062.隠しキャラ
冬休みも終わり、校長先生の長ーい話を終え、始業式が始まる。
一週間後にあった入学試験も何の問題も無く終わった。
入試が終わると1,2年背は予餞会の準備に入る。予餞会は、総務会はもちろん、臨時委員会である予餞会実行委員会が運営する。予餞会実行委員会の中に各学年一人ずつ委員長がいるみたいに、総務会にも予餞会担当というものが各学年1人いる。ちなみに、体育祭と文化祭にもいる。こういう行事担当の仕事は臨時委員会と総務会への仲介連絡役。あとは他学年との連絡。臨時委員会はあくまでも臨時であるため横つながりがあっても縦つながりはない。つまり、学年間ではつながりがあっても他学年とのつながりはない。それを緩和するのが総務会の行事担当だ。まぁ、今までの感じから分かるように総務会は縦つながりも横つながりもおもいっきりあるので、総務会をはさむとちゃんと連絡が取れるのだ。この行事担当は3年間持ち越しで、予餞会担当は現役総務会だと私と風天先輩となっている。
本日は、各学年、予餞会実行委員会メンバーと総務会の顔合わせを行っている。まだ、予餞会実行委員委員長が決まっていないため進行役を予餞会担当である私が務めなくてはならない。しかも、委員長を決めるんだよ、今回。絶対・・・・・。
「えーと・・・・・、1年生予餞会実行委員長をやってくれる人いませんか?」
「・・・・・・・・・。」
シーン・・・・・。やっぱり、いないよ!!予想通りいないよ!!そういうお年頃だからだと分かっていても、進行役としては、自分って嫌われ者なのかと思いたくなるよ、この静けさ!と、思っていると、土田君が何かごそごそと、大きな紙を出し前にあったホワイトボードに貼った。
「つ、土田君?何やってるの・・・・・?」
「うーんとー、予想通り決まらないみたいだから・・・・・・・、あみだくじ!」
おい、それでいいんかい!!
で、あみだくじのあたり(じゃ、ないよ!正直はずれだよ!)を引き当てたのは・・・・・・・。
「えーと・・・・・、ライセ君・・・・・?」
「土田君、アズマセ、雷瀬って読むの!」
瞬君が馬鹿な土田君に突っ込む。まぁ、確かに難しい読み方ではあるよね。でも、よりによてこに人か・・・・・・・・・・・・。
乙女ゲームの定番にひとつに隠しキャラと言うのがある。もちろんラブマジにもこの定番がある。ラブマジで隠しキャラをです方法は、誰かのルートを攻略し始めに戻るときにストーリーナンバーを入れる。そうするとそのナンバーに応じた隠しキャラ出てくるのだ。本来、私たちの学年の風紀委員に現れるはずなのだが、私という超規格外人物が生徒会に入ったことによりその枠が表キャラである瞬君で埋まってしまったのだ。だから、隠しキャラが関わることはないと思ってたのに・・・・・・!まさかこんな形で関わってくるとは・・・・・・・・!
そう、今、1年生予餞会実行委員長を引き当てた(?)雷瀬芳はラブマジの隠しキャラの一人である。
「えーとー・・・・・、よろしく、ね・・・・・・・・。」
と私が言うと、プイッとそっぽを向かれた。あーもー、だからやだったんだよ。無視してきて、やっとしゃべった、と思ったら嫌なことしか言わない。早い話、雷瀬芳は女嫌いである。