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071.ムスー

「用件って何なの?ライライ。」

私は扉の外で待っていたライライに問う。

「当日、これを使いたいって言う要望が実行委員会で出たんだ。だから、許可がほしくて。」

「OK、OKー。」

「・・・・・・・・・・。」

「・・・・・、何?」

ライライ何か言いたげだ。

「さっきのこと気にしてる?」

「・・・・・・、別に放課後でいいって言ったのに、あんたが・・・・・。」

「今日は放課後に用があるから今日は残れないって言ったのはライライでしょ?」

「っう・・・・・・・。」

「自分で言っといて忘れてたの?」

「・・・・・・・・、正直、嫌なことだから、本能的に忘れようとしてた・・・・・・。」

「っあ!もしかして、おばあさんに会いに行くの?」

「!!?」

ライライは一瞬なんで分かったのかと言う顔をしたが「っあ・・・・、ゲームか・・・・・・。」といって納得していた。

 ライライのおばあさんはライライにとても厳しい人で、ライライはおばあさんのことが苦手。だが、おばあさんのほうはライライのことが大好きで、大好きだからこそ厳しくしているのだ。かわいい子には旅をさせろ的な。乙女ゲームにはライバルキャラがいるものだが、ライライルートにはライバルキャラがおらず、代わりにおばあさんと戦う(?)。最後は、ヒロインが二人を和解させて、ヒロインとライライはおばあさん公認の恋人になる。

「ライライだってゲームの記憶があるんだから、おばあさんの気持ちくらい知ってるんでしょ?ならどうして、そんなに嫌そうなの?」

「1回に植え付けられた苦手意識はなかなか取れないんだよ。・・・て、こんな誰がいるか分からないところでゲームがどうのとか言うな!あんたはもっと、警戒心を持て!!」

「いやぁ、ぜん・・・・、同志がいるとついついしゃべっちゃうんだよねー。以後、気をつけまーす。」

「おう。」

「・・・・・・。」

「なんだよ・・・・・。」

「いや、まだ何か言いたそうだなーって。」

「・・・・・・・、好きなのか?」

「へ?」

「副会長のこと、好きな」

私があわててライライの口を手でふさぐと、ライライはモガモガとなる。

「だ、ダメ!!それこそ聞かれるー!!」

ライライは自分で私の手をはずし、

「気にするとこ、間違ってるぞ!!あんた。」

と言う。さすがに、いきなり口をふさがれて怒っている。

「で、どうなんだよ。」

「っう・・・・・・、い、今、答えなきゃ、ダメ?」

「・・・・・・、じゃあ、春休みの時に答えな。」

「何で、ライライに言わなきゃダメなの!?」

ライライはニヤリといたずらな笑みを浮かべて、

「面白そうだから。」

と言う。

「人の恋路を面白がるなー!!」

と私が言うと、ライライは

「おー、怖い怖い。」

と馬鹿にしたように言った。そして、

「じゃーな。」

と言って帰っていった。

 何か、久々にライライに馬鹿にされた。ムスー。

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