205.偽家族5~これ以上巻き込まないでください!~
――――我が家に君を支援させて欲しい
・・・・・・え?支援?何を??
「主に君の場合教育費かな?君が望むなら生活費も」
「ちょ、ちょちょ待ってください!!」
「ん?何を待つんだい?」
「何で、そんな・・・・・・・・・。いや、そもそも、何で私を!?」
わけ分からないよ!
「若く能力がある人間を育てる。これは良いことだよね?」
「はい・・・・・。」
「でも、能力を育てるにはそれなりの環境が必要だよね?」
「はい・・・・・・・。」
「そしてその環境をと整えるにはお金がかかることは分かる。」
「はい。」
「だから、いくらの力がいくらあっても誰もがその能力を伸ばすことはできないのが、この世の中だよね。」
まぁ、そうだから学校の奨学金制度なんかがあるんだよね。
「だから、いわえる私達お金持ちと言う人間は、そういう人間を支援するんだ。理由は分かるかい?」
「・・・・・・・・?」
うーん・・・・・・・・・、分かるような分からないような・・・・・・・?
「その支援した子が国や世界に貢献すれば有名になるだろう?有名人を支援したとなるとその支援者も評価される。それが狙いなんだよ。」
支援者が支援され、もし、その支援者が会社の経営者だとしたらその会社までもが評価される。つまり、会社の利益のためか。
「この支援は我々お金持ちのステータスみたいなものなんだよ。」
「・・・・・・、支援の意味は分かりました。でも、何でそれが私なんですか?」
如何考えたって変だ。
「まずは君の魔法だよ。魔法師というだけで価値が高い。いくつかの家では聖魔に通っている全ての生徒を調べているところもあるくらいなんだよ。聖魔の一番初めの入学条件のは魔法が使えることだからね。」
こ、怖い!聖魔の通ってるっていうだけで、知らない間に知らない人から調べられてるとか怖すぎる。
「その聖魔生の中でも君の能力は素晴らしい。とても応用が利く能力だし、日常生活にもとても便利で魔力もずば抜けている。」
すみません。それ女神様チートです。チートですみません。なので、もし私以上の能力を持った魔法師がいたら世界が滅びます。世界再生を担う聖女だからね。
「それに加えて成績も優秀だ。もう、18期生の中の主席は君で決まったようなものだ。」
聖魔では毎年各学年から主席を選ぶ。選考法方は魔法の成績と学力を総合して判断して決まる。聖魔の主席は一種の主席は一種の資格のようなもので持っていると進学・就職に有利となる。
「でも、私は凄いことをする気は全く無いんです。」
「おや、そうなのかい?」
「はい、だからお断り」
「でも、私はそんなこと如何でもいいんだよ。」
「・・・・・・・・、へ?」
何言ってるの?何が如何でもいいの?
「私に本当の目的は、君の支援をすることで公の場でも君を身内・・・・・・・・・、私の娘のように振舞えるようにすことなんだよ。」
とパパさんがあの胡散臭い笑顔付きで、それこそ、どーでもいいわ!、と言いたくなるようなことを言った。しかも妙に笑顔がキラキラしている。そのせいで胡散臭さがさらに増している。あと、公の場って何!?
「やっぱりパパとしては可愛い可愛い娘を自慢したいものなんだよ!」
いや、とっても恥ずかしいのでしないでください!
「何よりれんちゃんが喜ぶしね☆」
ちょっと!それが99.9%それだね!?
「いや、でも悪ですし・・・・・・・・・。」
止めてくれ。そんな愛妻家精神で火室家事情にこれ以上私・・・・、いや、私とマコちゃんを巻き込まないでくれ。
「え?そんなのは全く気にしなくていいんだよ?君が家の中だけじゃなくてお外でも私達の娘として振舞ってくれれば、我が家は嬉しいし、君の家の家計は助かる。良い案だと思うんだけどなぁ・・・・・。」
「いや、良くないです!!」
というか、それで満足するパパさんが理解不能である。愛妻家にもほどがある。
「あ!そうだ!じゃあ、マコ君にしたら如何かなぁ?」
はい?
「君の弟であるマコ君ならさぞかし優秀に成長はずだ。それにマコ君はスポーツでも良い成績を残している。もう十分、凄いことをしてるじゃないか!」
まぁ、マコちゃんがもうすでに凄いことをしてるという点は否定しないけど・・・・・・・・・。小学生が対象になっている陸上大会では全国大会上位の常連さんだからね。
「それなら断る理由はないよね?」
「え。えっと・・・・・・・・。」
如何しよう。如何断ろう・・・・・・・?こ、こうなったら・・・・・・・!
「そ、それは・・・・・、マコちゃんのことなので私では返事ができません。マコちゃん、もしくは両親に聞いてください・・・・・・・。」
親とマコちゃんに投げよう!
「なら、大丈夫だね。」
おい、何、「もう決まり♪」見たいな顔してるのパパさん!?その自信はどっから出てくるの!?
その日のあった週の週末。パパさんが私の家にお宅訪問し、(どうやってだかは不明だが)見事両親の説得に成功し、マコちゃんの援助契約を結んだ。そのときに「真夜さんの方もよろしければいつでも援助を」と聞こえたような気がしたが聞かなかったことにする。というか、空耳であって欲しいと思っている。頼むから止めてくれ・・・・・・!!
次話は明後日、5日土曜日午前10時にup