080.凶器からの解放
途中から最後まで第三者目線
土田君が凶器を口にしてから2時間くらいが経った。ちなみに最終下校時刻は30分ほど前にすぎた。が、何か適当に先生に言って総務会のみ本日の最終下校を1時間ほど延ばしてもらった。それまでに起きなかったらどうしよう。女の子化が解除されたことが分からないと帰すに帰せないし。いや、ある意味家に帰してその様子を見てみたものだが、最後は精神科送りだろうよ。でも、面白そうだ。だからといってやらないけどね。学校にも置いとけないしなぁ。いっそのこと、瞬君家にお泊りとか?間違えは・・・・・、起きるな、確実に。でも、だいたいの家は親がいて預かることは無理だろう。それ以前に、光子ちゃん(?)は預かりたくはない。その点瞬君の家なら、瞬君はともかく光子ちゃんからしたら1回は経験済みらしいし、親はまったく瞬君に干渉してこないし遅くまで帰ってこないから大丈夫。うん、最悪それでいこう!と私が考えてると、
「・・・・・・、あれー?今、何時ー?」
光子ちゃんが目を覚ました。
「7時30分だよ。」
と私が答えた。光子ちゃんモードだったら他の人に会話させるのは危険だ。
「えーと、土田君、質問はふざけてるかもだけど、真面目に答えてね。」
「?うん。」
「土田君、あなたの性別は・・・・?」
「何言ってるの?真夜ちゃん。」
土田君以外がつばを飲み込む。
「・・・・・・男だよ?」
そして、土田君以外が安堵のため息をつく。どうやら、凶器の消化が終わって効果が切れたようだ。人間、食べ物を消化するのに2時間くらいかかるからね。
「あれー?そういえば俺、何してたんだっけー?なんか、凶器を口にしてからの記憶がないんだけど・・・・・・。」
一人称もいつも通りである。
「あぁ、それは・・・・・・・、今度見せてあげるから・・・・・、瞬君家で。」
「僕の家!?」
瞬君が嫌そうに驚いている。
「わーい!瞬ちゃんのお家にご招待だー!!」
対照的に、土田君は喜んでいた。
土田が戻ったのでもう帰ろうかということになったころ、土田が
「風天セーンパイ。お話、しーましょ♪」
と言った。土田以外がビクンとなる。
「ねぇ、ダメ?」
と土田がいう。
「・・・・・・、分かった。」
風天がそう返すと、火室が
「い、いいか、実。俺も慧も外で待機してるから、危ないと少しでも思ったら外に出ろ!いいな。」
「うん、そうする・・・・・・。」
土田以外は2時間以上前のことを引きずっている。なので心配そうに土田と風天以外に人々は出て行った。
「・・・・・・で、土田、俺に何が言いたいの?」
風天が口を開く。
「・・・・・俺さ、フラレっちゃったんだよねー・・・・・・。」
「?」
「真夜ちゃんに」
「!?」
(何で俺にそのことわざわざ言うんだ・・・・?)
と風天が思っていると、
「・・・・・・って、当たり前かぁ・・・・・・。」
と土田がいう。
「・・・・・・どうとってくれてもいいですよ、先輩。」
「?」
「・・・・・うーん、分かんないかぁ。」
「何かいった?」
土田が小声で言ったため聞き取れなかったようだ。
「何でもないです。お話はそれだけです。では、サヨウナラ~。」
そう言うと土田は扉を開け、外で待機していた火室と金島にも帰りの挨拶をして、帰っていった。