039-1.盗聴器
All風天視点
「で、月影先輩は水原さんに何をしたんですか?」
慧が質問する。
「・・・・・・・真夜ってね、瞬ちゃんにはなんでもベラベラとしゃべるのよ。家族にすら秘密にしたいことでも。」
そ、そうなのか・・・・・。何か、モヤモヤする。
「だ・か・ら、瞬ちゃんに盗聴用魔装具を仕込んでみましたー(W)」
「また使ったんですか、、アレ」
っえ!?慧なんか知ってるの!?
「えぇ、これで何があったか分かるはずよ!瞬ちゃんだって気になってるはずだからこの話を真夜に振るはずよ。瞬ちゃんに聞かれたら真夜が答えないはず無いもの。本当に便利ねー、慧のところの魔道具。」
「っえ!慧のところの!?」
「はい、そうですよ実。今年に入ったころ、月影先輩に作るように頼まれたので作りました。」
「使い方は、この小さな白い紙切れを盗聴対象に憑依というかくっつけて、赤い紙切れをイヤホンとかスピーカーみたいな発音機に付ければいいの。」
「じゃあ、さっき水原の首もとを触っていたのは白い紙を憑依させるためだったんですか?」
「そうよ。真夜のことを知るのにはいい道具よね!」
その〝道具" には水原も含まれているんだろうか・・・・・。月影先輩はフンフンと(とてつもなくへたくそな)鼻歌を歌いながら、生徒会室にあったスピーカーに小さな赤い紙切れをたてた。すると紙はスピーカーに張り付いた。
「♪この赤い紙をはずすと盗聴が終了して白い紙も力を失うのよ~。」
となぞの(すごく変な)メロディーに乗っけて月影先輩は言う。歌うのやめてほしい・・・・・・。俺の人並みの音感が狂いそうだ。あくまでも人並みなのでこれ以上狂いたくない。帰宅には30分ぐらいかかるそうなのでそれまで小道具作りをした。