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021.16th My Birthday(3)~腕時計~

 授業が終わり、生徒会室。お姉ちゃんの邪魔(?)耐えながらも仕事を終え、もう帰るかぁ、と数人が生徒会室から出ると、

「月影、ちょ、ちょっといいか?」

と風天先輩に声をかけられる。また、金島先輩にからかわれて風天先輩はまた恥ずかしそうにする。うん、やっぱりこの二人のツーショットはいいね!気が済んだのか、金島先輩はクククと笑いながら行ってしまった。部屋には私と風天先輩だけになる。

「真夜」

「はい。」

「これ・・・・・・、あげるよ。」

私に小さな箱をわたす。

「空けてみてもいいですか?」

「うん。いいよ。」

こんなやり取りは今日1日でいろんな人とやったけど、今が一番どきどきわくわくする。乙女ゲームの中では、相手かプレゼントをくれることはよくあるし、それで好感度が測れる。だけどここは現実(リアル)だ。何が起きるか分からないように、何がもらえるのか分からないし、好感度も測れやしない。そんなことを考えながら包装を開けると小さい木の箱が出てきた。箱の後ろの側面にはおしゃれな書体のローマ字で私の名が彫られていた。その箱を開けると、時計が出てきた。ベルトの部分が革ではなくいつも私が身につけている魔道具のようになっている。

「これ・・・・・・・・・、魔道具ですよね?」

そう、ダダの時計ではなかった。

「あぁ、うん。ほら、真夜って時計つけて無くていつも不便そうにしてただろ?それって、もしかして魔道具を腕につけてるせいで時計がつけれないのかなって思って。だったら、二つを合体させれば解決するなぁ、って思いながら魔道具屋さんを見てたらちょうどいいの見つけたから、誕生日プレゼントにな。」

うれしい。この人が私のことを考えてプレゼントをくれたことがすごくうれしい。思わず笑顔になる。

「ありがとうございます!今まれもらったプレゼントの中で一番うれしいです!!」

「それは大げさだろ。」

と言いながら先輩はまんざらでもなさそうに笑う。

「そんなことないです。・・・・・・・・早速付けてもいいですか?」

「うん。」

そう言うと先輩はいつもの魔道具がついてるほうの手の手首をつかみ、空いているほうの手で魔道具を私からはずし、先輩がくれたほうの魔道具を私の手首に付け、いつもの魔道具についていた精霊(チャーム)を新しい魔道具に付けた。あまりに、自然な動きだったため、私はその動作をボーと眺めることしかできなかった。何も考えていない。それは先輩も同じだったようで、終わったあと数秒固まり、顔を真っ赤にさせあわてて私から手を離す。私も顔が真っ赤であろう。

「ご、ごめん!!本当にごめん!!何言うか・・・・・・、そのー・・・・・、つい・・・・・・」

先輩が頑張っていいわけを模索している。

「あ、あぁ、い、いえ、・・・・・・・・ありがとうございました・・・・・・・。」

先輩が気にしているようなので、気にしないでと言う意味を込め笑顔で私は言った。ちゃんと笑えてるかな?先輩はまた数秒固まり、さらに顔を赤くさせる。そしてッハっとし、

「あ、あ、う、うん。わ、分かった。そ、そろそろ帰らないとだよな!!送っていくよ。」

「あ、ありがとうございます。」

私はあわてて今まで使っていた魔道具を木箱に入れ鞄にしまった。顔と先輩に触られた手が熱い。鞄と金島先輩にもらったティーパックのお中元セット(?)を持ち(鞄に入らなかったの!)部屋をでようとしたとき、先輩が

「持つよ。」

と言い、ひょいっとティーバックセットの箱を持った。なにげにキュンときた。

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