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076.本命チョコ

「風天先輩・・・・・!どうしてここに!?」

「正直俺もよく分からないんだけど、4時間目が終わったとたん睦にこの教室に放り込まれて、ここにいろって言われたからいるんだ。」

それを聞いてお兄ちゃんがしたかったことが分かった。お兄ちゃんは誰かいると渡しにくい私のために、誰もいない状況を作ってくれたのだ。よくもまぁ、どうでもいいこと(いや、私にとってはどうでもよくないけど)は覚えてるな。私の私でなんで気付かなかったのか・・・・・・・、お兄ちゃんがすごうやりそうなことなのに・・・・・。まぁ、いっか。お兄ちゃんの好意はありがたく受け取っておこう。あと、今更ながら・・・・・・・、殴ってごめんなさい。

「真夜は?何でここに?」

「私も同じようなものです。」

「だろうな・・・・・・。」

風天先輩は、はぁ、とため息をついた後、

「何やりたいんだよ・・・・・・・、睦のやつ・・・・・・。」

とつぶやく。火室先輩と会って1年も立っていない私ですら妹として結構振り回されてるが、風天先輩は幼馴染だもんなぁ。かなーり振り回されてるんだろうな・・・・・・、ご愁傷様です。

「あ、あのぅ、風天先輩!」

私は本題を切り出すことにした。

「ん?何?」

先輩は私と目をあわせる。私は一呼吸置いてから、

「これ、もらってください!」

とチョコの入った箱を渡す。先輩は驚いて、目をまん丸にした。

「俺に?」

私はコクリとうなずいた。

「・・・・、真夜から?」

また再び、コクリと。はい、代理渡しではありません。それを確認した先輩は嬉しそうかつ、私が溶けてしまいそうなくらい素敵な笑顔で

「ありがとう。」

と言ってもらってくれた。

「よかったー。」

私は思わずそういってしまった。

「何が?」

私が思わずいてしまったことに先輩は質問してきた。

「っえ・・・・・・・・?」

「俺が受け取らないと、思った・・・・・・・?」

そういった先輩の目があまりに真剣だったので、私は正直に言うことにした。

「だって、私の前にたくさんの人からもらってそうですから、もういらないかなって・・・・・・。」

「そんなことは無い!絶対に無いよ。」

先輩が私のほほに手を添え、私の顔をクイッと上げ強制的に先輩と焦点が合うようになる。

「他の誰からもらうより、真夜からもらったほうが比べ物にならないくらいうれしいよ。」

え?それはどういうこと?私が目をぱちくりとさせてると、先輩は真剣な目を崩し、「あ・・・・、うぅ・・・・」と言いながら目を泳がせ、私のほほから手を離そうと自分と手を滑らした。その手が首のあたりにきたところで、何かを決心したようにガッシとわたしの肩を持った。そして私と目をしっかり合わせる。

「だ、だから、俺が言いたいのは・・・・・・・」

私の心臓が期待するように、ドキドキとなる。先輩は言葉を迷っている。

「そのー・・・・・、俺は・・・・・・、君にあったときから、ずっと、ずーっと・・・・・・、真夜のことが・・・・・・・、す」

ガッラ。ドアが開いた。何てタイミングだ。2年生の誰かが入ってきた。次の時間の道具をとりに来たらしい。先輩を見ると、顔を真っ赤にさせてフリーズしている。

「先輩?」

声をかけても反応無し。ほっぺたを突いてみた。反応なし。ほっぺたをつねってみた。

「イタタ・・・・・」

反応あり。

「あ、あぁぁ・・・・。そのー・・・・・、お、お昼まだだよな。・・・・・・、戻って、食べないと、次の時間に間に合わないよ。」

先輩はあわててそう言う。続きをいう気はなさそうなので、私はHR教室へと戻ることにした。

予告

明日、21日12時に「裏・学園ラブアンドファンタジーをやってみた乙女ゲーム」にて番外編をup

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