちゃん、真夜ちゃんって連呼してたから、名前覚えられたみたいだね。」
「ありがとう!瞬君!!」
「あ、あぁ、う、うん・・・・・・・・。」
私が目を輝かせお礼を言うと、なぜか遠い目をされた。何でだろう・・・・・?
その後養護の先生に礼を言って帰宅した。この紙は大切に保存し時々見てはにやけていた。