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026.尾行

途中から最後まで水原目線

 と言うわけで翌日9時半の10分前、○○駅に到着時。待ち合わせの相手はもう来ていた。

「すみません。またせてしまって・・・・・・・・・。」

「いや、そんなに待ってないよ。俺も今来たところだし。」

いや、それは嘘でしょ。見たら分かる。

「・・・・・・じゃあ行こうか。」

「はい!」


「あー、真夜ったら。あんなにうれしそうに手をとっちゃってぇ。もうー、かわいいんだから♪」

「・・・・・・・・。」

現在○○駅に9:20。なぜか僕は、真美さんと土田君に引張られて、真夜ちゃん(と風天先輩)のデート(認めたくないけどね!!)を尾行中。昨夜、真美さんに真夜ちゃんがお風呂に入っている間に(強制的に)誘われ、その後、土田君からお誘いのメールが来たので逃げられなかった。3人で尾行、・・・・・・・と思っていたが現地に来て僕たちだけではないことを知った。先客がいたのだ。

「あのー・・・・・・・、金島先輩と火室先輩はなぜここに・・・・・・・・?」

「俺のせいじゃなぁ」

大声で自分のせいじゃないと言おうとした火室先輩の口を金島先輩がふさぎ、

「ばれますよ?」

と小声で忠告すると

「ふるひゃい!」

と火室先輩が返した。うるさい!!っと言ったのだろう。

「・・・・・・嫌がらせです。」

「へ?」

「睦への嫌がらせです。実と月影さんには何の恨みもありません。」

と金島先輩が言う。これが僕の質問への答えだ。

(((まだ、昨日のこと怒ってたんだ・・・・・・・・・・。)))

「まぁ、とりあえず現状報告。実は9時から来てずっとそわそわしてました。」

それだけかい!!・・・・・・まぁ、風天先輩なんてそんなものだろう。

ちなみに真夜ちゃんは、昨日、服選びに2時間真美さんに相談しながらかけ、行く時間は何分前ぐらいがベストか悩んでいたので10分くらいでいいんじゃない?と答えておいた。服は2時間かけて選んだおかげですごくかわいいし、風天先輩も少し赤くなりながらさらりとほめてた。真夜ちゃんも赤くなりながら照れてる。ちなみに2人の会話は真美さんが真夜ちゃんの服にこっそり仕込んでおいた魔道具の効果で僕たちに中継されてる。

(あー、もうー、何で?)

僕と出かけるときは、適当に動きやすい服選んでくるのに。それでほめても「そんなことないよ~。」と僕がお世辞を言ってるみたいなコメントしか返ってこないし。いや多分、本気でお世辞を言ってるんだと思っているんだろうな・・・・・・。

「そういえば、実ってなにげに真夜のこと呼び捨てにしてるわよね。いつもは、名字呼びなのに~。っあ!そういえば睦は真夜のこと呼び捨てよね!」

っと、真美さんが言うとみんなの視線が火室先輩に行った。その視線は「どういうこと?」と言っている。まぁ、僕の場合そうなったときの会話を聞いていたからその場の空気を呼んでの行動だけど。火室先輩はたじろいながら、

「そ、それは・・・・・・、あ、あいつが、月影妹はやめろって言うから・・・・・・」

(おい、そのたじろいっぷり、火室、お前もなのか!?)

ちょうどいいので、火室先輩で遊ばせてもらうことにした。

「でも、あのとき真夜ちゃんは『普通に月影で・・・・』って言ったのに、無視したのは火室先輩ですよねぇ?」

っと、僕が言うと火室先輩は「-っ、あー、うー・・・・・」っと言っている。

「あら、瞬ちゃん、その過程知ってるの?」

と真美さんが言う。

「はい。僕のクラスの大半は知っています。何しろ、わざわざ教室に来て真夜ちゃんのこと、呼び出すもんですからかなり目だってますよ。」

と僕が言うと金島先輩が

「睦、そんなことやってたんですかぁ。」

と面白いこと知ったというように言う。火室先輩は「後で覚えとけよ!!」と僕に目で言う。真夜ちゃんがからかっても怒らないのにさぁ。火室、やっぱりお前も(真夜ちゃんが好きなの)か!!と思っていると、土田君が

「えー、火室先輩も真夜ちゃんのこと狙ってたんですかー?」

と言う。おい!〝も" ってまさか、土田、お前もなのか!?と思ってると、土田君から笑顔のみが返された。クソ!!

「ち、違う!!真夜はそういうのじゃなくてだな・・・・・・」

おい!じゃあ、なんなんだよ、火室!!

「こ、これのせいでだな・・・・・・」

と昨日、金島先輩に付けたれた魔道具を目線で指す。

「だからって、別に、真夜ちゃん以外の女の人と絡めないだけで、それは真夜ちゃんと絡む理由にならないじゃないか・・・・・!!」

と小声で言ってしまった。が、幸い火室先輩以外には聞かれたが、本人は頭がパンクく仕掛けていたので聞いていなかった。セ、セーフ・・・・。だが、他の人には聞かれたしまったので火奈ちゃん事件(?)を話さなくてはならなくなった。


「さすが私の真夜!優しいしかわいいわー!!」

いや、確かに真夜ちゃんはかわいいが、今の話でその結論には至らないでしょ!真美さんよ。優しいはともかくさ。

「で、睦は私の真夜にほれちゃったわけね!」

「ち、違う!!・・・・います、先輩。」

「ふふふ」

と真美さんは笑うと思い出したように、

「瞬ちゃんはもちろん、光もなのよね?なら、慧は?慧は私の真夜のこと、どう思ってるの?」

とすごくわくわくしながら言う。

「まぁ、面白子だなとは思ってますよ。」

と、どうとでも取れるコメントを金島先輩は言った。よし!こいつは敵ではない!!ただし、このことに関して、見方でも絶対にないがな。だが、真美さんは自分が期待してた方に取ったようで

「さすが私のかわいい真夜!みんなを骨抜きにしちゃってもう!!」

と言う。いや、真美さん。骨抜きまで入ってないと思いますよー。尾行対象と僕と真美さんを除いて。話から外れた火室先輩は「うるさい!」だとか「しつこい!」とか言ってる。多分、火奈ちゃんが絡んできたのだろう。火奈ちゃんは、僕の使役可能な魔元素でできた精霊ではないので、見るどころか、声すら聞こえない。小声で返せばいいものを、先輩は大声で返す

ものだから怪しい人と化している。いや、それ以前に前にいる尾行対象たちはきずかないのか!?

 

 夕方になった。意外にも2人のデート(とは認めたくないけどね!!)は平凡に終わった。本当に意外だ。ちなみに、金島先輩の火室先輩への嫌がらせは大成功で、火室先輩はかなりげっそりしながら帰っていった。火奈ちゃんを相手にするのが相当疲れたらしい。

 火奈ちゃんと魔道具は1週間後無事に真夜ちゃんに返却された。



 

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