004.精霊の食事
私は退院し、現在魔道具ショップwith瞬君。なぜ私達が魔道具ショップにいるかと言うと、精霊魔法関連。意訳だが、精霊魔法師は精霊を常に身につけている。そのため、持ち歩くためのものが必要だったのでそれを買いに来た。精霊魔法師専用魔道具は、精霊がチャームになることは一般的なため、そのチャームの金属フックが取り付けられるようにチェーン状に凄く細い金属が編まれているものが主流である。その中でも私はブレスレット形のものを買った。デザインはよく言えばシンプル。正直ただ凄く細い金属が編まれているだけで、あとは片方のの先端に金属フックがついていてそれを付ける位置で長さを帰るだけの、男女兼用タイプ。色はシルバー。たかがそれだけの品なのだが、結構の値だった。こういう○○専用魔道具って言うのは需要が少ないため高いのだ。そして私は、さっそく水姫のチャームを魔道具につけた。
私と瞬君は魔道具ショップを出て町の中を歩く。
「真夜ちゃん、本当にすっかり元気だね。」
「うん。女神様って凄いよね、本当に。」
「これじゃあ、どっちが車に撥ねられたか分かりやしないよ。」
瞬君はまだ擦り傷が治っていない。ちなみに、事故で眼鏡っ子である私と瞬君は自分の本体、いや、私は3割眼鏡っ子だから分身か(?)がゆがんでしまった。なので次は眼鏡屋さんに。
私の方が破損がひどいが、私の場合、眼鏡をかけなくても日常生活には支障はないので学校でかけていてもプライベートとではかけていないことが多い。瞬君の眼鏡は少しゆがんでしまったぐらいなのでかなり頑張ればかけれないこともないのだが、かけてるとかなり不格好なので、眼鏡無しではほとんど全く見えていない瞬君にはかなり困りもん。
眼鏡屋さんのある、大型ショッピングセンターに着いた。眼鏡屋さんでとりあえず眼鏡を注文し、眼鏡が出来上がるには時間がかかるのでそれを待つ間昼食をとることにした。
ショッピングセンター内のファミレスに入り料理を注文する。しばらくすると注文した料理が運ばれてきた。すると、水姫姉さんが姿を現した。でも、体は幽霊みたいにスケスケの透けザブロー。このスケスケの体を〝仮実体" と呼ぶらしい。力を使うときに作り出す〝(本)実体" とは違い魔力を使わないから私に良いんだって。人と契約している精霊の本実体は魔法師なら誰にでも見えるが、仮実体は精霊魔法師意外には見えるどころか声すら聞こえない。だから、独り言を多く言ってる人には、あの人は精霊魔法師なんだな、と思うのが魔法が使えるこの世界の常識。水姫は水の精霊。そのため、水の魔元素魔法師である瞬君には〝声" のみは聞こえているそうだ。精霊魔法師は魔元素の存在を感じるだけでなく魔元素の声も聞けるそうだ。
『これは、何と言うものですの?真夜ちゃん。』
「ん?これ?オムライスだよ。」
私が注文した品に水姫は興味を示したようだ。
水姫姉さんにマスターと呼ぶのはやめてくれと言ったら、水姫姉さんは私のことを真夜ちゃんと呼ぶことようだ。たぶん瞬君の影響だろう。
「食べる?」
と私が聞くと、水姫姉さんはこっくりとうなずいた。私はスプーンでオムライスを凄く小さい塊に切り、皿の隅に置いた。それに水姫姉さんが手をかざすと、そのオムライスが水姫姉さんの手に吸い込まれるように姿を消す。精霊は食べもを食べると言うより体に吸い込むそうだ。そして、取り込むことにより味に似た感覚を得るようだ。だから量より質重視。ちなみに一番おいしいのは主の魔力なのだそうだ。魔力に味なんてあるんだ・・・・・・・。
『美味しいですわ~。』
水姫姉さん、喜んでいただき何よりです。私もスプーンを使い普通にオムライスを食べる。瞬君は和風ハンバーグ定食を食べながら、オムライスが消えたことに驚き、
「あぁ、水姫か。」
と言う。私が精霊も一応食事ができることを告げると、瞬君もやってみたかったらしくハンバーグを小さく切る。それを察した私は手を瞬君手を差し出す。その手に瞬君が触れると、瞬君にもちゃんと水姫姉さんが見えたよで、
「どうぞ。」
と水姫姉さんに言う、切ったハンバーグを差し出す。オムライスのとき同様、水姫姉さんがハンバーグに手をかざすとハンバーグは消えた。すると水姫姉さんが眉をひそめる。油っぽいものはあまり好きではないらしい。瞬君は食べ物が消えたことに、おぉ!!、といて驚いている。