048.オタ3とお兄ちゃん
現在、オタ3で火室先輩行きつけ(?)も商店街に来ている。この商店街にあるリサイクルショップには本屋漫画、ゲームソフトなども売っていてマニアックなものが多く取り揃えられている。その話を2人にしたら、きたいといったのでつれてきた。ここに来たらやっぱり鯛焼きを買う私。2人も買っていた。リサイクルショップにはもう立ち寄り済みなので、鯛焼きを食べながらプラプラしていた。しばらく歩いていると、な、何か見覚えのある姿が・・・・・・・。いやいや、ま、まさか、・・・・・1人で?あの方が!?
「おい!真夜!・・・・やっと見つけたぞ・・・・・・。」
あの方
「ひ、火室先輩・・・・。」
火室(と書いてアホと読む)が私の腕をつかみ引き止めた。
「やっと見つけたって・・・・・、私がここにいること知ってたんですか!?」
おいおい、何で!?彼の行動パターンからひとつの答えが導かれる。
「ま、まさか・・・・・・・、私の家にまた来たんですか・・・・・・?」
「!!?」
図星か!!
「あ、じゃあ、瞬君はちゃんと部屋の掃除機かけをやってましたか?」
「あぁ、確かに掃除機の音はしてたな。・・・・・・て、水原に何やらせてんだ・・・・・。」
「私がやらせたわけではないんです。お姉ちゃんがやらせたんですよ。まぁ、いつもの事ですけどね。」
「それもそれで問題だと思うんだがな・・・・・。」
「まぁ、瞬君はうちの半居候みたいなものですし、お姉ちゃんのお気に入りですから。」
「そうだったのか!?」
「?そうですよ。」
そんなに驚くことか?
「それより、先輩。いつも言ってますけど、いきなり家に押しかけないでください!来る前にはちゃんとメールか電話をしてください。アポをちゃんととってください!もう、何のための携帯電話ですか!私だっていつでも部屋に引きこもって2次元に浸ってるわけじゃないんですから。外でも2次元に浸れるんです!!」
「っう!!」
何回言ってもアポなし訪問癖は治らない。きっと驚かせようとか考えてるんだよ。アホが考えることなんてそんなものだ。
「えー、火室先輩、真夜ちゃん家に行ったのー?ずるーい!!」
こら、土田(と書いて馬鹿と読む)。お前が話に参戦すると余計に話がめんどくさくなるだろうが!あと、ゆかりんを放置playするなー!!
「俺はいいんだよ!俺は真夜の兄だからな!!」
おい、火室!兄の前に自称を付けろ!!あと、家に来ていい許可は思えにも出しとらんだろうが!!あー、馬鹿とアホ、いっぺんに脳内突込みをすると疲れる。
「はい、はい。とりあえず、道の真ん中で騒ぐのはやめてください!」
私のその言葉で4人とも道の端へ。
「あ、そうだ。先輩、こちらがゆかりんこと後勝由香里ちゃんです。」
ゆかりんがぺこりとお辞儀をする。私はゆかりんを使って話を変えることにした。
「あぁ、よく真夜と土田が言ってるやつか。」
火室先輩がゆかりんをまじまじと見る。私の狙い通り話がそれたようだ。まぁ、普段から私と土田君があんだけゆかりん、ゆかりんといっていれば興味を持たないはずは無いがな。
「・・・・・、妹がいつも世話になってる。」
勝手に保護じゃ面するな!!
「妹・・・・・?あ、まやみんのことですか?いえいえ、こちらこそお世話になってます。」
おーい、ゆかりーん。突っ込んでー。突っ込めよ!!
「あ、そうだ。先輩、今日はどんなご用件で?」
想像はできてるけど、一応聞く。
「・・・・・・・・・。」
返事なし。って、やっぱりか!やっぱり何も無いのか!!ただ、ブラブラするためだけに私を探したのか!!思わずため息が出た。
「・・・・・、分かりました。ゆかりん、土田君。私火室先輩といくとこあるから2人で適当に遊んでてくれる?」
「うん、分かった。」
「えー、真夜ちゃん行っちゃうのー?」
物分りの悪いやつめ!!おい、土田。このアホを1人でうろつかせるとろくなこと起きないのは目に見えてるだろ!と目で訴えると、
「・・・・・・・・りょ、了解・・・・・・。」
と小さい声で帰ってきた。分かればいいんだよ、分かればな!
2人と別れた後火室先輩が、
「分かれてよかったのか?」
と聞いていた。お前のせいだよ!!と言いたかったが、我慢する。まぁ、先輩なりに悪いと思ってるんだろうな。
「大丈夫ですよ、あの2人仲良しですから。それにえ私的にはあの2人を2人きりにしたかったんですよ。」
私が2人の向かったほうに顔を向けると、先輩も同じようにする。予想通り、2人は仲よさそうに話しながら歩いていた。
「お似合いだと思いませんか?あの2人。」
「お前・・・・、少しむごいことしてるな。」
私が微笑を返すと
「確信犯か・・・・・・。」
と言いでこピンをされた。悪いことをしてる自覚はあるので甘んじて受けることにした。