072.お片づけ
明日は、聖バレンタインディーだ。女の子が好きな人に告白したり、友チョコを交換したり、義理チョコ・・・・・・、は気にするな。まぁ、そんな日。というわけで、お姉ちゃんが凶器を作らないように・・・・・・、いや、1人分は作ってもらいましたよ。皆が楽しみにしてるし。でも、お姉ちゃんは2人前作っていた。もう1人は・・・・・・・・・、毎年のことだから死なないとは思うけど・・・・・、が、ガンバ!!私は色々作りました。ふぅ、大変だった。そして私は忘れかけ・・・・・・・、コホン、だらだらと長引かせてしまっている人を片付けようと思っている。その人に
『明日、15分休みに屋上に来て。』
と送ると、
『決まったの?』
と返ってきた。
『うん。』
とだけ送ったら
『分かった。行くよ。』
とすぐに返ってきた。返信が早いところを見ると、私が何て言うのかか予想がついているようだ。いや、もしかするとあのときにはもう分かっていたのかもしれない。だとしたら、何であの人はこいいう状況にしたのか。考えても分からなかった。
そして、バレンタインディーの日の15分休み。私は屋上にいた。相手は1,2分後に来た。
「あちゃー、女の子を待たせちゃったよー。」
「来たくれてありがとう。では本題に入らせてせていただきます。」
私は頭を下げ
「ごめんなさい!!土田君とはお付き合いできません!!」
とラッピングされた箱を差し出しながら言った。
「えーと・・・・・、真夜ちゃん。顔を上げて。」
私は言われた通りにする。
「まず・・・・・、それ何?まさか、チョコとか言わないよねぇ?」
「それはさすがにない。」
「じゃあ、何?」
「お詫びの品」
「いや、それは分かってるんだけど・・・・・・・・、中身何!?」
土田君がかなり怪しんでいるのを見て思い出す。
「あぁ、あれではないよ。凶器は放課後に総務会メンバー全員の前で公開処刑するから。」
「処刑って・・・・・・!やっぱりそんなに危険なの!?」
「ちゃんと作ってもらったから安心して♪」
「やめてーーーー!!」
「で、中身は、3種類のベリーソースをたっぷりかけたシフォンケーキだよ。ソースから手作り。」
「・・・・・、ありがとう。」
涙目で土田君は言う。ケーキがありがたかったのか、凶器の恐ろしさに涙が出たのか。多分、後者だろう。
「で、真夜ちゃん。約束。君が恋をしたのは誰?」
私は一呼吸置いてから、
「・・・・・・・風天先輩。」
とだけ、答えた。
「・・・・・・・・、はぁ、やっぱりそうかー。」
土田君はそう言うと、いきなりフフフと笑い出した。
「いやぁ、真夜ちゃんは飽きないねぇ。」
「何、いきなり。」
「だって、普通、バレンタインディーにフル?告白する日に、まさか、逆をやるとは。」
「そ、それはー・・・・・・・」
「もしかして、告白しなきゃーって思ったら、俺の子と片付けてないこと思い出した結果?」
「っう・・・・・・!で、でも、私なりに考えてみたんだよ!」
「考えてみたって?」
「土田君と付き合ったらどんな感じかなって。」
「どうだった?」
「楽しそうだなーとは思った。でもね、どうしても2人でいる所が思い浮かばなかったの。絶対に誰か他の人がいるの。瞬君とかゆかりんとか。それってつまり、2人と一緒、つまり、友達同じなんじゃないかなって。」
「風天先輩とは2人でいるところ、思い浮かぶんだ?」
「うん。と言うか、私が2人でいたいの。こんなの風天先輩だけだもん。」
「先輩のこと、好き?」
「うん。大好きなの、風天先輩が。」
「・・・・・・、そっかー。」
「うん、そうなの。」
「風天先輩じゃあ、しょうがないなー。」
「うん。土田君が風天先輩に勝てるところ無し。」
「それはひどいよー。分かってるけどさぁ。あ、でも縁は切らないでね。これからもオタ友だから。」
「うん。」
「あと、・・・・・、もう少し、君のこと好きでいていい?」
「どうして?」
「そんなすぐに切り替えられないし、少し失恋の余韻に浸りたいなーって。」
「・・・・・・、ふーん、別にいいけど、少しだけだよ?」
「うん。」
「じゃあ、私、次の時間移動教室だからもう行くね。」
「うん、バイバーイ。」
そして私はその場を去った。