068.同志の誕生
「ライライ・・・・・・、同じって・・・・・・・・?」
私がそう言うと、ライライ、「ヤバイ、言っちゃった・・・・・」と言うように、口もとを手で覆う。私だジーと見ていることみ気づいた後、あきらめたようにため息を付いた。
「あんた、今歌っていた歌、どこで知った?」
「・・・・・・。」
どう答えたらいいものか・・・・・・。本当のこと、言うわけにも・・・・・・
「分かってる。答えは分かってるから。ただ、確かめたいだけだ。だから、普通の人には理解できないことでいい。答えてくれ。」
「・・・・・・・・・。」
「あんたの答えを絶対に否定しないから、だから、答えろ。」
「・・・・・・・・・・・・。」
ライライの目は真剣だ。私はあきらめて、
「前世」
とだけ答えた。私の答えを聞いたライライは、安心したようにため息を付いた後、
「やっぱりか。」
と言った。その様子じゃ・・・・・・・・。
「信じてくれるの?」
「信じるも何も、言っただろ。同じだって。」
「同じって!?」
「前世の記憶を持っているってこと。」
「うそぉ!?」
「本当」
「本当!?」
「マジ」
「私も持ってるよ!!」
「いや、今ので分かったから・・・・・。」
マジで!?今まで、合ったことないよ!前世の記憶を持った人!!私と同じ人!!
「知ってるの!?ラブマジ。」
「知ってる」
「まさか、play」
「してない」
なーんだ、つまんないのー。
「じゃあ、この世界がラブマジの世界だって知ってるんだ?」
「知ってる。」
「いつ知ったの?」
「中学のとき。中学から通いだした塾に、俺と同じ隠しキャラのやつがいて、そいつを見たら思い出した。」
「その隠しキャラって誰?」
「光元朗」
「あー、あの女ったらしの」
「そう、そいつ。中学生の時点で、もう、そんな性格になってた。あんな、胡散臭い言葉でも信じるんだな、リアルの女も。」
「確かに胡散臭き言葉で口説いてくるよねー。」
「ほー、あんたは騙されなと?」
「当たり前でしょ。前世を含めた私の人生の中で、何千本の乙女ゲーム、やったと思ってるの!」
「そのセリフからいって・・・・・、あんた、生まれ変わった後も乙女ゲームやったのかよ・・・・・・。」
「やったじゃないよ。やってるんだよ?」
「現在進行形かよ!!」
「うん、今日も、家帰って、宿題やったら、Let's play!」
「ちゃんと、宿題を先にやるのかよ!!」
何か、変な会話だ。
「それに私ああゆう人と、嫌いなの。なんというか、女なら誰でもいいって言う人。」
「あぁ、他にもいたよな、そういうキャラクター。」
「うん。」
今言ってるのは、あのアホで自称私の兄であるあやつだ。
「まさか、ライライの女嫌いって、光元朗からきてるの?」
「無いとは言えない・・・・・。」
「何!?そのコメ!?」
「それだけじゃ、ないってこと。分かるだろ?」
「あー、うーん・・・・・、でもあれってゲームの設定でちゃんと決まってないでしょ?」
「確かに・・・・・・。なら、言ってみろよ。まぁ、それであってると思うけど。」
「お祖母さん?」
「正解。」
「やっぱり、そうだったのか・・・・・・・・。」
まぁ、ライライのおばあさんの話はまた今度。
「あんたは?」
「ふへ?」
「間抜けな声だな・・・・・・・。じゃなっくって、あんたはいつ思い出したんだよ!?」
「え?思い出したって言うより・・・・・、覚えてた?」
「はぁ?」
「えーとつまり・・・・・・・、生まれたときから知ってましたー(W)」
「マジかよ!?」
そんなに驚くことか?それより、私とライライがちゃんと会話できる日が来るなんて・・・・・・!人生何が起こるかわからないね!
「ライライは使命とかあるの?」
「・・・・・、あんたはあるんだな・・・・・・?」
あ、ヤバイ。今度は私が余計なことを言ってしまった。と、いうわけで、ライライに私の死亡フラグについて話した。
「・・・・・・。それで、あんたは、総務会と仲良くつるんでたわけなんだ。」
「・・・・・・・?」
「おい!んなでそこで首をかしげるんだよ!?」
「・・・・・。」
「ただ、自然とつるんでただけかよ!?」
「そ、そういえば・・・・・・・!」
「な、何だよ・・・・・・?」
「瞬君と決めてた、方針と変わってるー!!」
「今頃気づいたのかよ!!て、何で水原がでてくるんだよ!?」
「え?全部話したから、小学生のとき。」
「それは・・・・・、小学生には酷だな・・・・・・。」
「うん、私の黒歴史だよ(W)」
「そっちじゃない!!はぁ・・・・、それより、あんたとはまだ話すことが山ほどありそうだな・・・・・・・・。」
そのとき、最終下校時刻10分前を知らせる音楽が流れる。ヤバイ、最終下校時刻になる前に校門から出ないと、怒られる。
「おい」
「何?」
「携帯だしな」
「?」
「はやく!」
私は不思議に思いながらも、携帯をポケットから出し、ライライに渡した。ライライは自分の携帯を出し、2つの携帯を両手で同時にいじり、私の携帯を返した。そこには電話帳が開かれていて、その電話帳には〝雷瀬芳" の文字があった。
「ここで、本格的な話をするのはまずい。だから・・・・・・」
「うん、じゃあ、春休みにね。」
「何で、そんなに先なんだよ!?」
「だって、ライライそうでもしないととっとと縁、切りそうなんだもん。」
「・・・・・・・・。」
「せっかく会えた、同じ境遇の人間同士なんだよ。だから、仲良くしようよ。」
私がそういって手を差し出すと、ライライは肯定の意味もこめて手をにじり返してくれた。そう、これは同志の証だ。