077.仲良し
教室に戻る途中にライライにあった。
「っあ!ライライ!!」
「いい加減、そのふざけたあだ名で呼ぶのはやめろ!!」
「まぁ、そんなに怒らないでよ。っあ、そうだ!ライライ、教室に来て。」
「今?」
「うん、今。」
ライライはおとなしくついてきた。珍しい。ライライを教室の入り口で待たせ、私は教室に入り鞄をごそごそ。そして、柄つきの袋でラッピングされたものをひとつ取り出しライライの元へ。
「はい、ライライにもあげる!」
「〝も" ってなんだよ・・・・。」
「放課後、総務会で休憩時間に振舞おうって思ってたやつのおすすわけ。」
「ふーん。」
ライライはまじまじと袋を見る。中身が気になるのだが、ラッピングに使われている袋の柄で何が入っているか分からないようだ。
「チョコクッキーと、でライフルルーツ入りのクッキーだよ。」
チョコ味は義理チョコという意味。ドライフルーツ入りはチョコは散々もらってそうなので味を変えるためである。何かじかに接してると、時々忘れかけるが、現役総務会メンバーは乙女ゲームの効力対象キャラである。なので顔はいいんだよ。それだけで、人はある程度人気者になれる。目の前にいるライライだって隠しキャラなので同じことが言える。うん、性格を考慮すると忘れかけるんだよ。
「あんたなりに、気、使ったんだな。」
ライライは察しがいい。2種類入っている意味をちゃんととったようだ。
「うん、まぁー、ね。」
「・・・・・・・て、これ、もしかして・・・・・・、あんたの手作りか!?」
「そうだけど?」
「あんた、ちゃんと作れるわけ!?」
「また、人のこと馬鹿にして・・・・・・・。作れるよ、人並みには。そんなに心配なら、今ここで食べれば?お腹痛くなったら治癒魔法、かけてあげるから。」
「・・・・・。」
ライライは黙って袋を開け、クッキーをひとつ口の中に入れる。
「・・・・・!!」
「うそだろ!?」の顔再び。思わず私はドヤ顔に。
「どう?ライライ。」
「・・・・・。」
「そこそこいけるでしょ?」
「・・・・、別グフォッ!」
「ライライ、みーけ!!」
突然現れた土田君がライライにいきなり抱きついた。その勢いの強さに、ライライは口の中のものが出かけ、口を苦しそうに押さえる。
「ライライ、ダメだよー。ちゃんと素直に、美味しいって言わなきゃ。真夜ちゃんめんどくさがりだから、ライライの分、くれなくなっちゃうよー!」
「土田君、ライライ、吐きかけてるから放してあげて。ライライのことは、その後好きなだけ弄繰り回していいから。」
「そっかー!」
と言って、土田君はライライを放した。ライライはその隙に口の中のものを飲み込む。
「月影!一言余計だ!!」
その言葉で、ライライが口の中のものを飲み込んだことを確認した土田君は、再びライライに抱きつく。
「仲良しさんだねー、2人とも。」
「うん、仲良しなんだー!」
「仲良くない!!」
「えー、だって昼休みは一緒でしょ?」
「あんたが一方的にに来るだけだろ!!」
「土田君って、怒りながらも相手をしてくれる人が好きだよねー。ライライとか瞬君とか。」
「うん、大スキー!!」
土田君がライライにすりすりしている。相当お気に入りなようだ。ライライは
「キモイ!やめろ!!」
と言って嫌がってる。ゆかりんが喜びそうな光景である。
「真夜ちゃん、早くお弁当食べないと時間無いよ。」
瞬君が私のお弁当を持ちながらあらられた。私はお弁当を近くの机の上で開け、ご飯が入っている方の段を持ち立ち食いする。ときどき、瞬君が絶妙なタイミングでおかずの入った方の段を持ち私にさしだす。
「何・・・・・、このコンボ技・・・・・。」
「土田、こういうのを仲いいって言うんだぞ・・・・・。」
「いや、いいとかじゃないような・・・・・・・・。」
「親子に域だな・・・・・・。」
「あ、それだぁ・・・・・・。」
ライライと土田君がなんともいえない顔をしている。その空気をいい感じにぶち壊す形で、
「これが土田君の噂の浮気相手!?」
ゆかりんが目をキラキラさせて現れた。
「そうだよ、ゆかりん。ライライこと雷瀬芳君ー。」
私が食べながら答える。
「じゃあ、今、生・三角関係!?」
「うん、そう♪」
「・・・・・・、後勝さん、雷君はともかく、僕を勝手に入れないで。」
「まぁ、そう妬かないで。瞬ちゃん(^^)」
「妬くも、へったくれもない!!」
「ライラーイ、瞬ちゃんが怒ったー(。>д<)」
「当たり前だろ!!」
「三角関係だね!」
「うん♪」
ゆかりがとても喜んでいる。本当に好きだね、薔薇。
「こいつも変だ・・・・・・・・。」
「っあ!ゆかりんの紹介がまだだったよね、ライライ。こちら、ゆかりんこと後勝由香里ちゃん。オタ友なのー。」
「俺もオタ友ー。」
「「「ねー。」」」
「何かうざい!!」