040-2.禁句リスト
「うん、そ」
「そんなはずないでしょ、ゆかりん。」
っフ、私の勝ち!
「ひどいよー、真夜ちゃーん。そんなはずないなんてぇ。」
「こういうのははっきりさせておかないとと誤解を招くの!!」
「ちぇー」
その反応・・・・。
「まさか・・・・・・・、周りに言いふらせて既成事実を作って外堀埋めようとしてないよね!?」
「・・・・・すみません・・・・・・。」
クソ!!このヤロウ!!なんてことしでかそうとしてくれてんだ!
「もう、土田君なんて知らない!しばらく口もきかない!!」
「そ、そんなー!しばらくってどれくらい?!」
私はポケットからメモ帳を取り出し、さっき土田君を攻撃したシャーペンで
『卒業するまで。』
と書いて、見せた。
「俺の高校生活はもうお終いだー!!」
『大げさだよ』
と、私は書いた。
「そんなこと無いもん!好きなことお話できないなんて!!」
『そういうこと言うこと大声で言うから話さないんだよ』
と書いた。
「そういうこっとて?」
『(私のこと)好きとか』
と書いた。
「好きな子に好きって言って何が悪いの!?」
『とりあえず私は好きでもない人に人前で好きって言われるのは嫌なの!!そういうこと人前で言いたいならそういうことして喜んでくれる子に早く乗り換えなよ。そうすれば口きくようになるから。』
と書いた。
「分かった!大勢の前ではやめるからぁ!!」
『ヤダ!!』
の一言だけ書いた。
「少しは真夜ちゃんも妥協してよー。」
「・・・・・・分かった。正直私も書くの疲れたし。」
「結局はそこなの!?」
「めんどくさい以外にやめる理由なんてありゃしないよ。」
「俺、泣いていい・・・・・・・・?」
勝手にしろ、と思っていたのが顔に出ていたようだ。土田君はゆかりんに泣きつこうとしたら冷たくあしらわれて、瞬君にも泣きつこうとしたが同じ反応だった。私はその間にメモ帳に書き、そのメモを破いて土田君に渡した。
「何これ・・・・・・・・、『禁句リスト』・・・・・・?」
「そう。今は一言だけだけど、今後の土田君の言動によっては増えていくから気をつけてね。」
そして私は笑顔で言葉を付け加える。
「ちなみに約束を守らなかった場合、全力で腹部を5発殴るから。」
「うそ!アレを5発も!?」
「うん。これが私の妥協。あ、他の人に乗り換えたら解除してあげるから。」
「はい・・・・・・・。」
恐怖心で涙目になりながら土田君は素直にうなずいた。うん、人間素直が1番だ。そして、土田君はしょんぼりしながら自分のHR教師に帰っていった。
実は私、密かにゆかりんと土田君をくっつけたいと思っている。なので、ゆかりんの前ってこともあり度派手に付き合う気は無いことをアピールしたのだ。