065.ギャフンと言わせよう
「ねぇ、雷瀬君。学年の出し物何にする?」
「あんたの好きにしたら?」
考えるのがめんどくさいと言うふうに雷瀬君が言う。
「何でもいいじゃねぇの?」
「まぁ、特に決まってないから自由だけど・・・・・。」
「じゃあ、あんたの好きにしたっていいんじゃん。」
「そんなこと言ってぇ、私が案を出すと文句しか言わないくせに。」
雷瀬君は大分しゃべってくれるようになった。が、こういう嫌なことばかり言う。前と違うのは、嫌なことを言うのが楽しそうなことだろうか。
「あんたがまともなことを言わないからだろ。」
「雷瀬君は、まともじゃないことすら言わないくせに。」
「じゃぁ、言ってみろよ。あんたの案をな。」
私は少し考えてから、
「・・・・・・、歌、とか・・・・・・?」
定番な物をいった。
「却下」
「何で!?」
「小学生みただろ。」
「中学生の時だって合唱発表会くらいあったし!」
「あんたは子供っぽいけど、俺達は高校生だ!!」
「じゃあ、合唱部はどうなるのよ!?」
「っう・・・・・・・・」
よし!勝った!!勝ったよね!?これ!!
「でも、やめといたほうがいいじゃないの?」
ニヤニヤといたずらな笑みを浮かべながら雷瀬君が言う。
「・・・・・・、何で?」
「あんた、歌、下手そうだから。」
「(イラッ)」
今かなりイラッときた。何で、いつもいつも怒らせること言うかな・・・・・・・?確実に、馬鹿にされてるよね。ここは、
「私の実力を見せてあげる!!」
「はぁ?」
私は席を立ち、
「ギャフント言わせてあげるんだから!!」
と宣言し、
「行くよ!!」
と言って、雷瀬君の手首をつかみ、引きずった。
「おや、月影さん、おかえりなさ」
「金島先輩、ピアノ、使わせてもらいます!!」
私が雷瀬君を連れてきたのは生徒会室。いきなりのお客様に、元々ここにいた金島先輩と土田君は驚いていた。雷瀬君は普段入らないところに入って、そわそわきょろきょろしている。私は雷瀬君をピアノのそばに立たせて、ピアノ用のいすに座りピアノを開き、弾き始めて、
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歌い始める。声優さんの曲だ。本当はバラードのほうがうまく聞こえるのでいいのだがゆっくりのテンポの曲を今聞かせると雷瀬君がイライラしそうなので元気な応援ソングにしてみる。
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Bメロに入ると風天先輩が帰ってきた。私がピアノを弾いているのを見て驚いている。そして
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サビに入る。2番まで歌ってもしょうがないので、サビの後を感想に繋げた。感想は弾くだけなので、少し余裕ができたため雷瀬君の反応を見る。その表情は「ありえねぇ!!」と思っているのが丸分かりだった。そして、最後のコーダーの前の
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Cメロに入る。そして、コーダに入り曲を終わらせた。雷瀬君は予想外ぎて固まっている。それを見て調子に乗った私は
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もう1曲歌い始めた。さっきの声優さんと同じ声優さんの曲だ。この曲は原曲とは別に、ベストアルバムにはっているバラードバージョンがあり、今はバラードバージョンのほうだ。
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サビに入った。そしてサビの最後のワンフレーズである
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でテンポを徐々に早くし
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2番に入って時に原曲バージョンに変化させた。自分でもほめたくなるぐらいうまくできた。