202.偽家族2~報告~
(・・・・・・・て、結局お兄ちゃんの家・・・・・・・。)
マコちゃんが帰ってきたら即座に車に乗っけられ、連れてかれたのは火室家本邸。またママさんから招集がかかったようだ。そんなことだったらさっさと用件言えばいいのに・・・・・・・。言わないで喧嘩する時間が無駄だと思う。お兄ちゃんもなんだかんだ言って子供なんだろうな・・・・・・・・。
お兄ちゃんに連れられては行った部屋にはもうすでにママさんがいた。
「いらっしゃーい!真夜ちゃん、マコ君!」
「「おじゃまします。」」
「さぁ、座って座って!」
と言われたので椅子に座った。すると三次元メイドさんがお茶を淹れてくれた。
「お菓子も好きなように好きなだけ摘んで良いからね。」
と言ってくれたので、遠慮なくお菓子を摘む。まぁ、摘む程度ですんでいないのだが。だっていっぱいあるし。マコちゃんも無表情のままパクパク食べてるし。
(あ・・・・・・!これウマッ!)
どのお菓子も美味しいけど、その中でも特に美味しいものを見つけた。もう1つそれをいただこうと、そのお菓子がのっているお皿に手を伸ばすと手がもう1つ。マコちゃんの手だ。マコちゃんも私が食べようとしていたお菓子を、私が手に取るのと同時に手に取った。私がそのお菓子を口の中に入れモグモグと食べていると、急にお兄ちゃんが噴いた。
「何がそんなに可笑しい面白いんですか?」
「いや・・・・・・・・。面白いというか・・・・・・・、凄く似てた。」
「へ?何にです?」
「マコとお前。美味いもん食ってるときが一番似てる。」
「「?」」
私がマコちゃんの方を見ると同時に、マコちゃんが私の方に顔を向けた。そして同時に首をかしげた。まぁ、私とマコちゃんは基本的に瓜二つな顔をしている。違いといったら、顔に思ってることが直ぐ出るかポーカーフェイスかというところ。
「確かに鏡に映した自分見たにそっくりだったわよ。動きまで。」
とママさんがウフフと笑いながら言った。その言葉が本当だとしたらさぞ面白い光景だったことだろう。同じ顔の人間が同じタイミングで同じ動きをし、それが隣同士に並んでいるのだから。まぁ、楽しんでいただけたようで何よりです。
お茶を楽しみ始めてから、しばらく時間が経った。
「ママから皆に報告がありまーす!」
何の前触れ無しにいきなりママさんがそう言った。何だろう?
「何とー・・・・・・・・、皆に弟か妹ができまーす♪」
(え・・・・・・・・・・?)
「えぇーーーーーーーー!!?」
声を出して驚いたのは私のみだが、お兄ちゃんもマコちゃんも驚いてる。驚きすぎて椅子から立ち上がってしまった。って・・・・・・・・・、あれ??
「何でお兄ちゃんまで驚いてるの!?」
「お、俺も今初めて聞いた・・・・・・・・。」
「ま、マジで!?」
何でこんな重大報告を実の息子が偽妹・偽弟と一緒に受けてるの!!?やっぱり火室家は家族ぐるみで変だよ!
「ウフフ。今、私のお腹の中に赤ちゃんがいるの。三ヶ月なんですって。」
「お、おめでとうございます!」
「おめでとうございます。」
「真夜ちゃんもマコ君もありがとう。」
で、当のお兄ちゃんは・・・・・・・・・・・、機能停止状態である。
「お、お兄ちゃーん・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・・・。」
私が声をかけた。が、反応無し。
「お兄ちゃん・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・。」
マコちゃんが声をかけても反応無し。
「りっくーん・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・。」
ママさんが声をかけた。反応無し。しょうがない・・・・・・。
「お兄ちゃん!」
「イテェ!!」
私はお兄ちゃんの足を踏んだ。
「容赦なさ過ぎるだろ、真夜!」
「でも。おかげで異空間から帰ってこられたじゃないですか。」
「お前・・・・・・、年上を敬うってことを知らないだろ・・・・・・。」
「知ってますよー。だから敬語使ってるじゃないですか。でも、お兄ちゃんは兄なので基本的には必要ないかと。」
自分に発言には責任を持て。
「っう・・・・・・・・・・・!」
よし!言い負かした!私の勝ち。
「あらー。どこかに行っちゃったの?りっ君。」
「おふくろ、何でいまさ、イテッ!」
今度はお兄ちゃんの膝に後ろから蹴りをいれて膝カックンをくらわせてみた。相当痛かったらしく、お兄ちゃんはその場にしゃがみこんで膝を抱えた。
「ッ~~~~!」
「お兄ちゃん、何でそうやってすぐツンツンするんですか!?家族にくらい素直になってく
「ださい!嬉しいならうれしいって言わないとママさんとママさんのお腹の中にいる赤ちゃんが悲しみます。お兄ちゃんは長男なんですから、少しでも、私達妹弟達の良いお手本になってください!」
「ま、真夜・・・・・・」
「じゃないと、反面教師としての役割しか果たせませんよ!」
「最後のは余計だ!!」
お兄ちゃんは立ち上がっていった。
「えー?お兄ちゃん、反面教師としては立派なお兄ちゃんですよ?とーっても良い見本ですよ??」
「おい、真夜。いくら兄でも、お前の子と殴りたくなってくたぞ・・・・・・・!」
「それは図星だからじゃないですか?」
「っう!!」
やっと反省したか。
「お・・・・・・・、おふくろ。」
「なあに?りっ君?」
「・・・・・・・、おめでとう・・・・・・・・。」
ママさんから目を逸らしてだがお兄ちゃんはちゃんと言った。エライエライ、と頭をを撫でてやろうかと思ったけどお兄ちゃんの背が高すぎて届かないので、肩をポンポンとたたいてあげた。
「・・・・・・おい。」
「んー?何ですか?」
「何故か今のイラッてきたんだが」
「あ~。それはお兄ちゃんのレベルアップが低レベルだからですよ。」
「・・・・・・・・やっぱり、殴って良いか!?」
「暴力反対です!」
「人に散々暴力を振るったお前に言われたくない!!」
「ナンノコトダッペ?」
「誤魔化し方下手糞すぎだろ!!」
「ソウダッペカ?」
「疎なしゃべり方いつまで続ける気だ!?」
お兄ちゃんお怒りである。
「ウフフ。」
ママさんが笑った。まぁ、傍から見ればコントっぽいよね。
「ありがとう、りっ君。りっ君も真夜ちゃんもマコ君もこの子のことたくさんかわいがってあげてね。」
とママさんは嬉しそうに自分のお腹を撫でながら言った。
次話は打ち込み終わり次第です。すみません!!