035.寝たふりやろう
「土田君、起きた?」
と私が言いながら振り返ると目が合うと土田君は
「え?ずっと起きてたよ?」
「うっそーーーーー!いつから?」
「ん?真夜ちゃんが起きてすぐかな?」
「じゃあ、何で寝たふりなんて・・・・・・」
「そりゃー、真夜ちゃんの反応が見たいからでしょ。」
笑い事じゃないぞ、土田。
「そうしたら、ほっぺた突き始めるし、これはしばらく楽しませてもらおうかなーって。それだけじゃなくて、魔法使い始めるやら、精霊と契約してるやら。あきないなぁ、真夜ちゃんは。」
後ろにあったはずの土田君の顔がいつの間にか横にあって、土田君側ではないほうの私にほほに土田君は片手で触れる。
「・・・・だから好きなんだよねぇ・・・・。」
「・・・・・、土田君。」
「ん?」
「近い。」
と言った私は土田君にでこピンを一発食らわせた。土田君は
「イテッ!」
といい自分のおでこを押さえのけぞる。おかげで少し距離が確保できた。
「い、いたいよ、真夜ちゃん!」
「うん。そりゃあ、少し強化魔法使ってやったから。」
「何で!?」
「それくらいしないと正気に戻らないな、って思ったから。」
「正気って・・・・・・、真夜ちゃん、俺はちゃんと正常だよ。」
土田君の目が変わる。「うっそー!どこが?」と言いたいがその目が言わせてくれない。やばい、私はこの目を知っている。