057.5.イブ二次会
風天目線
「で、実は明日真夜に告るのか?」
グホ!俺は飲んでいたジュースをむせ返した。い、いきなりなにっ言ってんだ!?睦!
「それとも、もう告ったのか?」
「それはないでしょう。」
即答で断言するのはひどくないか?慧。
「2人とも感情がすぐ出やすいですから。」
そんなに出やすいかな?俺って。まぁ、真夜はすごく出やすいけど。そこがかわいいし。
現役総務会メンバーで生徒会室に集まった後、俺達17期生総務会メンバー3人でイブ会(?)の2次会を(広いと言う理由で)睦の家でやっている。
「多分、出かける約束すら取り付けてないと思いますよ。」
「・・・・・・・・。」
「どうなんです?」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
「おや、図星。」
返す言葉もございませんと言う意味をこめて、俺は無言でジュースを飲む。自分でも、そういうところがダメだな、と思う。
「とりあえず、とっとと告って、とっととくっつけ!!」
「えぇー!!」
な、何言ってるんだ、睦!
「嫌なのか?」
「そ、そうじゃなくて・・・・・・。そりゃー、恋人同士になれたらな、とは思うけど・・・・・・。」
想像しただけで幸せだ。
「も、もし・・・、俺が真夜に告白したとして・・・・・、真夜はがどうとるか、考えてみると・・・・・・・。」
「「・・・・・・・・・・。」」
2人とも俺が言いたいことが分かったようだ。
「確かに、真夜はそういうやつだな・・・・・・・。」
「むしろ、そちらのほうが自然ですね・・・・。」
つまり、そういう意味でとらないということ。
「でも、だからと言って何もしないわけにはいかないでしょ?最悪、このまま何もしないで卒業ってことも・・・・・。」
自分で言うのもなんだが、・・・・・・・すごくやりそう・・・・・。
「まぁ、告白するかしないは別として、デートぐらはしたらどうです?明日はクリスマスですし、それだけでだいぶ違うと思いますよ。」
「そうかな・・・・・・?」
ちょと、想像してみる。手は繋いでくれるだろうか、俺を見て笑ってくれるだろうか。
「とりあえず、明日、空いているかどうか聞いてみたらどうです?見守ってあげますから。」
「見守るって・・・・・・、慧・・・・、君は俺の保護者か・・・・・?」
「そうですねぇ・・・・・・・、睦が月影さんの保護者なら、私は実の保護者ですね。」
おい!
「とりあえず、電話しろ!」
睦まで催促してくる。
「・・・・・・・、ダメだったら慰めてくれるか?」
ならかけようかなと思い言ったら、2人は、
「いや、断られることは絶対にないから安心しろ!」
「いや、断られることは絶対にありませんから安心してかけてください。」
と同時に言う。2人とも、その確信の根拠はどこからくるんだ・・・・・・・・?まぁ、よく分からないが、2人が自信満々に言うので俺は部屋の隅にいき真夜に電話をかける。
「・・・・・・・・。」
なかなかでない。もうあきらめて、切るか?と思ったとき
『も、もしもし!』
あわてた口調で真夜がでた。そして、電話の向こう側からはチャンチャカ音がする。多分、(乙女)ゲームをしていたのだろう。それで電話にきずかず、出るのが遅かったらしい。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
『・・・・・・、先輩?風天先輩?』
い
(言うこと考えてなかったーーーーーー!!!)
何の名目もないく、ただデートしたいからと言う理由で誘うので何を言ったらいいのか分からない。
『先輩?先ぱ』
「あぁぁぁぁぁー、ご、ゴメン。よ、用件だよな、うん。用件、用件・・・・・・・。」
どうしよう・・・・・・・。・・・・・・・、と、とりあえず空いているかどうかだけ・・・・・・・。
『・・・・・・・・・?』
「あ、ああさぁ・・・・・、あ、あした・・・・・、あ、空いて、る・・・・・・?」
〝あ" の多い言葉だったが何とか言えた。
『・・・・・・・・?』
「い、いや、あ、あの・・・、あ、空いてなかったら、な、なかったことにして」
返事がなかなかこないから一人で突っ走った。が、
『いえ・・・・、空いてますよ・・・・・・?』
と返ってきた。
「っえ!?本当!?」
『はい。』
俺は2人に見えないようにガッツポーズわした。見られたら、何言われるか・・・・・・。
「そ、そっか!な、なら・・・・・・、い、一緒に出かけてくれるか?」
少し緊張しながら言うと、
『はい、喜んで!』
と俺が聞いても分かるくらいにうれしそうな声で返してきた。う、うれしい。デートする前から幸せ・・・・。
待ち合わせ場所と、時間を決めて電話を切ると、慧が
「大丈夫だったでしょ?」
とニコニコ、・・・・・いやニヤニヤしながらいってきた。いつも、いっつもからかいやがって・・・・・・・!!